成蹊大学大学からのお知らせ 入試対策情報
※昨年度(2025年4月入学)情報を掲載中
世界史
2024年度入試の問題分析
A方式の出題形式と難易度
2023年度と同様、法学部が大問4題、文・経済・経営学部が大問5題、小問は全学部50問であった。出題はマークシート方式で、適語を選ぶ問題や、正誤判定問題が出されたが、法学部がすべて4択、文学部がすべて5択、経済・経営学部が4~7択の混合であった。また2023年度と同様、文学部では史料を用いた大問が1題(小問10問)、経営学部では図版を用いた大問が1題(小問10問)出されたが、地図を用いた問題は出題がなかった。語句の選択問題は標準的な内容がほとんどだが、正誤判定問題は選択肢の文が長めで、特に法・経済・経営学部では現代史の大問にリード文がなく、そのぶん選択肢が長く、判定が難しいものが多かった。
出題される時代・地域・分野
どの学部も古代から21世紀まで幅広く出題されるが、文学部が20世紀以前の比重が大きいのに対し、法・経済・経営学部は20~21世紀の歴史が大問で1題(小問10問)出されるなど、現代史の比重が大きかった。地域はヨーロッパ・中国の出題が多く、これにインド・アメリカ・イスラーム世界などが出された。分野は政治史が中心で、文化史が小問2~3問出された。
2025年度入試対策・学習アドバイス
近現代史の対策を丁寧に
近現代史の学習、特に各出来事における因果関係の把握が必須である。多くの受験生にとって対策が後手になりがちな第二次世界大戦後の歴史(いわゆる「戦後史」)まで含めた近現代史の完成度が合否に直結するため、戦後史の学習に十分な時間をかけよう。戦後史の中核となる冷戦開始から終結までの流れを把握したうえで、各地域の動向や、国際連合・EUなど国際機関の設立など各テーマを幅広く学習し、これらの知識を1950年代、60年代といったように10年ごとにまとめて膨大な情報を整理するとよいだろう。新課程の内容については、法学部のみ歴史総合・世界史探究を出題範囲とするため、日本の近現代史の内容も学習する必要があるだろう。
他学部も含めて過去問を活用する
成蹊大学は過去問を遡っても出題傾向に大きな変化が見られず、すべての学部で出題傾向がおおむね類似しているため、自分の志望する学部以外の過去問にも取り組み、成蹊大学の世界史に慣れておこう。一通り問題を解き終えたら、特に正誤判定問題について、教科書や用語集などを駆使して解答の根拠を明らかにしよう。正解した問題についても自分の解答根拠が正しかったかを遂一確認すること。きちんと根拠を持って正解を導き出すクセをつけておくことで、正誤判定問題の正答率が飛躍的に上がるはずだ。
問題を解くスピードを意識する
問題分析の項目で示したとおり、試験時間に対する小問数の多さや各選択肢における文字数の多さ、また5択正誤判定問題の存在を考えると時間的余裕はほとんどない。適切な時間配分を身につけるため、成蹊大学の過去問を解く際には時間を計ることをおすすめする。マークシートを塗りつぶす時間やマークミスをしていないかを確認する時間を考慮に入れると、50~55分くらいで全問解き終えるのが望ましい。過去問対策では、正確性とスピードの両方を意識して取り組むとよいだろう。
