
※前年度情報を掲載中
世界史
2022年度入試の問題分析
4択(あるいは5択)正誤判定が出題の中心を占める
問題数はいずれの学部も大問5題、小問50問であった。出題形式は例年どおりマークシート方式で、文学部は5択、そのほかの学部は大半が4択問題であった。史料・グラフ・図版を使用した問題は出題されず、地図を用いた問題が経営学部で1問出題されたのみで、出題の中心は文章中の空欄にあてはまる適語を選ぶ問題や、下線部に関連した問題で占められた。出題範囲について、時代は古代から現代まで幅広く出題された一方で、法学部では19世紀以降、いわゆる近現代史が50問中30問、うち第二次世界大戦後史は13問と偏りが見られた。また、地域は中国史・ヨーロッパ史といった受験世界史の中核となる地域を中心に、インド史・東南アジア史・アメリカ史など多岐にわたった。論理的思考力が求められる共通テストと異なり、教科書に記載されている基本的な知識で解答できることから旧来のセンター試験に近いといえるが、試験時間60分に対して50問と多く、各選択肢の文字数も多いため、センター試験よりやや難易度は高いといえる。
2023年度入試対策・学習アドバイス
近現代史の対策を丁寧に
近現代史はほとんどの大学で頻出分野であり、成蹊大学も法学部を中心に近現代史重視の傾向が見られるため、19世紀以降の出来事における因果関係の把握は必須である。また、多くの受験生にとって対策が後手になりがちな第二次世界大戦後の歴史(いわゆる「戦後史」)の完成度も合否に直結する。戦後史の中核となる冷戦の開始から終結までの流れを把握したうえで、各地域の動向や、国際連合・EUなど国際機関の設立など各テーマを幅広く学習し、これらの知識を1950年代、60年代といったように10年ごとにまとめて膨大な情報を整理するとよいだろう。
センター試験や他学部の過去問を活用する
小問の多くを占める正誤判定問題の得点力を高めるために普段の学習でぜひ活用してほしいのが、成蹊大学同様、全問マークシート方式で出題された旧来のセンター試験の過去問である。一通り問題を解き終えたら、正解・不正解をチェックして学習を終えるのでなく、教科書や用語集などを駆使して各問題における解答の根拠を明らかにしよう。正解した問題についても自分の解答根拠が正しかったかを逐一確認すること。きちんと根拠を持って正解を導き出すクセをつけておくことで、正誤判定問題の正答率が飛躍的に上がるはずだ。また、成蹊大学は過去問を遡っても出題傾向の変化が見られず、学部間における出題傾向もおおむね類似しているため、志望する学部以外の過去問にも取り組んでおこう。
問題を解くスピードを意識する
問題分析の項目で示したとおり、試験時間に対する小問数の多さや各選択肢における文字数の多さ、また文学部に見られる5択正誤判定問題の存在を考えると各問題を丁寧に吟味する時間的余裕はほとんどない。適切な時間配分を身につけるため、成蹊大学の過去問を解く際には時間を計ることをおすすめする。マークシートを塗りつぶす時間やマークミスをしていないかを確認する時間を考慮に入れると、50~55分くらいで全問解き終えるのが好ましい。過去問対策では、正確性とスピードの両方を意識して取り組もう。