玉川大学大学からのお知らせ 入試対策情報
現代文
2025年度入試の問題分析
学部の出題内容と形式
全学統一入学試験、地域創生教員養成入学試験、給付型奨学金入学試験で共通して課された問題について説明する。大問が2題課されたのは例年どおりだが、2025年度入試の大問一は、出題された文章の傾向がこれまでとは異なる。従来は、難度は高いものの、大学入試においては「評論」に分類される文章、つまり、筆者の思考の筋道をたどり、内容を論理的に理解することが求められる文章が出題されていた。それに対して2025年度入試においては、文章によって提示されている個別の事実を正確に識別することが求められているように思われる。従来の大学入試でも小論文では頻繁に取り上げられてきた種類の文章だが、現代文においても徐々に広まる傾向にある。文章の主題は地球における生命現象の始まりを巡るものだった。多くの受験生はなじみも基礎知識もない状態で事実を正確に把握することが求められ、苦労をしたのではないかと思われる。大問二は従来型の評論が出題された。トーマス・クーンによる「通常科学」の理解から、科学者および科学者共同体の在り方を理解し直すというのが主題。2024年度までの問題に比べると、難度は大幅に下がり、受験生としては対応しやすかったのではないかと思われる。
2026年度入試対策・学習アドバイス
様々な文章に触れる
年度によっては狭義の受験対策では対処できないような難問が出題されるケースもあるので、様々な文章に触れ、読解力向上の訓練をする必要がある。『ちくま評論選』(筑摩書房)のようなアンソロジーに目を通すのも有効な手段。楽しく読むことができれば、合格に近づく。また自然科学でも社会福祉でもよいが、表やグラフを活用しながら、事実を説明する文章にも慣れておいた方がよいだろう。時間がなければ、地歴や理科など、学校の教科書を自分で読む習慣を身につけてほしい。先生の説明を聞くだけでなく、あらゆる分野に関して、自分で読むことを通して知識を身につける姿勢が必要。
主題への意識
設問を正確に解くためには、論旨を正確に追い、内容を頭に残さなければならない。そのために不可欠なのが、主題に対する意識だ。主題とは、その文章における「説明の対象」である。言い方を変えると、読者が理解しなければならないことだ。通常はたったひとつしかない。その主題に対する説明が、残りの文章全体を占める。そして、「この部分は何を説明するためのものか」という意識を持つと、各部分の関連が見えやすくなる。そうすれば、理解した内容が頭に残り、理解したことを、実際に設問を解くときに生かせる。
読解の基本を身につける
「対比」「具体例」「言い換え」など、説明の基本的な手段に注目しよう。難しい文章であっても、これらに注目することが、理解のための第一歩になる。受験現代文のセオリーを身につけることは、読解力向上のためのシンプルな手段だ。
漢字と語彙力
漢字の学習は必須。日常ではあまり使用しないが、物事を説明したり理解したりするには必要不可欠な、多くの抽象的な言葉もその過程で覚えられる。言葉を覚えるときには、用例を踏まえ、意味や用法を理解しよう。余裕があれば現代文重要語を集めた参考書も利用して多くの言葉に触れてほしい。
