武蔵大学大学からのお知らせ 入試対策情報
日本史
2024年度入試の問題分析
2024年度入試も例年同様解答はすべてマークシート方式で、大問数は3題、小問数は35問前後であった。設問形式は空欄補充や年代整序問題もあるが、文章正誤問題が非常に多く、かなりの部分を占める。史料問題も出題されており、2024年度は大問1が全て史料問題となっていた。図版を使用した問題が出題されることは少なく、出題分野は古代から戦後史まで比較的まんべんなく出題されているが、例年原始から出題はない。2023年度は大正時代まで、2024年度は1問を除き明治時代までであった。出題される用語のレベルは標準的なものが多いが、文章正誤判定問題の比率が極めて高く、この形式を理由に全体の難度は高めとなっている。一方で全体の問題数が40問未満と比較的少なく、一つひとつに選択肢をじっくり吟味する時間は与えられているといえる。
2025年度入試対策・学習アドバイス
正誤問題対策が必須
出題形式は全てマークシート方式であるが、文章正誤問題は一般に単純な一問一答形式の記述式問題より難度が高くなる。武蔵大学の正誤問題は4択で、空欄補充や年代整序問題とともに共通テストの形式を基本的には踏襲しており、いわゆる4択正誤やXY正誤問題が大部分を占め、abcd-XYといった形式も存在する。比較的難度の低い空欄補充形式は少なく、2023、2024年度は3問程度で、残りは文章正誤問題で構成されている。正誤判定形式の問題対策としては、まず過去問を中心に武蔵大学の正誤問題の誤文パターンを押さえ、内容を理解したうえでのインプット学習をしていくことが効率的といえる。正誤問題のなかでも、設問文で要求されている時代と選択肢の示す時代がずれているといったパターンが多いが、これは学習の際に「どの時代の事項かを意識しながら覚える」といった方法が有効な対処策といえる。また史料問題は、事前に重要史料の学習をしておきたい。2024年度に出題された5つの史料は全て教科書などに載っている重要史料であった。この他にその場で史料を読んで読解する形のいわゆる未見史料問題も出題される。重要史料対策としては、重要史料を何度も繰り返し音読することが有効といえる。一方で未見史料は、過去問や模試などで未見史料を解き史料中の用語の着目点や設問の解法などを学び、本番で自分がその解法を使えるようにしたい。
教科書を中心とした学習を
全体として難問は多くなく、教科書本文を中心とした学習で合格点に達することができる。ただし、時代全体像や因果関係などを含め、正誤問題を意識して、重要な用語の理解を深める学習が必須といえる。用語を聞いたことだけはある、といった形の学習にならないようにしたい。
時代に偏りのない学習を
武蔵大学では、原始分野からの出題があまり見られない一方で、昭和戦後の占領期、時に平成史まで出題実績があり、その対策をおこたることはできない。試験当日までに戦後史までしっかり目を通しておく必要がある。
過去問をしっかり確認したい
正誤問題などいわゆる難度の高い形式も、武蔵大学や共通テスト(センター試験)の過去問を多く解き、問題数を多くこなすことで対処が可能になる。我慢強く演習問題を解き続けることで、実力は必ずついてくる。最後まで諦めずに、多くの問題を解いて準備をしたい。