京都産業大学大学からのお知らせ 入試対策情報
現代文
2025年度入試の問題分析
一般選抜入試前期日程スタンダード3科目型の場合は、大問3題の構成。そのうち2題が現代文の問題で、残り1題が古文の出題となっている。論理的文章(大問一)の本文は3,200~4,000字程度で、例年に比べて本文量はやや減少傾向。ただし、文学的文章(大問二)では5,000字に迫る本文の出題もあった。大問1題あたりの設問数は8~9問。設問数はほぼ例年並であった。
一般選抜入試前期日程スタンダード2科目型の場合は現代文のみの出題で2題の構成。こちらの大問一は5,000字程度で、2024年度よりやや増加。なお2024年度は、共通テストのような「主体的で深い学び」に関わる、学習の「メモ」を設定し、その空欄を埋める新傾向の問題があったが2025年度では出題がなかった。大問二は直木賞受賞作家の奥田英朗「ホットコーナー」からの出題。2024年度は芥川賞受賞作家である堀江敏幸『熊の敷石』、2023年度は岩城けいの太宰治賞受賞作『さようなら、オレンジ』、2022年度は宮下奈都『羊と鋼の森』が本文として出題されている。この日程では現代の作家で、一般に評価の高い作品から本文が採られている。作品本文量は2024年度に比べて増加し6,000~7,000字程度。設問数は大問一が12問、大問二は13問。本文量、設問総数ともに多いため、古典の出題がないからといって、解答時間に余裕があるということでは決してない。
3科目型、2科目型共通の例年の傾向であるが、大問のうち1題は論理的文章(評論文)、もう1題は文学的文章(小説、もしくは随筆)から出題されている。テーマは言語、芸術、文学、社会など多岐にわたる。すべてマーク式で、基本的には4つの選択肢のなかから1つ選ぶ形式。設問は漢字、語句の意味、語句や接続語の空欄補充、傍線部内容説明、傍線部理由説明、本文の趣旨判定など。漢字や語句の意味問題などの知識を問うものと、本文および傍線部の精緻な読み取りができたかを試す問題とが例年どおりバランスよく配置されている。
2026年度入試対策・学習アドバイス
確かな語彙力を身につけよう
どの日程でも選択式の漢字問題が出題されている。大学入試用の漢字問題集を1冊でもよいから繰り返し取り組み、わからない言葉はその都度辞書を引いて、意味も覚えよう。知らないものを調べて知るという学習の基本的な姿勢は、小説問題などで出題される語句の意味問題への対策にもなる。市販の現代文用語集などを積極的に使うのもよい。
過去問で十分な訓練を
出題傾向、難易度に変化の少ない大学なので、まずは過去問を使って形式に慣れてほしい。市販の問題集ならば、基礎~標準レベルの私立大学向けの問題集を利用するのがよい。問題文を通じてそれまで自分の知らなかった言葉に出合い、そこからさらに語彙の知識を増やすこともできるはずだ。
「現代文の勉強」というと、様々な文章からの出題があるので、何か雲を掴むような印象を持ってしまうかもしれない。しかし入試問題として、受験生の目の前に現れる文章には必ず一定の「論理(筋道)」が存在する。「論理」を精緻に速く追っていくためには読解の根幹を成す「語彙」の力と、文章の道筋を構築している指示語や接続語などの「文法」の理解が大切。日々のたゆまぬ努力で語彙と文法という、2つの国語力を粘り強く高めていってもらいたい。
