
※前年度情報を掲載中
現代文
2022年度入試の問題分析
ここでは全学部統一日程について紹介する。2021年度の同日程の国語は、生徒たちによる【会話文】と現代文、古文それぞれ3つずつ、計6つの【資料】が交互に配された11ページに及ぶ問題文に、問十六までの設問が課されるというかなり特殊な出題形態であったが、2022年度は漢字、現代文、古文という従来の3題構成に戻った。現代文では「贈与」という現象を哲学的に考察した硬質な評論文が出題されている。本文の長さは4,000字強。ただし、設問の後半では同じく贈与を扱った別の短い文章を掲げての問いが見られ、共通テストに似た出題形態となっている。解答形式はすべてマークセンス方式で、国語全体の試験時間は60分。マーク数は漢字6、現代文9、古文9。現代文の設問は、現代文では空欄補充問題が中心で、選択肢から適切な語句を入れるものに加えて、本文から指定した字数で抜き出す形で設問文中の空欄を埋める形式も見られる。そのほかに傍線部内容説明や文学史も問われている。全体の難易度は標準的であるが、抜き出し問題には手間取ることもありそうだ。
2023年度入試対策・学習アドバイス
漢字は確実に得点できるよう対策を
漢字問題もすべてマークセンス方式であり、いずれも常用漢字の範囲内からの出題ではあるが、きちんと対策しないと習得できないレベルの漢字・語句が狙われている。意外と差がつくと考えられるので、漢字対策の問題集を1冊決め、反復練習に努めたい。漢字問題には語彙問題の一面もあるので、評論の語句を集めた参考書も1冊マスターするとよい。読解問題の助けにもなるはずだ。
多様な空欄問題への対応力を養う
以前から駒澤大学の入試では空欄補充問題が多く課される傾向にあるが、大きく分けて、語句の知識が決め手となる問題と、本文の内容理解に関わる問題がある。前者については、問われている言葉そのものを知らなければ致命傷となるので、ここでも語彙力の強化が重要となる。評論文で頻出の用語はもちろん、ことわざや慣用句、四字熟語などにも可能な範囲で目を配っておこう。また後者については、基本的には空欄前後の流れを捉えることで解答の手がかりが得られることが多いが、設問中に掲げられた文章に設けられた空欄に入る言葉を選ぶタイプの問題では、その文章の内容を把握しつつ、本文全体の論旨も踏まえて正解を見つける必要があるため厄介である。同種の問題を見つけて訓練を積んでおきたい。
私立大学型の問題集や過去問で演習
試験に備えた問題演習としては、客観問題を多く収めた、標準レベルの問題集を選んで取り組むとよいだろう。過去問についても、ほかの日程で似た傾向の出題が見られることも多いので、受験する日程以外の日程の問題にも積極的に挑戦していきたい。複数資料型の問題への対策として、共通テスト向けの問題集などでの練習にも一定の効果が見込めそうだ。ただし、どのような問題集で練習するにせよ、解きっぱなしは禁物だ。答え合わせをして終わりというのでは実力向上にはつながらない。解説などを参照しながら、正答・誤答の理由をしっかり考察し、なぜ自分が間違えたのか、解答を迷ったのかを解明することまでが問題演習だと心得たい。ときに煩わしく感じるだろうが、そうした過程を踏むなかで、根拠を持って確実に正解できる読解力が備わる。