上智大学大学からのお知らせ 入試対策情報
数学III・B
2024年度入試の問題分析
理工学部の学部学科試験・共通テスト併用方式の問題を分析する。数学Iから「数と式(集合)」、数学Aから「確率(回路を電流が流れる確率、最大確率)」、数学Bから「数列(隣接2項間漸化式)」「ベクトル(反射)」、数学IIIから「複素数平面(絶対値の最小値)」「微分・積分(定積分の計算)」が出題された。入試問題としては標準レベルの問題が中心であるが、かなり難しい問題も出題されている。出題数は大問3題で、解答形式は、第1問(3問の小問集合)と第3問がマーク式、第2問が記述式であった。2題がマーク式、1題が記述式、試験時間は90分というのは例年と変わりなかった。
2025年度入試対策・学習アドバイス
まずは基礎力の充実を
難易度のレベルは入試問題としては標準レベルの問題が中心であるが、かなり難しい問題も出題されることがある。難しい問題に対応するには、難問ばかり集めた問題集で、やたらと演習すればよいというものではない。まずは、教科書をしっかり学習し基礎力を充実させることが先決である(基本的な定理を証明させる問題が出題されることもある)。そのうえで、標準レベル問題集を活用して、問題演習を繰り返し行うことにより基本事項や公式の運用の仕方を定着しておく必要があるだろう。その後、総合的な問題集を用いて応用力をつけよう。
数学IIIの微分・積分は特に重視
年度によっては、数学IIIからの出題が1題の年度もあるが、直近の5年は2題出題されており、さらに、数学IIIの微分・積分は必ず出題されるので特に重視しておきたい。接線に関する問題や、面積、体積を求める典型的問題で演習をして、さらに、発展的な問題にも取り組んでおこう。また、どのような関数でも素早く微分できたり、被積分関数がどのような関数でも積分できるように練習しておいてほしい。さらに、抽象的な関数や論理的な問題も出題されることがあるので、注意しておこう。また、図形問題や数列や整数問題もよく出題される。それらは、他分野との融合問題の形で出題されることも多いので、過去問で研究しておくことが大切である。
2次曲線、複素数平面も要注意
2次曲線(楕円・双曲線・放物線)や極方程式の問題も出題されることがあるから、苦手な人は必ず克服しておきたい。また、複素数平面からも出題される。複素数の計算だけではなく複素数平面上での図形への応用問題(三角形の相似など)にも対応できるようにしておきたい。
マークに慣れよう
解答形式がマーク式の問題では、計算ミスは致命的となる。普段から、工夫して計算することによって、正確に素早く計算するようにして、ミスを防ぐ練習をしておくことが大切である。例えば、式の値を求める問題での整式の除法の活用や、積分計算における6分の1公式の利用や因数分解形の形のままで積分するなどである。ただし、これらは正しく用いないと意味がない。また、公式の誤用や、問題文を正しく把握しないで解いた条件不足でのミスなどは絶対に避けてほしい。日頃からきちんと問題文を読む癖をつけておくことが大切である。なお、試験時間に対して問題量は適当なので、慌てず落ち着いて取り組んでほしい。