
※前年度情報を掲載中
日本史
2022年度入試の問題分析
入試の形式はすべてマーク式
A日程・B日程ともにすべてマーク式で、大問数は5題、総設問数はA日程で44問、B日程で41問であった。正誤判定問題がA日程で28問、B日程で24問出題され、「正と誤」を組み合わせるXY正誤が中心である。2021年度と比較すると正誤判定問題が減少傾向にあるが、対策が必要である。語句選択問題のうち、空欄補充式の問題では複数の空欄の組み合わせを問う形式があり、正解を導き出すのに慎重さが要求される。
時代を超えたテーマ史が出題される
大問のうち1問は特定のテーマを扱うテーマ史が出題される。2022年度は、A日程で「ウジ・イエの意識」、B日程で「16~20世紀にかけての都市の歴史」が出題された。テーマに関する知識が直接問われているのではないが、それに関連する様々な時代・分野の事項が問われる雑題の形式となるため、初めて接する受験生は多少戸惑うかもしれない。このような出題パターンにも慣れておく必要がある。
2023年度入試対策・学習アドバイス
教科書での基礎固めが大切
まずは、教科書の理解をベースにした基本事項の完全習得を目標にしよう。その際、教科書の太字の用語やその内容を覚えるだけでなく、その用語がどのような時代の流れのなかで用いられるかを意識するとよい。太字の周辺部分を注意深く読んで、前後関係や因果関係をつかんでいくなどの工夫をすれば、正誤判定問題では内容の正誤だけでなく時期を判断できるようになるし、年代整序問題では選択肢の時代を大まかにつかんで順番を確定できるようになるだろう。
文化史は早めの対策を行おう
昭和女子大学では文化史が出題されるので、必ず対策を行おう。文化史は勉強すれば確実に得点が伸びるので、努力の差がそのまま点数の差となって表れる。文化史が苦手な受験生は、人名や作品名の単純暗記にとどまっていることが多い。それぞれの時期の文化の特徴を理解したうえで、その特徴と結びつける形で人名や作品名を覚えれば、記憶に定着しやすくなる。2022年度は古代と近代の文化が出題されているが、正誤判定が中心で、かつ図版問題も出題されている。つまり、文化の作品の暗記では対応できないので、資料集を併用して、その作品の作成者だけでなく、その作品ができた時代の状況などを合わせて勉強すると効果が高い。
史料問題対策を必ず行おう
昭和女子大学では史料問題も出題される。基本史料では空欄を埋める用語の知識が問われ、未見史料では読解力や応用力が問われる。教科書の内容を理解し覚えていても、史料対策をしていないと史料問題は解けるようにならない。一問一答式の暗記や教科書の通読などに終始してしまい、史料対策が後回しになってしまう受験生も多い。しかし、教科書に載っている基本史料は、史料文の空欄補充が出題されたり、関連する知識が問われたりするので、ある程度読み慣れておかなければならない。
図版を併用しよう
地図やグラフ、写真など図版を使用する問題も出題される。2022年度はA日程はなし、B日程は仏像と絵画が4枚出題され、弘仁貞観文化の写真を選ばせた。また、近世の絵画も4枚出題され、狩野永徳の絵画を選ばせた。いずれも基本的な図版なので、教科書レベルでチェックしよう。