関西医科大学大学からのお知らせ 入試対策情報
物理(医学部)
2024年度入試の問題分析
関西医科大学の物理入試問題は例年大問4題で構成されている。2024年度は、第1問は力学分野で単振動に関する問題で、下から小球が衝突して合体することによって振動が始まるという、あまり見ないかたちで振動が始まり、振動のグラフの図示も問われた。第2問は電磁気分野。電磁血流計という聞き慣れない装置の原理に関する問題であったが、ローレンツ力から誘導起電力の大きさを求めて、その後は抵抗の大きさに関する問題で、丁寧な誘導がなされているので、容易に解答できる問題である。第3問は波動分野。シャボン玉の薄膜による干渉の問題で、薄膜を斜めに表記してあり、教科書などでよく見る形とは異なるように見えるが基本問題である。2022年度はニュートンリング、2023年度は回折格子と、近年、波動分野は光波による干渉の問題が続いている。第4問は熱力学分野。問題は基本的であるが、ボイルの法則について論述するという、極めて基本的であり、かつ、受験生が日頃やったことがないであろう問い方で出題された。
2025年度入試対策・学習アドバイス
関西医科大学では全分野から出題されている。2022・2023年度は原子分野からの出題はないが、それ以前は融合問題として出題されていたので、原子分野も避けることはできない。一般的に苦手分野をつくらないことは重要なので、苦手分野は克服しておこう。
問題の難度は高くないが、公式等の徹底理解は不可欠である。公式に代入して答えを出して終わりにするのではなく、その公式の導出や別解に関する考察など、日頃から物理的な思考で問題に取り組む姿勢を養っておくことが必要だ。
粘り強く考える習慣
医科大学らしく医学系の装置の原理に関する問題が出題されることが多いが、範囲外の内容が出ることはなく、必ず今までやったことがあるテーマに関する問題である。よって、その問題の意図する内容は自分の知るどのテーマと同じかを見抜き、その知識とすり合わせて考えていくことが要求される。これには物理の基本事項を理解していることが必須で、さらに日頃の問題演習で、解きにくい問題にあたったとき、すぐに答えを見たりせず、粘り強く考えて自分なりの答えを出す練習もしておいてほしい。模範解答を確認するのは自分なりの答えにたどりついた後からで、決して解答を見て理解したつもりになって終わりにしないこと。入試直前の時期には解答のスピードを上げる意識も必要だが、知識を固めるためにも1問にじっくり時間をかけて解くことも重要である。そこで会得した考え方や取り組む姿勢が、難問に対応する能力向上につながっていくものである。
解答をつくる練習
「途中の考え方も記せ」と表記された記述問題がある。限られた時間内に考え方を解答用紙に残すのは時間がかかる。日頃からノートに「解答過程を残し採点者に見せる解答をつくる」意識を持とう。計算力・解答スピードも最終的には必要だ。一通りの物理の知識のインプットが終わったら、過去問を用いて時間を計り、知識をアウトプットする練習をしておこう。