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とうきょうとりつ

東京都立大学

東京都立大学大学からのお知らせ ゼミ研究室紹介

掲載している内容は、2024年12月時点のものです

経済経営学部 経済経営学科
マーケティングゼミ

マーケティングゼミの1枚!

学生の皆さんは何をしているのでしょうか。

グループごとに、企業から出された課題にマーケティングの基本理論を活用しながら、提案内容を話し合っているところです。

企業からはどのような課題が与えられるのですか?

新商品の開発もあれば、購買層に訴求力のある売り場のコンセプトを考えることもあり、高い評価を受けた提案は実際に企業に採用されることもあります。

「どう売る」「なぜ売れる」を
企業と消費者の双方の立場から考察する

ゼミのテーマ

マーケティングによって
商品の売れ行きや購買層が大きく変わることがある

グループワークが基本の研究室。それぞれが考えてきた案を出し合いながら、提案の方向を決めていく

私たちは毎日、いろいろなものを買ったり、利用したりしている。そのなかには同じような商品なのに、A社の商品は人気で、B社はそれほどでもないということも珍しくない。これはCMの力が大きいこともあれば、口コミがきっかけであったりもする。企業がどのようにものを売るのか、売る側のマーケティング手法と、消費者がなぜ買うのか、買わないのかといった消費者行動論の両面から考察するのが、水越康介先生のマーケティングゼミだ。

現在、美白の商品として知られている「ハイチオールC」を例に挙げよう。

「この商品に含まれる成分には肝臓での解毒作用があり、もともとは二日酔いを改善する薬です。ところが、2000年代に美白の薬として売られるようになり、大ヒットとなりました。そうなると、購買層も中年の男性から若い女性に変わります。二日酔いの薬と違って一定期間服用を続けなければならないので、価格の見直しも必要になります。また、商品パッケージも変えて、CMも女性向けに打たなければなりません。このように、商品コンセプトが変わると、売り方を変えなければいけませんが、逆に言えば、今売れていない商品も売り方や購買層を変えることで売れ行きが上がる可能性を秘めています」

これはマーケティングの成果の典型例であり、マーケティングとは何かを理解するにはうってつけケースのひとつだろう。ゼミでは、こうした実例を取り上げながら、マーケティングの基本的な理論を学ぶところから始まる。

ゼミでの学び

事例研究や企業の課題に取り組み、
マーケティングの理論を学び、考える力を養う

ホワイトボードにポイントとなる点を箇条書きにしたり、PCで調査結果をまとめたり、進め方はグループに任せられている

マーケティングゼミはグループワーク中心で、前期はケースディスカッションを行い、後期になると、前期の学びを応用する形で企業から実際に提示された課題に取り組む。

2024年後期は花王とドン・キホーテから「Z世代向けにドン・キホーテの売り場を企画する」との課題を与えられた。売り場の見せ場をどうつくり、棚のコンセプトをどうするか。企業側から提供された基本的な資料に加え、独自にインタビューやアンケートを行ったり、SNSのコメントを調べたりし、グループで提案をまとめていく。途中、中間発表で企業からのフィードバックを受けて提案内容の見直しや再検討をしたうえで、最終発表を行う。提案によっては実際に採用され、実現される可能性も十分にあるのでやりがいは大きいと、水越先生。

「将来、どの分野に進んでもマーケティングの知識や感覚は必要になると思います。業種を問わず、企業ではお客様のことを知り、考えることが基本ですから、マーケティング思考は大事です。最近は禁煙、ダイエット、環境保全など、社会的な意味を結びつけたソーシャルマーケティングも盛んに行われており、行政においてもマーケティングの力は生きてきます。また、一消費者としても企業の思惑やCMのつくり方を知ることは、正しく情報を見極めるという意味で必要だと思います」

CMを見ておもしろいと思ったり、買った商品がどうやってつくられ、売られているのかと考えるマーケティングは非常に身近なおもしろい学問だと水越先生は締めくくってくれた。

学生の声


なぜ商品が売れたのか、実例を研究し、
その先の展開まで考えるのがおもしろい

経済経営学部 経済経営学科
3年 S.M.さん

*学年・インタビュー内容は取材時のもの

私はアウトレットのスポーツアパレルのショップでアルバイトをしています。そこで今、どの商品を売りたくて、どう売るかというマーケティングの一端に関わらせてもらう機会があり、このゼミを選びました。

ゼミでは、実際に企業が行っているマーケティングの事例を取り上げ、その手法や、どう差別化を図っているかを詳細に自分たちで調べます。同じようなアイテムを扱っていても、企業によってまったく売り方が違います。また、違いを明らかにするだけでなく、自分ならこの先、どのように売っていくかを考え、グループディスカッションを行うのが、このゼミの醍醐味です。決まった正解はなく、自分とは違う考えを持った人たちと話をしていくなかで、ものを見る角度が増え、考え方が柔軟になり、自分の意見を説明する力も磨かれていると感じます。

研究室での学びを通して、普段は注意を払っていなかった棚の商品配置などにも「なぜ、こうなっているのだろう」と疑問を持つようになりました。こうした疑問を持ち、自分で考える力は、将来、仕事をするうえでも役立つと思います。

指導教員 水越 康介 教授

神戸大学大学院経営学研究科博士後期課程修了。博士(商学)。首都大学東京都市教養学部経営学系研究員・准教授を経て2019年より教授。2012年より株式会社碩学舎取締役。2014~2015年、 York University, LAPS, adjunct professor 。研究分野はマーケティング。

このページに関するお問い合わせ

大学・部署名 東京都立大学 アドミッション・センター(入試課)
Tel 042-677-1111
E-mail admission-tmu@jmj.tmu.ac.jp

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