東洋大学大学からのお知らせ 入試対策情報
世界史
2024年度入試の問題分析
大問数が3題である点は従来どおりで全問題数は2023年度と同様に45問であった。2025年度入試もおそらくこの形式を踏襲すると思われる。また年代整序関連の問題はすべての日程で出題されたほか、一部の日程では直接年代を問う出題や地図問題、史料・図版に関連する出題が見られた。一方、出題の大部分は語句選択問題と正誤判定問題で、2月8日、2月10日の両日程では語句の出題がおよそ5割程度であった。また例年多くの日程で正誤判定問題の占める割合が全体の5割程度であったが、2024年度は5割を超える出題はなくその分地図問題や年代配列問題が例年より増加した。出題内容については西洋史と東洋史からバランスよく出題され、古代から近現代史までの幅広い時代から出題されている。出題分野については中世や近世の西ヨーロッパ史、古代から現代までの中国史・イスラーム史、古代インド史の出題が全日程を通して見られた。難易度に関しては語句選択・正誤判定問題でやや難度の高い問題も一部見られるほか、思考力・判断力を試す出題も見られる。また全体的には教科書の内容から出題されており標準的なレベルといえる。
2025年度入試対策・学習アドバイス
教科書の体系的な理解
東洋大学の出題の特徴として、テーマ史的な観点からリード文を作成し、幅広い知識を問うていることが挙げられる。全体的に教科書に基づいた出題ではあるものの体系的に理解していないと解答できない問題が多く、年代配列の問題に関しても語句と語句のつながりを覚えていれば十分に解答できる問題であった。そのため語句を覚えるだけの単純作業に陥ることなく正誤問題や年代配列問題の対策を兼ねて日頃の学習の際に教科書を丁寧に読み込む習慣をつけたい。
戦後史・文化史の対策
東洋大学では全日程で戦後史の出題が数問程度見られると思ったほうがよいだろう。特に冷戦やヨーロッパ統合の流れや中東戦争をはじめとする諸地域の紛争など幅広く学習する必要があるため、地域ごとに情報を整理していくとよいだろう。また全日程で文化史が数問程度出題されているので西洋史・東洋史の文化をまんべんなく学習し、資料集などを用いて絵画作品や遺跡なども視覚的に理解しておこう。
正誤問題の対策
東洋大学の入試問題における正誤問題は1問あたりの選択肢が最低4つは存在し、多いものだと5つ以上の文を吟味しなければならない。また一部の日程では正解を複数選択しなければならない問題も出題されている。正誤問題の正答率を上げるためには、まずは選択肢に登場する語句を疑ってみることが重要である。次に語句の内容が正しいかどうか疑ってみるとよいだろう。そしてその際に誤文と判断したらその根拠を必ず明示しておくことが重要で、自己採点の際に教科書や用語集などを駆使して解答根拠が正しかったかどうかを調べていこう。
過去問演習による通史学習の復習を徹底的に
東洋大学の世界史は時代・地域ともに幅広く出題してくるためそれに合わせた学習が不可欠となる。入試全体を通して出題傾向が類似しているため可能であれば全日程の過去問に触れておきたい。そうすることで時代や地域に偏らない幅広い学習が可能となる。復習の際は間違えた語句を確認するだけでなく、教科書などでその時代の出来事全体を再度確認してみよう。