明治学院大学大学からのお知らせ 入試対策情報
古文
2024年度入試の問題分析
全学部日程は、【与謝野晶子の詩】と【大町桂月の批判】と【与謝野晶子の反論】(近代文語文)。社会学部社会学科・法学部法律学科・国際学部国際キャリア学科・心理学部教育発達学科は、『栄花物語』(平安・歴史物語)と解説文。文学部英文学科・経済学部国際経営学科・社会学部社会福祉学科・法学部消費情報環境法学科は、鈴木牧之『北越雪譜』(江戸・紀行文)。文学部芸術学科・経済学部経済学科・法学部政治学科・国際学部国際学科は、井原西鶴『好色五人女』(江戸・浮世草子)。文学部フランス文学科・経済学部経営学科・法学部グローバル法学科・心理学部心理学科は、井原西鶴『世間胸算用』(江戸・浮世草子)。
明治・大正の文章(近代文語文)の出題が2021年度は1題、2022・2023年度には2題、そして2024年度も1題あった。
与謝野晶子の文章には批判と反論など複数の文章を出題するという共通テストに類似する出題形式であった。
設問内容は、単語・語句の意味、動作の主体の判定、現代語訳、内容説明、理由説明、空欄補充など。
設問数は6問か7問。
特徴ある解答の形式に、「解答欄に合わせて記述解答」を行うものがある。空欄には本文からの抜き出しや現代語による単語や古文の現代語訳がある。
問題文の長さは、『世間胸算用』は約420字と少し短めであったが、ほかは与謝野晶子・大町桂月の文章は約1100字、『栄花物語』と解説文も合わせて約1050字程度もあった。『北越雪譜』約940字、『好色五人女』は約790字と例年より長めであった。
なお、情報数理学部を受験する場合、古文の問題は課されていない。
2025年度入試対策・学習アドバイス
古文単語は記述対策が必要
300語レベルの古文単語の学習が必要である。現代語訳の記述もあるので文法事項も含めた総合的な読解力を養おう。2024年度の出題は、動詞では「掟つ」「もてなす」、形容詞では「便なし」「ほいなし」「かしこし」、形容動詞では「なのめなり」、名詞では「下向」「仕出し」「才」、副詞では「そこら」「やがて」「かたみに」などである。
頻出単語のほか「時あり」「心あり」「あたはず」など慣用表現や漢文表現が多く見られたので、漢語・故事成語などの対策もしておこう。
副詞の呼応と敬語に注意
現代語訳は選択肢だけでなく記述での出題がある。「いかで」や「え」など陳述の副詞と言われるものや、「おぼす」(「思ふ」の尊敬語)、「おほす」(「言ふ」の尊敬語)、「きこゆ」(「言ふ」の謙譲語)など敬語を含むものが多い。
文法は助動詞、助詞の意味
助動詞、助詞は現代語訳や意味のなかで問われる場合が多いが、活用を問うものも予想される。過去の助動詞「き」の活用などは覚えておこう。
読解は動作主の判定を心がける
読解では、登場人物の整理が最も重要である。「動作(または会話)の主体は誰か。」の問いが頻出している。判断には敬語がポイントとなる。
独特な本文の表記に注意
近代文語文や中世、近世の文章では、助詞や助動詞を漢字表記したり、活用語の活用語尾を省略したりするものがある。「申候(申し候ふ)」「存候(存じ候ふ)」「也(なり)」など。
新傾向の対策
近代文語文の出題が定着した。小説、評論など明治・大正時代の文章への対応が求められる。また、複数の文章を合わせて読解するという新傾向問題が見られた。共通テストの問題などで慣れておこう。