立教大学大学からのお知らせ 入試対策情報
日本史
2024年度入試の問題分析
各日程とも、大問2題、小問38~39問で構成されており、日程により多少のバラつきはあるが記述式・選択式がほぼ同数出題され、各日程1問50~70字の論述問題が出題された。時代は、原始から戦後まで出題されており、設問形式は、空欄補充、文章正誤、年代整序などがあり、史料・図版・地図・グラフなどを使った問題も出題された。2024年度の論述問題の出題テーマは、ドッジ=ラインの説明(2月8日日程)、上知令の説明(2月12日日程)といった、比較的書きやすい問題のほか、提示された史料を田畑永代売買の禁令・分地制限令であることを見抜いて政策の背景と目的を論じる(2月9日日程)、複数のグラフをもとに高度経済成長期の農業・農家経営の変化を論じる(2月13日日程)など、一筋縄ではいかない問題も出題されている。論述の出題時代は2024年度は近世と戦後に偏っているが、2023年度には古代・中世からも出題されている。安易に近世以降に対策を絞り込んでもよいと判断しないでほしい。その他、特徴的な出題としては、2月8日日程で、地券の図版が提示され、与えられた条件から地租率を自分で判断し、この地券に記されていたであろう地租がいくらなのか、計算させる問題があった。
2025年度入試対策・学習アドバイス
教科書中心に基本事項を押さえよう
一部に難問が含まれるものの、教科書記載の事項を丁寧に確認しておけば、十分対応可能な問題が多い。基本的な問題を取りこぼさず、一部の詳細な設問に動揺せずに着実に得点していこう。また、年代整序問題が出題されているが、この形式の問題は、出来事の西暦年代を暗記して対処しようとしてはいけない。論理的に考えて前後関係を判断できるようになってほしい。こうした設問に対しても、教科書の記述を丁寧に追うことで対処できるようになる。基本事項を押さえたうえで、年代整序問題をできるだけたくさん解いてみてほしい。
史料問題に慣れておこう
史料を使った論述問題、史料本文の空欄補充問題が出題されている。教科書に掲載されているような有名な史料から出題されているので、教科書掲載の史料を注も含めてよく読んでおこう。史料を暗記してほしいのではなく、史料の内容や特徴的な文言に着目して学習してほしい。2023・2024年度では、同一史料ではないものの、弥生時代~古墳時代の外交に関わる史料が出題されている。過去問演習は特に有効な学習方法である。
時代・分野に偏りなく学習をしよう
立教大学では、原始から戦後まで出題されており、不得意な時代がないように丁寧に学習しておくことが大切である。2024年度の戦後の下限は、2008年のリーマンショックであった。文化史からの出題も見られるので、後回しにせずに学習を進めよう。
論述対策を行おう
論述問題は各日程とも1題ずつ出題されており、全く対策せずに受験するのは非常に心もとない。字数は50~70字と取り組みやすい分量なので、過去問を活用して実際に解答を作成してみるとよい。史料やグラフを使った設問もあるので、与えられた資料は何を意味しているのか、じっくり吟味して解答をまとめる練習をしていこう。