法政大学大学からのお知らせ 入試対策情報
世界史
2024年度入試の問題分析
A方式の出題形式と難易度
すべての日程で大問は3題だが、小問数が42~64問と日程ごとに分量が異なり、分量は2023年度とほぼ同程度であった。出題形式はマークシート方式と記述の混合で、マークシート方式では語群から語句を選ぶ問題、正誤判定問題、並び替え、複数解答といった形式がある。特に正誤判定問題は正しいものを選ぶ・誤りを選ぶ・正しいものの個数を答える、など、ひとつの大問でいくつものパターンがあるので解答に注意が必要である。難易度は標準だが、地理的な事柄や文化を問う問題が見られるので、日程によってはやや難しく感じられるかもしれない。
出題される時代・地域・分野
欧米中心の大問1題・アジア(中国・インド・イスラームのいずれか)中心の大問1題を軸に、もう1題が日程によって異なる時代・地域を出題することが多い。このもう1題は、テーマ史・文化史・先史・現代史・アフリカやオセアニアといった周辺地域史など出題の幅が広く、2024年度は2月8日(日程)で北極・南極に関する歴史が、2月12日(日程)で大問1題を使って文化史が出題されている。なお、問題によって出される時代の幅が大きく異なるのも特徴である。
2025年度入試対策・学習アドバイス
重要事項の内容を正確にする
特にマークシート方式の空所補充問題と正誤判定問題の出来が合否を分けると考えられる。対策としては『世界史用語集』(山川出版社刊)の教科書頻出語句(⑦~③レベル)の説明文を読み込み、正誤の決め手となる情報をより多く覚え、重要事項を取りこぼさないことや、設問を読み間違えるなどのケアレスミスをしないことが不可欠である。
記述問題の取りこぼしをなくす
記述問題はマークシート方式よりも基本的な事項が問われることが多いが、中国史で出題されることが多い。漢字の書き間違いで失点することのないよう「書き取り」の練習をおこたってはならない。
文化史の対策に時間をとる
大問1題で文化史が出されることがあり、また政治史中心の大問でもなかに1~2問文化史が問われるため、文化史の対策は必須である。たとえば欧米文化史では、教科書の文化史一覧表などから「誰が」(出身地も含めた著者名)と「何を」(作品)に関する知識を得て、政治史とも関連づけておくとよい。
年代対策
近年、年代配列や年号を問う問題は減少しているが、地域を横断する同時代の出来事(横のつながり)に関する出題は増加傾向にある。年表を100~200年単位で区切り、ヨーロッパや中国、イスラーム圏など大文明圏を軸に周辺地域を見比べ、同時代の王朝・人物や事件などをマークしておくこと。
「過去問」による仕上げの学習
法政大学の世界史入試問題対策として最も有効な方策は、過去問を徹底的に解き、設問の特色などに慣れておくことである。出題形式、傾向や地域は学部間で大差がないので、全学部の過去問を解いておくと学習効果は大きい。入試直前期を控え時間も限られているが、まず頻出の欧米史や中国史から手をつけ、できれば文化史も同時にマスターしていきたい。そのうえで過去に出題された周辺地域に学習を広げ、未習分野がないようにすること。