<入試科目の掲載について>
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私立

とうきょうとし

東京都市大学

東京都市大学大学からのお知らせ ゼミ研究室紹介

掲載している内容は、2023年6月時点のものです

環境学部 環境経営システム学科
岡田啓研究室(環境・エネルギー政策)

岡田研究室の1枚!

先生が×印を出していらっしゃるのは、何を表現されているのですか?

これは×ではなくて、需要曲線と社会的限界費用曲線の関係を手で表現しながら説明しているところです。

環境学部でありながらも、しっかりと経済についても勉強もするのですね。

はい。経済学をベースにして環境問題解決の方法を研究しています。その手法とは…

環境や交通由来の問題点を見出し
立てられた政策を調査検証して、評価を行う

研究室の特徴

経済活動に伴う環境問題を考える

環境問題について、経済学の側面から考えるのも
岡田研究室の特徴。
学部生には公共経済学などの授業でその基礎を伝授する

岡田研究室では環境問題(特に温暖化による気候変動)を軸に据え、その解決に向け実施されてきた政策を調査して、その有効性や影響力などについての評価を行っている。環境問題の多くは、私たち人間が営む社会生活、特に経済活動に原因があることに着目し、経済的手法を用いた問題解決をめざし、政策評価に取り組んでいると、主宰する岡田 啓先生は説明する。

「私たちは便利な生活を送っていますが、その代償として様々な環境問題が生じています。このように経済行動に伴う環境問題の解消について、政策でどのように対処しているのかを、研究テーマの中心にしています」

環境問題の解決や緩和のため、行政は私たちの行動の制限やインセンティブを用いた誘導をすることもある。その政策がもたらした効果や影響の判定も研究の一環だ。また近年は、環境問題以外にも、安全や市民の安心といった領域にまで、研究テーマを広げている。

研究テーマ

交通により生じる環境問題を解決する政策に注目

岡田先生の専門は、交通から生じる環境問題だ。20世紀に入って発展した化石燃料で動く乗り物は多量の二酸化炭素(CO2)を排出し、地球温暖化につながる原因となっている。なかでも国際海運に目を向け、大型船舶が排出するCO2の削減に向けた政策の評価に取り組んでいる。大型船舶は、輸送のエネルギー効率は良いのであるが、貿易量の増加により輸送量も多くなってしまい、運航に多くの燃料を消費している。また、コストの問題から重油という不純物の多い燃料を使っている。その結果、全世界のCO2排出量の1.5%が国際海運から生じているのだ。

「環境負荷の少ないLNG燃料への切り替えや、CO2排出のない水素やアンモニアといった燃料への移行も考えられています。しかしそういった燃料を使用するためには燃料に合わせたエンジンを搭載する必要性があるので、新造される大型船では、どの燃料を使うエンジンを選ぶのかが大きな問題になります。コスト以外にも各港の燃料供給のインフラ整備など、民間レベルでは解決が難しい問題がクリーンエネルギー普及への障害となっています」

国際海運は、国の境界を越えて活動する。そこで国際海事機関(IMO)という国際組織で、様々なルール作りや政策が決められ、世界一律で適用される。岡田先生はその動向を注視し、研究を重ねている。

※液化天然ガス燃料

学びの特徴

研究は、問題点を見つけ、考えることが重要

学生が研究室に配属されるのは3年次前期からだが、研究室に入ってすぐに研究に取りかかるわけではない。政策を研究するには、そのための素養を身につける準備が欠かせないのだ。岡田研究室では3年次には調査・研究のための基礎トレーニングと基礎知識の習得を行う。議論の仕方や論文の読み方を学び、研究のための基礎文献の精読を行って、卒業研究のための基礎的なスキルを1年間かけて身につける。

一方、4年次の卒業研究は、興味を持つ環境政策や交通政策からテーマを自分で見つけ出して、研究として成り立つかを考えることから始まる。「卒論は自分で問題を出して自分で答えを出すことが重要です。まずは問題点を自ら見つけ出して立論することが重要だと考えています。将来社会人になってからも、この経験を思い出して役立ててくれればと願っています」と岡田先生は、ここで学ぶ意義と指導に込めた想いを話してくれた。

学生の声


論理的な主張を展開し論文に反映するスキルが身につく研究室です

環境マネジメント学科(現 環境経営システム学科)
4年 O.T.さん

*学年・インタビューは取材時のもの

入学前から環境政策に興味があり、交通に関する研究にも惹かれるものがあったので、岡田研究室に入りました。

岡田先生はよく、「研究では主張することが大切」とおっしゃいます。自分がどのように主張しているのか、どのように話せば相手に説得力がある論理的な主張ができるのかを、3年次のゼミでは学びました。またパラグラフライティングという論文手法を学び、より説得力のあるレポート作成に役立っています。

現在の研究テーマは、「鉄道のホームドア政策の効果」についてです。安全を抜きにして持続可能性の高い社会は成立しません。身近な問題で興味深かったので、先輩の研究を引き継ぎました。現在は国土交通省が定める交通政策基本計画により、乗降客数10万人以上の駅がホームドア設置の指標になっています。それが安全性と設備投資費の兼ね合いから妥当かどうかの評価を行っています。今後は大学院に進み、研究を深める予定です。

指導教員 岡田 啓 准教授

群馬大学(工学部)卒業。慶應義塾大学にて修士(政策・メディア)、中央大学にて博士(経済学)。財団法人 運輸政策研究機構(現 一般財団法人 運輸総合研究所) 運輸政策研究所 研究員を経て2007年に東京都市大学環境学部講師。2011年より現職。交通経済学、環境経済学を専門とし、著書に『交通経済ハンドブック(共著)』『自由化時代のネットワーク産業と社会資本(共著)』などがある。

このページに関するお問い合わせ

大学・部署名 東京都市大学 入試センター
Tel 03-5707-0104(代)

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