明治学院大学大学からのお知らせ 入試対策情報
古文
2025年度入試の問題分析
全学部日程は、兼好法師『徒然草』(鎌倉・随筆)。社会学部社会学科・法学部法律学科・国際学部国際キャリア学科・心理学部教育発達学科は、上田秋成『春雨物語』(江戸・読本)。文学部英文学科・経済学部国際経営学科・社会学部社会福祉学科・法学部消費情報環境法学科は、阿仏尼『うたたね』(鎌倉・日記紀行文)。文学部芸術学科・経済学部経済学科・法学部政治学科・国際学部国際学科は、樋口一葉「ほととぎす」(近代文語文・随筆)。文学部フランス文学科・経済学部経営学科・法学部グローバル法学科・心理学部心理学科は、井原西鶴『好色五人女』(江戸・浮世草子)。
明治・大正の文章(近代文語文)の出題が2021年度は1題、2022・2023年度には2題、そして2024・2025年度も1題あった。
設問内容は、単語・語句の意味、動作の主体の判定、現代語訳、内容説明、理由説明、空欄補充など。
設問数は全学部日程が7問、ほかは6問。
特徴ある解答の形式に、「解答欄に合わせて記述解答」を行うものがある。空欄には本文からの抜き出しや現代語による単語や古文の現代語訳がある。
問題文の長さは、『うたたね』は約420字と短めであったが、樋口一葉の随筆は約1,250字と例年より長めであった。ほかは例年とほぼ同様に『春雨物語』約870字、『好色五人女』は約740字、『徒然草』は約730字であった。
なお、情報数理学部情報数理学科を受験する場合、古文の問題は課されない。
2026年度入試対策・学習アドバイス
古文単語は記述対策が必要
300語レベルの古文単語の学習が必要である。現代語訳の記述もあるので文法事項も含めた総合的な読解力を養おう。2025年度の出題は、動詞では「しのぶ」「わぶ」、形容詞では「あやし」「あさまし」「うたてし」「ゆかし」、形容動詞では「すずろなり」「つれづれなり」、名詞では「故人」「道理(ことわり)」「消息(せうそこ)」、副詞ではとくに陳述(呼応)の副詞が重要で「いかで~(連体形)」「え~(打消し)」「よも~じ」などである。
頻出単語のほか「心得ぬ事」「是非もなく」など慣用表現や漢文表現が多く見られたので、漢語・故事成語などの対策もしておこう。
副詞の呼応と敬語に注意
現代語訳が選択肢だけでなく記述での出題がある。「いかで」や「え」など陳述の副詞といわれるものや、「のたまふ」(「言ふ」の尊敬語)、「きこゆ」(「言ふ」の謙譲語)など敬語を含むものが多い。
文法は助動詞、助詞の意味
助動詞、助詞は現代語訳や意味のなかで問われる場合が多いが、活用を問うものも予想される。過去の助動詞「き」の活用などは覚えておこう。
読解は動作主の判定を心がける
読解では、登場人物の整理が最も重要である。「動作(または会話)の主体は誰か。」の問いが頻出している。判断には敬語がポイントとなる。
独特な本文の表記に注意
近代文語文や中世、近世の文章では、助詞や助動詞を漢字表記したり、活用語の活用語尾を省略したりするものがある。「申候(申し候ふ)」「存候(存じ候ふ)」「也(なり)」など。
新傾向の対策
近代文語文の出題が定着した。小説、評論など明治・大正時代の文章への対応が求められる。また、複数の文章を合わせて読解するという新傾向問題が見られた年度もある。共通テストの問題などで慣れておこう。
