早稲田大学大学からのお知らせ 入試対策情報
英語
文学部・文化構想学部
2007年度以降18年連続して、同一の大問構成(読解総合3、会話文1、英作文1)で、英文量や設問数にも変化はなく、この出題形式は今後も踏襲されると思われる。解答形式は英作文のみ記述式。抽象度の高い英文が多く、しかも空所補充問題の比率も高いため、かなりの思考力が要求される。英問英答形式での内容一致問題はパラグラフ単位でその趣旨を問うタイプの設問などが出題される。
多彩な設問形式で問われているものの、出題の狙いは一貫しており、文章全体の展開を理解したうえで、設問を解く鍵となる箇所を見つけることがポイントとなる。漫然と英文を読むのではなく、それぞれの設問の根拠となる箇所を的確に把握できるように努める。空所補充問題では、文脈把握に加えて、文法・語法や構文の知識も必要となるので、基本事項に関する知識を定着させておくこと。英作文は、「一文での要約」という形式に変更はないが、2017年度から要約文の書き出しが与えられており、それに続けて完成させるものになっている(「4~10語で」という語数制限がある)。要約の方向性は決めやすいものの、限られた語数で的確にまとめる表現力が試されている。
教育学部
2022年度に定番だった会話文問題が姿を消して出題形式が大きく変わったが、それから3年目となる2024年度は、2023年度と同じ「読解総合3題」という構成であった。解答形式はすべてマークシート方式。英文のジャンルや設問形式が多岐にわたることに加えて、設問の難度が高くなり、判断に迷う選択肢が含まれていることから、設問の処理には的確な文脈把握が要求される。
かつては長文4題で2,000語程度と標準的な分量であったが、2022年度以降は長文3題で3,200~3,500語程度と大幅に増加している(2023年度の大問IIは1,700語超で、2024年度でも大問IとIIIは1,000語超であった)。英文のテーマは、文化・言語・歴史が頻出のほか、科学論といった理系向きのものなど多岐にわたっており、様々なジャンルの英文を読み慣れておく必要があり、情報を整理しながら読み取る能力が要求されている。設問は空所補充や内容説明・内容一致のほかに、新傾向の内容把握型の設問も出題されているので、似たようなタイプの問題での演習は欠かせない。設問数が多く、設問によって難度の差もあるので、確実に得点にできる設問を取りこぼすことのないようにしたい。
法学部
2024年度は大問が1題減って、大問7題(読解総合2、文法・語法2、中文空所補充1、英作文2)に戻った。解答形式は英作文のみ記述式。読解総合は英文量が多く、設問も文脈把握力を試すものが中心で、ほかの大問との難易の差が大きいのが特徴といえる。英作文は、2019年度以降4年連続して語句整序と「絵」を用いた形式の自由英作文の2題だったが、2023年度はメールを完成させるものが、2024年度は列車の乗換案内がそれぞれ語句整序に代わって出題された。
読解総合(2題で2,000語程度)は内容一致型の設問が中心なので、本文と選択肢を照らし合わせながら読み進めていく訓練が不可欠である。英文自体の難易度は標準レベルだが、選択肢を含めると膨大な量の情報を限られた時間内に処理していくことになるので、論旨の展開を迅速かつ的確に把握できるかがポイントとなる。文法・語法は、正誤判定やイディオムに関するものが頻出で「基礎~標準」レベルである。自由英作文は、グラフや絵といった視覚情報から読み取れる内容を記述する問題演習を通して、100語程度でまとまりのある内容に仕上げるように、表現力の養成に努めてほしい。
政治経済学部(総合問題)
2021年度から試験制度が変更され、「総合問題」では3題のうち2題が英語による大問(読解総合1、自由英作文1)となっている。読解総合は「世界が裕福になった方法」をテーマにした2,800語程度の文章からの出題で、本文に関連した表やグラフの読み取りなど、「統計処理」に関する設問が多いのが特徴といえる。与えられたテーマについて意見を述べる自由英作文は、政治経済学部で長年出題されていたパターン(語数の目安は150語程度)を踏襲している。
読解総合では、「思考力や判断力」に加えて、「表現力」が重視された設問形式になっているので、似たようなタイプでの問題演習が必要となる(なお、最後の記述式の設問は、2022年度は2つの表から推測できる内容を200字以内の日本語で書かせる本格的なものが出題されたが、2023年度は20字以内で、2024年度は30字以内でまとめるものであった)。自由英作文への対策としては、いくつかテーマを決めて(2024年度のテーマは「個人の自由は社会の公平性とどのように関連しているか」)、平易な構文で、自分の言いたい内容が明確に伝わるように英文を書く練習を十分に積んでおく必要がある。
商学部
大問5題(読解総合4、会話文1)という構成が定着しているが、2024年度は英文量や設問数といった分量的な負担が大幅に増えて難化した。会話文中の英作文のほかに、語句整序や本文中からの抜き出しなどの記述式の設問が出題されるのが特徴といえる。難易度は標準レベルといえるものの、設問の形式が多岐にわたっているため、試験時間内に処理するにはかなりのスピードが要求される。
長文4題は2,700語程度で推移していたが、2024年度は3,300語を超えて過去最多であった。新聞や雑誌からの出題が多いのが特徴で、日頃からインターネットを利用してニュース記事などを読み慣れておくとよいだろう。過去問を解く際には、設問に関連した箇所に注目して、文法・語法に関する知識と読解力を適用して設問に答える訓練をしておくことが大切である。特に、TF型の内容真偽問題では判定に悩む設問が含まれており、「TかFかの判定基準」に精通しておくとよいだろう。記述式の設問として、語句整序による英作文が出題されるので、中級レベルの単語・イディオムや頻出構文に関する知識を使いこなせるようにしておく必要がある。
基幹理工学部・創造理工学部・先進理工学部
2024年度もここ数年の出題形式を踏襲しており、読解問題を中心に、語彙や文法・語法、論理クイズ的な問題など、大問5題が出題された。解答はすべてマークシート方式。英問英答形式の総合問題は、3つのテキストで構成され、論理的に推論させる内容一致問題など独自のスタイルが定着している。分量が多く、設問も多岐にわたっているので、時間配分に注意して手際よく処理する必要がある。
例年、理工学部の入試問題では、オールラウンドな英語の運用能力が試されている。読解問題は、英問英答形式の総合問題、空所補充や文整序・語句整序問題、パズル的な要素を含んだ問題、数式やグラフに関連した問題など、大問ごとに出題内容が異なり、設問形式もバラエティに富んでいる。したがって、過去問を解くことを通して、理工学部独自の出題の特徴や設問の狙いなどに精通しておくだけでなく、内容の理解を試す設問のついた様々なタイプの英文を数多く読みこなしていくことが大切である。また、定番の語彙問題(英語での定義に続く2つの例文の空所に共通する語を答える)では、イディオムを含む豊富な語彙力だけでなく、正確な文法力も必要となる。
国際教養学部
リスニング廃止に伴い、2018年度からは会話文による空所補充問題が加わり、大問5題が出題されていたが、2021年度からは「Reading 90分/Writing 60分」に分けて実施されている。Readingは読解総合3題で、総語数は「約3,100→約3,400→約3,200→約3,600」となっている。内容一致と空所補充が設問の中心で難度は高い(解答はマークシート方式)。Writingは自由英作文2題と日本語の要約問題1題でいずれもかなりの難問である。
読解総合は超長文による出題が特徴的で、内容一致と空所補充が設問の中心であることから、本文と選択肢を照らし合わせながら読み進めていく訓練が不可欠である。論説文やニュース記事などが出題されており、この種の英文を数多く読み込んでおく必要があり、解答に際しては、迅速かつ正確に文脈を把握できるかがポイントとなる。要約問題では、英文を読みながら必要な情報をメモにとり、それに基づいて要約文を完成させる練習を、そして自由英作文では、与えられたテーマについての自分の意見や図表を見て気づいた点など、ポイントとなる内容が明確に伝わるような文章を書く練習を十分に積んでおく必要がある。
人間科学部
2024年度も8つの独立した文章を使った読解問題1題と文法・語法問題2題の大問3題が出題されており、この形式は長年踏襲されている。解答形式はすべてマークシート方式で、設問数も50で例年どおり。難易度は標準レベルだが、設問数が多く、問題の処理にはかなりのスピードが要求される。読解問題では、メインとなるテーマやタイトルを選ばせる設問が多く出題されるのが特徴といえる。
読解問題は200~300語程度の8つの独立した文章を使って、パラグラフごとの情報を的確に把握する力が試されている。出題形式が人間科学部独自のものであるから、過去問にできるだけ多く取り組み、設問のタイプに習熟するだけでなく、本文と選択肢をどのように対応させているかといった出題のポイントを見抜く力も身につけておきたい。文法・語法問題は、前置詞や副詞の語法を問うもの(15問)と正誤判定問題(10問)が例年出題されている。従来に比べると標準レベルの設問が増えてきているとはいえ、かなり細かい知識まで要求されることもあるので、文法・語法や語彙に関する問題を数多くこなし、正確な文法力と的確な語彙運用力を身につけておく必要がある。
社会科学部
出題形式に変更があった2019年度以降は、読解総合4題と文法・語法1題(正誤判定)という構成が続いている。解答はすべてマークシート方式で、難易度は「標準~やや難」である。時事的なテーマの英文での出題が多く、要旨選択や内容一致には判断に迷う選択肢も含まれており、問題の処理には的確な文脈把握が要求されることから、全体として難度の高い入試問題であるといえる。
近年、英文量が大幅に増加しており、2019年度以降の長文4題のワード数は「約3,900→約4,300→約3,900→約3,600→約3,800→約3,800」で推移している(2018年度は長文3題で約2,700だった)。記述されている情報を整理しながら読み取る能力が要求されており、設問は内容一致・不一致を中心に、語義選択や内容説明が出題されており、文脈を正確に把握する力を養成する必要がある。英文は社会問題を扱った時事問題が多く出題されるので、日頃から新聞や雑誌の記事などで、その種のテーマのものを読み慣れておくとよいだろう。正誤判定問題は長めの英文による出題で、判定に悩むものが多いので、過去問を通して設問のレベルや出題の狙いに精通しておくことが大切である。