京都女子大学大学からのお知らせ 入試対策情報
数学I・A
2024年度入試の問題分析
まず、A方式は大問4題で構成されており、そのうち解答するのは3題である。必須問題の大問1は小問集合である。必須問題の大問2と選択問題の大問3、4は、それぞれ設問3、4つで構成されている、流れのある問題である。出題範囲は、選択問題によって数学I・Aのみまたは数学I・A・II・Bであり、2024年度入試で出題された問題の主な分野は以下の通りである。
[A方式1日程]大問1:(1)数と式(式の値)、(2)図形と計量(三角比を含む式の値)、(3)2次関数(2変数関数の最大最小)、大問2:場合の数と確率(くじ引きの確率)、大問3:図形と計量(正五角形)、大問4:微積分法(3次関数のグラフや面積)
[A方式2日程]大問1:(1) 数と式(式の値)、(2)整数の性質(一次不定方程式)、(3)図形と計量(三角形と垂線)、大問2:場合の数と確率(辞書式順列)、大問3:2次関数(2次関数の最大値)、大問4:数列(等比数列)
どちらの日程も解答時間は80分で、大問1題あたり25分ほど。解答はすべて記述式で、答えに至る過程すべてを書く必要がある。
次に、B方式は大問3題で構成されており、そのうち解答するのは2題である。必須問題の大問1は中問(小問よりも流れのある問題)集合である。大問1には各中問に空欄が5、6セットずつ、選択問題の大問2、3には空欄が7〜10セットある。
[B方式]大問1:[1]整数(最大公約数・最小公倍数)、[2]場合の数と確率(反復試行の確率)、[3]2次関数(2次関数のグラフとx軸)、[4]集合と論理(1次不等式と必要・十分条件)、大問2:図形と計量(三角形と円)、大問3:図形と方程式(円と軌跡・領域)
2科目で120分であるから、数学に60分使うとすると中問には10分ずつ、大問2、3には20分ほどかけられる。解答はすべてマークシート式で、文章内の空欄を順に埋めていく形である。
いずれの方式も、入試問題としては基本~標準レベルの問題で構成されている。
2025年度入試対策・学習アドバイス
重要分野
2023年度から数学II・Bも使って受験できるようになったり、A方式は2023年度までは3題中2題解答であったのが2024年度は4題中3題解答になったりと、変更が多い。2025年度入試は新課程入試になることもあり、もし問題数や傾向などに多少の違いがあっても驚かないようにしておきたい。
大問1については、数と式・場合の数と確率・整数の性質・図形問題からの出題が多い。
選択問題のうち数学I・Aの範囲の問題は、2024年度やそれ以前の問題を見ても、2次関数や図形と計量・図形の性質の問題が多いので強化しておきたい。
ただし、大問では確率、小問ではデータの分析や三角比の計算が出題されたこともあるため、まずはどの分野もまんべんなく基礎を抑え、典型問題を習得したうえで、上記の分野を強化しておこう。
数学I「図形と計量」と数学A「図形の性質」などの融合問題も多いので、分野にこだわることなく、使える知識を総動員して問題を解くことが求められる。もちろん小・中学校で習う図形の知識も使うことがあるので、最低限復習しておきたい。
形式に対応しよう
A方式は全問記述式なので、計算過程も答えに至るまでの論理や過程もすべて、解答用紙に書く必要がある。重要なのは、自分のことをまったく知らない赤の他人が見てわかるように書かないと、伝わらないこと。しかし、それができているかどうかを自分で判断するのは難しいため、例えば過去問を解いた際など記述式の答案をきちんと作り、少なくとも数回は学校や塾などの先生に見てもらうようにしよう。
B方式はマークシート式であるため、計算ミスが命取りとなる。ミスを減らす工夫はもちろん、計算し終わった後にミスを探して修正する訓練を重ねておきたい。また、流れを埋める形式が苦手な人は、共通テスト対策用の基礎寄りの問題集などで練習をしてもいいだろう。
過去問をうまく活用しよう
基本~標準レベルの問題が多いので、教科書や傍用問題集などを用いて、しっかり基礎を固めておきたい。ただし、直前になって過去問を解き、そこで初めてまったくレベルに達していないことや記述が書けないことなどが発覚すると、それらを取り返す時間がない。よって、まず1回分でいいので過去問を解くことで、時間や目標、自分の今のレベルを確認してから、本格的に受験勉強を始めてほしい。