武蔵大学大学からのお知らせ ゼミ研究室紹介
掲載している内容は、2024年9月時点のものです
人文学部 英語英米文化学科
コミュニケーション・ゼミナール1
コミュニケーション・ゼミナールの1枚!
これは、学生さんがプレゼンテーションを行っている様子ですか?
そうなんです。コミュニケーション・ゼミナールでは、学生によるプレゼンの機会を豊富に設けています。
どんなテーマのプレゼンがあるのですか?
例えば、ある学生は「歴史から読み取る日米の行動原理の違い―謙遜に対する意識―」をテーマにプレゼンをしてくれました。このように、ゼミでは、日本人としての目を通して、英語によるコミュニケーションの背景にある英語圏の文化や歴史を探っていきます。
英語圏の文化と日本の文化を照らし合わせ、
英語によるコミュニケーションのルールをひも解く
研究テーマ
ステレオタイプに気づくことから研究がスタート
谷憲治先生による「コミュニケーション・ゼミナール1」では、英語で行うコミュニケーションの背景にある文化や歴史、宗教などを日本文化と照らし合わせながら探っていく。
「『アメリカ人は積極的だ』、『日本人はシャイである』など、ある国の文化を一面的に書いた書物がたくさん出ていますが、それは本当なのかを検証するところから自分の研究がスタートします。世の中で当たり前と思われていることも、実は事実とは異なっていたということはよくあります。したがって、本ゼミでは先入観やステレオタイプにとらわれず、自分で調べて検証することを大切にしています」
谷先生によると、ある国に対するイメージやステレオタイプと実態とのギャップは、よく見られることだという。
「例えば、皆さんはイギリスにどんなイメージを持っているでしょうか。学生から出てくる声で多いのが、『イギリスは英国紳士の国』というイメージです。しかし、イギリス人の学生たちに話を聞くと、『ジェントルマン?何のこと?』との答えが返ってきます。男性が集まってお酒を飲みながら話すジェントルメンズクラブという場や、マスメディア、または『Ladies/Gentlemen』とトイレで性別を示すときぐらいしか使われていないためです。これには、皆さんも驚くかもしれません。しかし、世の中には、勝手なイメージで作り上げられた虚像がたくさん存在します。まずは、ネットや書籍、ニュースなどの情報を鵜呑みにせず、『これって本当?』と疑ってみる力を身につけて欲しいと思います」
武蔵大学には、外国人スタッフや留学生スタッフが常駐するMCV(Musashi Communication Village)と呼ばれる交流スペースがあり、英語を中心にさまざまな言語に触れることができる。
「イギリスの文化がわかる映画などを見ることも良いですが、MCV でイギリス人の留学生と会い、インタビューをして、自分たちと似ているところ、または違うところはどういうところかというのを実際に聞いてみるようなことも行っています。ゼミの目標は英語でプレゼンテーションができるようになることですが、その一歩としてイギリス人と英語でコミュニケーションを取り、価値観や視野を広げるといった経験も大事だと考えています」
気になることを留学生に聞いたり、インタビューをしたり、身近な環境で「現地調査」をすることも可能だ。こうしたグローバルな環境も、ゼミでの研究に生かされている。
ゼミの学び
英語でのプレゼンテーションを目標に練習を重ねる
コミュニケーション・ゼミナールは2年次の必修科目で、谷先生のゼミのほかにも複数のクラスがある。1ゼミにつきメンバーは15名程度で授業は週1回、通年で行われている。
「このゼミは、学生一人一人が英文の資料を読んでその内容を説明し、クラスメートから意見やアドバイスをもらった後、資料に関して特に興味のあることついて独自研究として2週間後にプレゼンをするという流れで行います」
目標として、英語でのプレゼンテーションがきちんとできるようになること。まず日本語でフレームを作り、英語でのプレゼンテーションの練習に取り組み、3年次には更に興味のあるテーマに沿った必修ゼミを選択する。
指導方針
多角的なものの見方は、人生の糧になる
谷先生の専門は、ゲルマン諸語を中心とした言語学、プロパガンダと文化外交政策。公文書や国際関連の機密資料は、何十年も時間が経ってから公開されることが多いという。谷先生は、様々な国を訪れてこうした膨大な資料を調べあげ、自身の研究に生かしている。
「研究で得た新しい事実や知識は学生にも共有し、議論の機会を創っています。今、私たちが当たり前だと思っていることも、何十年後に情報が公開されてみれば、実は全くのでたらめだったり、何らかのバイアスがかかったものだったりする可能性も多々あるということです。だからこそ、一元的にものを見るのではなく、多角的な視点を養って欲しいですね。そして、ここで学んだ学生たちには、様々な見方や考え方があることを、世の中に伝え広げていって欲しいと期待しています」
「頭がやわらかく、意見が凝り固まっていない大学生のうちに様々な文化や考え方を知り、視野を広げることは、その後の人生の大切な糧になるはず。だから、幅広く興味のある事柄に触れ、自由に勉強してください」と、前向きなメッセージを頂いた。
学生の声
文化の比較を通して、自国の文化への理解を深めています
人文学部 英語英米文化学科
2年 N.T.さん
*学年・インタビュー内容は取材時のもの
谷先生のゼミナールでは、英語圏と日本の文化の比較が書かれた1冊の本を使用し、自分が担当した部分の翻訳と考察のほか、先行研究を踏まえた発表などを行っています。私たち人間は、自分が生まれた環境や生活を当たり前のものとして生きています。これを改めてほかの文化と比較し、深掘りしていく作業は、自分たちの文化がどんなものなのかを見つめ直すきっかけになっています。自己理解にもつながるところにおもしろさを感じています。論文作成やその発表の練習のために設けられているゼミでもあるため、参考文献の掲載方法やネットからの引用など、情報リテラシーについて学ぶことができる点も助かっています。最初は不慣れな部分もありましたが、発表の回数を重ねるなかでゼミの形態や進め方にも慣れ、発言や議論も活発になりました。先生の話を聞いているだけでも楽しく、新しい視点や興味のある分野を見つけることができます。
ゼミでは、自分の興味や視野の幅が大きく広がります。どの講義にもしっかりと参加し、内容を理解して整理していくことで、自分にぴったりの卒業論文のテーマを見つけることができるはずです。大学生活が悔いのない4年間になるように、興味のある分野、それを提供してくれる可能性の高い大学を見つけてください。
武蔵大学人文学部英語英米文化学科教授。早稲田大学教育学部英語英文学科卒業。
University of Essex MA in Descriptive and Applied Linguistics 修了。
Birkbeck, University of London MA in Global History: Empires, States and Cultures 修了。
専門はLinguistics、Public Diplomacy。
その他のゼミ研究室紹介
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大学・部署名 | 武蔵大学 アドミッションセンター |
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