東京女子大学大学からのお知らせ 入試対策情報
日本史
2024年度入試の問題分析
全日程大問4題。文系1日目は、小問50問のうち記述式20問で記述式を中心に出題する傾向は例年通りである。
問題Iは古代~中世の政権者、問題IIは近世の史料雑題、問題IIIは桂太郎の人物史、問題IVは近世~近代の日本と世界の関わり。文系2日目は、小問50問のうち記述式が25問で、記述力が合否を分けたと言える。問題Iは古代の建造物、問題IIは中世~近世の史料雑題、問題IIIは江戸~近代の天皇制、問題Ⅳは昭和期の史料雑題。近世以降近現代に比重が多いことにその特徴が見られる。
2025年度入試対策・学習アドバイス
史料を読解する力をつけよう
東京女子大学の史料問題は、空欄補充やその内容に関する正誤判定問題が出題される。2024年度は、文系1日目が大問で1題、文系2日目が大問で2題出題された。史料は複数使用され、大問につき4~6本使用される。未見史料も多く、設問や史料内にあるキーワードを見つけることが重要になる。近代の史料が頻出なので、条約などは特に注意したい。
データの分析を意識しよう
東京女子大学は、歴史事象から考えられる当時の事情や背景などを文章で組み合わせる問題がある。XY、ab、ⅰⅱの3つを組み合わせて線で結ぶという独特な問題である。内容としては、共通テストに近いので、共通テストの問題を利用するとよい。
近現代史は戦後史までしっかりとマスターしよう
東京女子大学の創立者新渡戸稲造が国際的貢献者でもあることから、近現代の問題には外交問題が多く見られる2024年度は、文系1日目の戦後史は小問1問であったが、文系2日目は小問が7問も出題された。戦後直後だけでなく、1980年代のプラザ合意や竹下登内閣についての正誤問題も出題された。2023年度も文系2日目は7問で、1970年代のニクソンショックまで出題された。戦後直後だけでなく、1970~80年代まで出題されるつもりでいてもらいたい。また、歴史総合を意識して世界と関わる事項については特に注意しよう。
記述力がすべての鍵である
40~50%が記述式の問題である。単語を正確に記述できる力が問われる。ただ単語を書き続けるのではなく、その単語の意味をまず考え、問題文にくるであろうキーワードを意識しながら記述練習を徹底しよう。年代並べ問題も必ず出題される(2023年度は文系1日目が7問、2日目が3問。2024年度は文系1日目が3問、2日目が2問)がこれは少し難しい。だからこそ、標準的な問題が多い記述問題は、高得点を狙っていきたい。
図版問題にも注意が必要
2023年度は室生寺金堂の写真、朝鮮出兵時の侵攻図、水戸藩の位置、江戸時代の百姓一揆の形態のグラフ、菱垣廻船の絵、東南アジアの地図、近代の貿易品の円グラフが出題された。2024年度は石見銀山の地図、イギリスとインド・中国の貿易関係の図、中国へのアヘンの輸入額のグラフ、前方後円墳の分布の地図、8世紀半ばの朝鮮半島の地図、伴大納言絵巻の絵、ポルトガルとスペイン領の地図、丹後国の地図、1985~2005年の主要通貨の対米ドル変動率の推移のグラフが出題された。地図が多く見られるので、旧国名だけでなくその位置、世界地図まで目を通しておきたい。