関西医科大学大学からのお知らせ 入試対策情報
物理(医学部)
2025年度入試の問題分析
関西医科大学の物理入試問題は例年大問4題で構成されている。2025年度は、第1問は力学分野。重力による落下運動を、記録タイマーを用いて測定し重力加速度を導出する問題であった。第2問は電磁気分野。荷電粒子の加速装置であるサイクロトロンに関する問題で、一般に荷電粒子を加速させる場合、交流電源を用いるが、それを直流電源に変えた場合の軌跡を図示させる問題であった。第3問は波動分野。組織ドップラー法という、聞き慣れないものであったが、本文の誘導により、よく見られる音波のドップラー効果で問われる内容で対応できる問題であった。第4問は原子分野。放射性同位体による原子核の崩壊の問題で、鉱物中に含まれる放射性物質の残存数から地球の年齢を計算する問題であった。
2026年度入試対策・学習アドバイス
基本事項の理解
関西医科大学では全分野から出題される。原子分野は2024・2025年度と連続で出題されている。また、それ以前でも出題がある。他大学では原子分野は敬遠されがちであるが、関西医科大学にはあてはまらない。原子分野についてもしっかり基本理解から問題演習までこなしておく必要がある。
出題分野の偏りは見られない。このような場合、一般的には、苦手分野をつくらないことが重要になる。問題の難度は高くないが、公式等の徹底理解は不可欠である。公式に代入して答えを出して終わりではなく、その公式の導出や別解に関する考察など、日頃から物理的な思考で問題演習に取り組む姿勢を養っておくことが必要である。
粘り強く考える習慣
関西医科大学の入試では、医科大学らしく、医学系の装置の原理や、現象に関する問題が例年出題されている。これらに対応するには過去問をやるしかない。しかし、範囲外の内容が出題されることはなく、さらに丁寧な誘導がなされている。したがって、必ず今まで解いた問題のテーマと同じ方法で解けるようになっている。よって、その問題の意図する内容は自分の知るどのテーマと同じかを見抜き、その知識とすり合わせて考えていくことが要求される。これには物理の基本事項の理解は必須である。さらに日頃の問題演習で、解きにくい問題にあたったとき、すぐに模範解答を見たりせず、粘り強く考えて自分なりの答えを出す練習をしておいてほしい。わからなくて模範解答を見たとしても、それで終わりにせず、再度解答を書き起こしてみてほしい。決して解答を見て理解したつもりで終わらないようにすること。入試直前の時期には解答のスピードを上げる意識も必要だが、知識を固めるためにも1問にじっくり時間をかけて解くことも重要である。そこで会得した考え方や取り組む姿勢が難問に対応する能力向上につながっていくものである。
解答をつくる練習
「途中の考え方も記せ」と表記された記述問題がある。限られた時間内に考え方を解答用紙に残すのは時間がかかる。日頃からノートに「解答過程を残し採点者に見せる解答をつくる」意識を持とう。計算力・解答スピードも最終的には必要だ。一通りの物理の知識のインプットが終わったら、過去問を用いて時間を計り知識をアウトプットする練習をしておこう。
