日本女子大学大学からのお知らせ 入試対策情報
日本史
2024年度入試の問題分析
日本女子大学の2024年度入試の文学部と人間社会・国際文化学部の2つの日程の問題を分析する。出題形式は文学部では大問が5題、小問が54問(2023年度は50問)、人間社会・国際文化学部では大問が4題、小問41問(2023年度は40問)とどちらの日程も小問数がやや微増した。扱われた時代は、文学部では第1問が古代(2023年度は古代・中世)、第2問が中世、第3問が近世、第4問が近代、第5問が近現代(2023年度は現代)、人間社会・国際文化学部では第1問が古代・中世、第2問が近世、第3問が近現代(2023年度は近代)、第4問が現代と、2023年度と比してやや変化は見られたものの各大問で扱われた大枠の時代はほぼ変化はなかった。出題分野に関しては、どちらの日程も各分野まんべんなく出題されているといえよう。解答形式は、記述形式とマーク式の併用である。文学部では記述形式の問題が大半を占め、人間社会・国際文化学部ではおよそ半分が記述形式の問題が出題されるなど、用語の漢字を正確に記す能力が求められている。また、文献史料を用いた問題のみで構成されている。難易度は標準的なものである。
2025年度入試対策・学習アドバイス
歴史用語の正確な記述が必要
日本女子大学の日本史では、前述したとおり、用語を記述させる問題が多く出題されている。用語を暗記する際に、用語を口頭で言えるだけではなく、正確に記述する意識が必要となる。用語を正確に記述できるようになるためには、用語を記しながら学習を進めるしかないが、その際、問題形式にして、用語を記述する癖をつけることをお勧めする(用語を見ながら記述できるのは当たり前である。問題形式にして用語を見ずに記述できることが重要)。また、何度も数多く記すのではなく、集中して一度で覚えるつもりで用語の暗記にあたれるとよいだろう。
史料学習が合否を分ける
日本女子大学では、全大問、史料からの出題が通例となっている。よって、日頃から史料問題に取り組む必要がある。史料は、教科書に掲載されている頻出のものが出題されることもあるが、比較的初見である史料が多く用いられている印象がある。史料に正面から向き合い、何が記されているか理解する気持ちを持ち、設問などをヒントにしながら解答を導きたい。史料は読解を求めるというものより、用語を求めるといったものが多いため、史料の細部までの精読は必要ないが、史料問題を得意とするためには史料への慣れが必要となるため、日頃から多くの史料に真剣に向き合うことを意識したい。
正誤問題への意識も高める
日本女子大学では、正誤問題も出題されている。文学部では3文の正誤問題が、人間社会・国際文化学部では5文(4文もまれに見られるが2024年度は出題されず)の正誤問題が主流となっている。正誤問題の数は文学部ではそれほど多くはないが(2024年度は3問)、人間社会・国際文化学部では7問(2023年度は10問出題されていた)とその数はやや多い。また、人間社会・国際文化学部では、5文の正誤の判断が求められているので、その分、難度をやや高めている。扱われている問題の難易度は標準的なものが多いが、正誤問題を苦手とする受験生は多い。正文を正文と判断することはやや難しいことが多いので、まずは誤文を誤文と根拠を持って判断できるように演習を重ねていきたい。そのためにも、日本女子大学の過去問や共通テスト日本史(旧センター試験)の過去問を利用して、その対策に取り組んでほしい。