東京女子大学大学からのお知らせ 入試対策情報
世界史
2025年度入試の問題分析
普段の努力がきちんと点数に反映される標準的な問題
問題数は1日目(2月3日実施)・2日目(2月4日実施)のいずれも大問4題で、小問数は1日目が50問、2日目が52問であった。出題形式は人名や歴史上の出来事を問う単答式や、下線部に関する4択問題が出題の中心を占めたが、1日目では、世界史の授業を想定した会話文や生徒のメモ、および図版を用いた問題といった共通テストを意識した形式が見られた。出題範囲について、時代は古代から現代まで幅広く出題されたが、2日目は19世紀以降の近現代史が全体の半分強を占めた。地域はヨーロッパや中国からの出題が目立ったほか、1日目では日本関連の出題も見られたが、世界史探究の学習で十分に対応できる問題であった。難易度については、多くの教科書に記載されている基本的な内容が出題の中心であるため、普段の努力がきちんと点数に反映される問題といえる。なお、政治史に限らず文化史や社会経済史などの分野からも出題されているため、学習の際には、政治史に偏らないよう注意する必要がある。
2026年度入試対策・学習アドバイス
近現代史、ヨーロッパ史・中国史の対策を重視する
東京女子大学に限らず大学受験の世界史において、時代においては19世紀以降の近現代史、地域においてはヨーロッパ史・中国史は頻出である。まずはこうした頻出分野の対策を徹底し、これらの分野を得点源にしたい。特に、多くの受験生にとって対策が後手になりがちな第二次世界大戦後の歴史(いわゆる「戦後史」)の完成度は得点差に大きく直結するため対策に十分な時間をかけよう。歴史上の出来事を、18世紀までは○○世紀前半/後半、19世紀以降は10年ごとに、中国史については王朝ごとに区分しておおよその時期を整理するとよいだろう。もちろん、ほかの時代や地域の学習をおろそかにしてはいけない。学習範囲の「抜け・漏れ」をなくすべく、まんべんなく対策しよう。
基本レベルの問題の正答率を高める
東京女子大学の世界史は、教科書に記載されている基本的な知識を各分野にわたって身につけていれば十分に合格に達するようデザインされている。それゆえ、多くの受験生が正解するであろう基本レベルの問題での大量失点は禁物である。教科書に書かれている内容にしっかり目を通し、わからない語句は用語集などを活用してその意味を把握したうえで、各時代・地域の特徴を理解しよう。また、教科書の文章を読むだけでなく地図を活用して、同時代における他地域の出来事との関連にも意識を払っておきたい。
共通テスト形式の問題に慣れる
問題分析の項目でも触れた通り、東京女子大学では共通テスト形式の問題が出題されている。これらの問題は、各出来事の因果関係・歴史的意義を考察することに加え、史料文・会話文・図版から読み取れる情報などを加味して解く必要があるため、1問あたりの解答に時間がかかる。過去問の取り組みに際しては、まずは制限時間を気にせずじっくり問題に向き合い1問1問丁寧に解くことで、正解するためにはどういった力が求められているのかを実感してほしい。東京女子大学の過去問だけでなく、共通テストの過去問も活用して、独特の形式に慣れておくことを勧める。
