関西学院大学大学からのお知らせ 入試対策情報
日本史
2024年度入試の問題分析
関西学院大学では2022年度入試以来、大問4題・小問40問の形式が定着しており、すべてマーク式での出題である。全日程とも〔I〕は2つの文章の正誤の組み合わせを問う形式で出題された。〔II〕~〔IV〕では、空欄補充、用語4択(2つまたは3つの用語の組み合わせを選ぶ形式も含む)、文章正誤4択、年代配列などが出題された。〔II〕~〔IV〕の全小問数(180問)のうち、文章正誤問題が例年同様5割程度を占めた(2023年度は6割程度)。これらのうち「正しい(誤っている)ものを選びなさい。なお、すべて誤っている(正しい)場合は「エ」をマークしなさい。」という形式が3割程度(例年3~4割程度)を占めた。時代・分野では、例年どおり近現代史・政治史からの出題が最も多く、近現代史から4割程度(例年4割程度)、政治史から4割程度(例年4割程度)出題された。史料問題は全日程の〔III〕で大問1題(全日程で史料は合計15本)出題された。全体として基本事項からの出題が中心だが、文章の正誤を判定させる問題が多数出題されるなど、受験生が苦手とする形式での出題が多い点に注意が必要である。
2025年度入試対策・学習アドバイス
教科書を中心に基本事項を押さえる
文章正誤問題は基本事項を問うものが多い。詳細な事項を含む選択肢も一部に見られるが、そういった選択肢の正誤の判断は不要で、ほかの選択肢に含まれる明確な誤りを判断できればよい場合が多い。文章正誤問題への対策として、基本的な歴史事項の時代・時期、内容、政策や事件であればその原因(背景)や影響(結果)などを理解することが大切である。一問一答式の学習を積み重ねるだけでは得点に結びつきにくいことに注意したい。以上の点に留意しつつ、教科書に基づいた学習を徹底することが重要である。その際、本文を熟読するとともに、注釈・コラム・図版の説明などもしっかり読み込んでおきたい。
史料問題への対策は必須
〔III〕では史料問題が出題され、近世中期~明治期の風刺を扱う特色ある問題も出題されている。史料問題への対策として、まずは教科書掲載の史料について、史料の内容・キーワードなどを押さえたい。さらに市販の史料集などを使用して、各時代の史料についての理解を深めておくことをすすめる。日頃からこのような学習を実践しつつ、過去問を研究することで史料問題攻略のコツをつかんでほしい。また、風刺を扱う問題では史料・図版ともに受験生には初見である可能性が高く、事前に特別な対策を講じることは難しいが、前記のような学習を通して史料問題への対処法を会得できていれば、初見の史料・図版であっても攻略は可能である。
近現代史への対策は早めに
例年、近現代史から全体の4割程度が出題される(なお、2025年度入試では歴史総合は出題範囲に含まれない)。近現代史については対策が遅れがちなので、早めに学習に取りかかること。また、例年、戦後史からも1割程度出題されているので、2000年頃までを目安にしっかり学習しておきたい。
過去問研究が最重要
文章正誤問題の攻略には「慣れ」も必須である。また、過去に出題されたテーマが繰り返し出題される可能性も高い。学部・日程による出題形式に差異はないので、5年分を目安に全学部・日程の過去問に取り組むようにしたい。