東京都立大学大学からのお知らせ ゼミ研究室紹介
掲載している内容は、2023年9月時点のものです
法学部 法学科 政治学コース
佐藤ゼミ(現代日本政治)
佐藤ゼミの1枚!

学生さんたちだけで、議論が活発に進んでいましたね。
そうですね。ゼミ生たちの自主性を大切にしています。
学生さんたちがそれぞれの役割を自覚しているようにも見えますね。
はじめはみんな自分の意見をうまく伝えられませんから、日々の学びの成果ですね。文献を調べる、人の意見を批判的に聞く、新しい論点を見つける、自分の考えをまとめるといったプロセスを経験することで、それぞれが自分自身の強みや良さを理解し、際立たせることができるようになります。
考えをまとめ議論するプロセスを通じて
社会でも生きる分析力やコミュニケーション能力を養う
ゼミの学び
学生主体の活発な学びが、学生の能力を磨く
佐藤信先生の専門は「現代日本政治」「日本政治外交史」。政治指導、政党、デモ、天皇制といったテーマだけでなく、政治家の住まいや婚活の歴史など、多様な切り口から広く日本の政治社会に関わる研究を手がけている。ゼミで扱うテーマは毎年異なり、昨年は「女性と政治」、今年は「ポスト・ヒューマンの/による政治」といったように、現代的問題を中心に、学生の関心も踏まえて選定しているのだという。そうした現代的なテーマについて学生たちが自主的に議論するのが佐藤ゼミの特色だ。実際、学生主体の学び方に魅力を感じて履修を希望する学生も多い。
ゼミは毎回、事前に学生一人ひとりが課題文献を読み込み、自分の考えをA4一枚にまとめて、オンラインで共有する。「文献を読みペーパーを書いて、それを元に皆で議論するのが、基本的なスタイルです」と先生は話す。文献を毎週読み、ペーパーに意見をまとめることで、読む力や考えを整理する力が身につく。さらに、あらかじめほかのゼミ生の考えを知ることで、「この人の論点は、自分の論点と関係がありそう」といった思考を巡らせ、論点をつなぎ合わせながら考察を深めることができる。そうしたプロセスを通じて分析力や、他者と生産的にコミュニケーションする力が着実に磨かれる。
ゼミの特徴
互いの考えを受け止める姿勢が一人ひとりの個性を育む

佐藤ゼミでは、主として学部3、4年生と、ときには大学院生も加わって、ともに学ぶ。毎週課題文献を読んで、ペーパーをつくって、ディスカッションをするだけではなく、パワーポイントを用いたプレゼンテーションを行ったり、実証的な研究にトライするリサーチペーパーを書いたり、ゼミ生たちの負担は決して軽くない。
しかし、「東京都立大学の法学部ではゼミは必修ではないので、主体的に厳しい場に身をおくことで一層成長したい学生たちが集まっています」と先生は語る。佐藤ゼミは、ディスカッションの準備も、研究成果のアウトプットも決して手を抜けない雰囲気がある。ただそれは、学びへの高い意欲を持った学生が集まり、切磋琢磨することで生まれるもの。自主的に取り組むことで、成長が促され、多様なものの見方が交錯する活発なディスカッションにもつながっている。
そうしたディスカッションの背景には、お互いの人格や考えを尊重する空間が根底にある。相手が何を言っても、決して頭ごなしに否定するのではなく、いったんはそうした考え方を受け止めて、自分の意見との類似点や差異に注目しながら議論を進める。他者を受容する姿勢が学生同士の信頼関係を生み出し、「こんなことを言っても大丈夫か?」などと心配せずに、自由に考えを発信できる理想的な学びの場へとつながる。
佐藤先生は、「大学はプロの研究者の間近で学べる貴重な場所。なかでもゼミは至近距離で学ぶことができるチャンスです。学生さんたちには、大学で学問の楽しさを知ってほしいですね」と自身の思いを語ってくれた。
学生の声
お互いを尊重しながら高め合う環境があります
法学部 法学科
4年 T.K.さん
*学年・インタビュー内容は取材時のもの
ゼミ生全員でディスカッションをする学びのスタイルを魅力に感じ、佐藤ゼミを選びました。毎回、ほかの学生の様々な考えに深く触れられるので、ものの見方や視野が広がっていると感じます。
私自身、もともと積極的に発言するタイプではありませんが、ディスカッションの経験を重ねていくなかで、ポイントで論点を整理するような役を担う機会が多くなり、それは私のひとつの個性だと自覚するようになりました。
佐藤ゼミには、相手を尊重し、意見にきちんと耳を傾ける姿勢を持った学生がそろっています。そうした環境のなかで、自分とは異なる考えを柔軟に受け止める姿勢が磨かれていると思います。
またゼミで経験する、ペーパーづくりや、ディスカション、発表などを通じて、「わかりやすく伝えること」を意識するようになり、実際に工夫しながら実践してきました。特にプレゼンテーションソフトを使った資料作成のスキルは磨かれたと実感しています。
社会に出てからは、今よりももっと様々な立場の人と関わると思います。研究の土台となる力とともに、社会で他者と協働するために必要な素養も磨かれていると感じます。

東京大学大学院法学政治学研究科総合法政専攻博士後期課程中途退学。博士(学術)。専門は現代日本政治・日本政治外交史。日本学術振興会特別研究員、東京大学先端科学技術研究センター助教を経て、2020年より現職。大学時代はジャズ研に所属した。
その他のゼミ研究室紹介
- 人文社会学部 人文社会学科 社会学教室 社会調査法演習
- 人文社会学部 人文社会学科 福田研究室(表象文化論教室)
- 経済経営学部 経済経営学科 マーケティングゼミ
- 経済経営学部 森ゼミ(テキストマイニング)
- 理学部 物理学科 超伝導物質研究室
- 理学部 生命科学科 進化遺伝学研究室
- システムデザイン学部 電子情報システム工学科/大学院 システムデザイン研究科 電子情報システム工学域 波動情報工学研究室
- 都市環境学部 地理環境学科 地形・地質学研究室
- 都市環境学部 観光科学科 地理学研究室
このページに関するお問い合わせ
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