京都女子大学大学からのお知らせ 入試対策情報
現代文
2024年度入試の問題分析
A方式1月29日、A方式1月30日ではいずれも、大問一で現代文が出題された。また、B方式では、大問一と大問二(大問三の古文との選択問題)で現代文が出題された。解答方式はいずれもマークシート式である。A方式1月29日では、西洋社会における寛容の問題を論じた評論、A方式1月30日では、日本における裁判員制度と死刑の関係を論じた評論が出題された。B方式の大問一では、芥川龍之介と菊池寛が翻訳した『アリス物語』を論じた評論、大問二では、西洋社会で生まれた科学技術がはらむ問題を論じた評論が出題された。いずれの日程でも、漢字の読み書きの力を問う問題、本文中の空欄に語句を補充する問題、傍線部の内容や理由を説明する問題、文章の内容に合致するものを答える問題が出題された。また、A方式1月29日でのみ語句の意味や故事成語の知識を問う問題が出題された。A方式1月29日およびB方式では文学史の問題も出題され、遠藤周作、芥川龍之介、菊池寛などの著名な小説家に関する知識を問うものであった。各日程の間で設問のパターンにやや違いが見られるが、難易度に差はない。いずれの日程も、設問形式が多様でありそれらを手際よく解かねばならないという難しさはあるが、標準レベルの難度と言える。
2025年度入試対策・学習アドバイス
基本的な読解力を身につけよう
まずは文章を正しく読むための読解力を養おう。文章を読む際には、筆者の主張や、その主張の根拠を把握しながら読むことが大切である。また、文章中には文と文、段落と段落の間などに、言い換え、対比、まとめと具体例などの関係性が潜んでいる。指示語や接続語に注目して、こうした関係性をつかみながら、文と文や段落と段落を読みつなぎ、それらを手がかりにして筆者の主張をつかむようにしよう。
設問への戦略を練ろう
設問を解く際には、正しくアプローチすることが必要である。①設問文を読んで問われていることや設問パターンを把握する、②本文から解答根拠を探す、③探し出した解答根拠を踏まえて選択肢を吟味する、という姿勢を持とう。解答根拠を探すためには、傍線だけでなく傍線を含む一文とその前後をよく読んで文脈を把握することが大切である。そこに含まれている指示語や接続語、傍線に関連する表現などを手がかりにして解答根拠を発見しよう。
過去問や問題集で様々な設問パターンに慣れよう
京都女子大学の現代文の問題は、大学入試の現代文で見られる設問形式のほとんどを網羅している。まずは過去問に挑戦し、どのような問題が出題されるのか確認しよう。そのうえで、過去問だけでなく様々な問題が掲載されている現代文の問題集に挑戦し、どのような設問が出題されても自信を持って答えられるように演習を積んでおこう。また、漢字問題のほか、語句の意味を問う問題も出題されている。こうした知識問題はしっかり勉強しておくと得点源にできるので、普段からわからない言葉を調べる習慣をつけておこう。語彙力は読解問題の出来を最終的に左右する。その意味でも、普段からの地道な語彙習得が大切である。さらに、文学史に関する問題も出題されているので、国語便覧などを利用して有名な作家や作品などを確認しておこう。
