法政大学大学からのお知らせ 入試対策情報
日本史
2024年度入試の問題分析
問題数は試験日ごとにやや異なるが、大問は3~4題、小問数は40~50問程度であった。小問数に差はあるが、論述問題の有無や史料問題の数などから考えても、解答に要する時間はほぼ同じと考えてよいだろう。特記事項としては2023年度に引き続き論述問題が出題されたことである。2024年度に出題されたテーマは、「地頭の荘園侵略と領主の妥協」「版籍奉還の内容」「日米和親条約の内容」であった。2023年度は「税もしくは商品としての特産物」「寝殿造」「日宋貿易」であった。「税もしくは商品としての特産物」はほぼ同一のテーマが出題されたことがある。出題された時代と分野だが、原始・古代から戦後まで全時代から出題されたが、例年どおり原始はやや少なめであった。各分野から出題されたが、政治史の比重は高かった。問題のなかには難問も一部含まれているが、全体的には標準的なものが多い。努力を積み重ねてきた受験生が高得点を取れる問題が中心であった。
2025年度入試対策・学習アドバイス
試験日ごとに出題形式と傾向の確認を!
全学部・試験日に共通するのは原始時代からの出題がほとんどないことと年代問題の出題がやや少ないことである。入試本番に備えるために、日程によっては長文のリード文から出題、史料からの出題、短めの問題文からの出題といった傾向を確認しておきたい。また、全試験日で正誤問題が多数出題される。さらに消去法が使用できない難度の高い問題も出題されるので正誤問題の対策は必須である。そのほか、図版を使用するなど、様々な特徴をもって工夫された良問が出題されるので、自分が志望する学部・試験日の過去問を入念に研究しておく必要がある。また今後は、複数の図版や史料、グラフを利用して、記憶量だけではなく、日本史に対する基本的理解を踏まえた考察を求める、共通テストを意識した問題が出題される可能性も高いので、共通テストの問題などにも触れておくとよいだろう。
問題演習による実力向上を!
試験日ごとに出題量に差はあるが、政治分野は必ず出題されている。そこで日本史学習の王道である政治史を軸に周辺事項に目を配るという学習を積み重ねていけばよい。しかし、文化史の出題も見られるので、文化史を後回しにしないように心がけたい。教科書を中心にして基本的知識を身につけ、問題演習により実力向上を図る学習を繰り返すことが重要である。その際に、ややレベルの高い問題集を用いるとよいだろう。大問はもちろんだが小問ごとに見ても、受験生の弱点をつく良問が数多く出題されている。そこで問題演習を多くこなすことが高得点につながるのである。また過去に論述問題が出題された学部・試験日を受験する場合はもちろん対策を行う必要がある。過去には「防人」「原敬内閣」「庚午年籍」「河野広中」などの用語の説明だけでなく、「藤原氏の栄華」「日中戦争期の日米関係」「蔵屋敷が果たした役割」などのテーマも出題されている。また、過去問と同様の問題が出題されたこともあるので同じ問題であっても再度利用される可能性があることには注意して対策したい。論述問題を含めてすべての問題が受験生の実力を測ることのできる良問である。大学側の真摯な作問に応えるような真剣な学習姿勢が望まれる。