
※前年度情報を掲載中
数学III・B
2022年度入試の問題分析
一般選抜理工学部について分析する。数学IIから「三角関数(加法定理とその応用、三角関数の図形への応用)」「複素数と方程式(高次方程式)」、数学IIIから「複素数平面(複素数の図形への応用)」「微分・積分(定積分で表された関数、接線、極値、変曲点、面積)」が出題された。入試問題としてはややレベルの高い問題が中心であり、かなり難しい問題も出題されている。問題数は、大問4題で、第1・2問は解答群から正答を選ぶマークセンス方式、第3・4問が記述式である。また、理工学部大学入学共通テスト併用入試では、大問4題(「三角比(正弦定理、余弦定理、図形への応用)」「確率(カード)」「整数の性質(剰余)」「微分・積分(不等式の証明)、数列の極限」)から3題を選択解答する方式で、解答形式はすべて記述式である。いずれの入試も試験時間は100分で、問題数、解答形式、試験時間は例年どおりで変化はなかった。
2023年度入試対策・学習アドバイス
数学IIIの微分・積分を最重視
理工学部では、数学IIIの極限や微積分など解析系からの出題が多いのが特徴である。計算量が多く重厚な問題、面積・体積といった求積系や極限ついての問題が多い。しかも、レベルがかなり高い問題も出題される。したがって、この分野についてはかなり力を入れて演習しておきたい。被積分関数がどのような関数でも積分計算は素早く正確にできるようにしておこう。標準レベル以上の問題集を繰り返し解いて解法・計算方法を自分のものとしておいてほしい。ただし、試験時間100分に対して計算量がかなり多いので、完答するには、かなりの数学の実力が必要であろう。したがって、時間内で解くのが困難な問題は捨てても構わない。問題の難易度を見る目を養っておくことも合格を勝ち取るうえでは大切である。
数学の総合力を
前述のように、出題範囲は数学IIIの微分・積分が多いので、その分野を最重視しておくことが大切であるが、数学IIIの問題を考える際は当然だが、数学I・A・II・Bも必要である。したがって、数学III分野以外もおろそかにしないようにしてほしい。
そのなかでも数学IIは大切
なかでも、数学IIの三角関数、指数・対数関数、微分・積分はしっかり演習しておいてほしい。なぜなら、数学IIIの微分・積分と密接な関係があるからである。また、数学Bの数列も重要である。漸化式やΣ計算などは、数列の極限と絡んで出題されることが多いので注意してほしい。
記述もしっかりできることが大切
記述式の解答形式の問題が多いので、きちんと解答過程を書けるようにしておくことが大切である。決して式の羅列になったりして採点者が見て何をやってるのかわからないということがない答案にしてもらいたい。つまり、論理の飛躍がない解答作成を心がけてほしい。採点者に自分の考えがしっかりと伝わるような解答を書くことが大切でなのである。そのためには、日頃からきちんと解答を書いて演習すること必要であろう。きちんとした解答には、正答でなくても部分点が与えられるはずである。1点を争う入試では、部分点が大切になるケースもあるので、十分気をつけよう。不安ならば、身近にいる先生に添削をお願いして、不安を解消しておくとよいだろう。