<入試科目の掲載について>
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私立

とうきょうとし

東京都市大学

東京都市大学大学からのお知らせ ゼミ研究室紹介

掲載している内容は、2023年6月時点のものです

情報工学部 知能情報工学科
人間情報システム研究室(岡研究室)

人間情報システム研究室の1枚!

学生さんとロボットが何か話しているようですね?

はい、コミュニケーションロボットとの接し方の実験です。我々は、人間工学の観点からロボットと人間がどのように関わると良いのかを研究しています。

関わり方というと、具体的にはどんなことを扱うのでしょうか?

人間が興味を引きやすいロボットの仕草とか、人間が安心して接することができる距離感などをテーマにしています。

AIやロボット技術に人間工学を反映し
新しいインタラクションの提案を行う

研究室の学び

ロボットと人間の共存・協調を模索する

人とロボットとの共存の研究に使用している
コミュニケーションロボット「NAO」

人工知能やロボットといった先端技術に、人間工学の観点を融合させた研究を行っているのが、人間情報システム研究室だ。

「もともとは、わかりやすさ・使いやすさや、安全・安心の追究といった人間工学を中心に研究を行っていましたが、現在はその人間工学の考え方をコンピュータやロボットに応用することに取り組んでいます。新しいインターフェースやインタラクションのアイデアを考え、プロトタイプを制作して実際に評価しています」と研究室を率いる岡 誠先生は説明する。

現在取り組むテーマのひとつが、“ロボットと人間の共存・協調”だ。近年、ロボットの実用化が進み、人間と同じ空間で活動する例が増えてきている。そこでいかに人々が安心してロボットと触れ合えるかを、人間中心設計の考えに基づき追究しているという。

「人間とロボットが共存するには、ロボットが親しみを持てる存在になる仕掛けが重要です。例えば病院などですでに導入され始めている食事配膳ロボットやお掃除ロボット。廊下などですれ違う際に、ロボットがどれくらいの距離を保ち、どのような避け方をすれば人間は怖さや不安を感じないのでしょうか。そういったガイドラインが必要です」

研究室の特徴

情報工学とモノづくりの融合

実際に手を動かしモノを作ることも多いが、情報工学の研究室なのでもちろんコンピュータでの作業は欠かせない

この研究室では、新しいインタラクションなどのアイデアの検討も行う。その成果のひとつが、傘をスマホのビューワにするという取り組みだ。

「歩きスマホ問題に端を発し、目線を上げたまま安全に情報を読み取る手段として傘に注目しました。傘の裏側にスマホの画面を投影すれば、移動しながらでも地図などの情報が見やすくなります。カーソル機能や選択・決定といった基本操作をどう行うかが問題でしたが、傘を振る動作を加速度センサーで読み取るというインタラクションで解決しました。このアイデアは、指先の動きを読み取るジェスチャー操作の研究に発展しています」

傘を使ったビューワはプロトモデルを作成して、インタラクションの検証が行われた。このように、アイデアを具体化して実際にプロトモデルの実機を制作し、動作を確認して評価することで、新たな研究課題の発見につながっていく。

「知能情報工学科のなかでは数少ない、モノづくりが伴う研究室です。センサーや3Dプリンタを駆使してモデルを制作することも多いですね。学生には、研究ノートをちゃんとつけることや、打ち合わせでメモを取る習慣を身につけることを指導しています。頭のなかで考えていることを自分で可視化して整理する過程が大切で、それによって論理的な考え方ができるようになります」と、岡先生は話してくれた。

学生の声


人に好感を持たれるコミュニケーションロボットの仕草を研究

総合理工学研究科 情報専攻
修士1年 M.H.さん

*学年・インタビューは取材時のもの

情報工学のなかでも人と関わりのある分野に興味がありました。学部の1年次に岡先生の人間工学についての講義を聞いて、直感的なわかりやすさと人間中心設計という理念に感銘を受けて研究室に入りました。岡研究室は、先生の人柄もあって研究テーマに温かみのあるものが多いように感じています。

取り組んでいる研究テーマは、「人からの対話開始を誘発するロボットのジェスチャー行為の提案」です。公共の場所に設置されたコミュニケーションロボットがどんな仕草やジェスチャーをすれば、人に好感を与え人から話しかけられやすくなるのか、というものです。実験で扱ったジェスチャーは6種類。アイコンタクト、首振り、軽いお辞儀、歩み寄り、手招き、自分を指さす、のうち、軽いお辞儀が一番好感度が高いという評価になりました。日本のお辞儀文化の影響もあると思いますが、人に求める所作をロボットにも求めるという結果は興味深いものでした。

人の動作による新しいインタラクションの提案

傘の内側に地図などのスマホの情報を投影する装置。

投影した画面を操作するために傘を振るという新しいインタラクションを考案。

センサーを装着した指先のジェスチャーで画面を操作するインタラクションの研究。

指導教員 岡 誠 講師

1996 年武蔵工業大学(現・東京都市大学)卒業。2005年慶応義塾大学博士課程(工学系研究科)単位取得満期退学。2005年同大学博士(工学)。慶應義塾大学研究員を経て、2007年より東京都市大学知識工学部(現・情報工学部)助教。2010年より同講師。

このページに関するお問い合わせ

大学・部署名 東京都市大学 入試センター
Tel 03-5707-0104(代)

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