東洋大学大学からのお知らせ 入試対策情報
物理
2024年度入試の問題分析
東洋大学は毎年2月に4回の試験を実施している。どの試験も大問3題の出題で、〔I〕が小問集合、〔II〕が力学、〔III〕が電磁気という構成になっている。〔I〕の小問集合は小問が4問であることが多く、力学・熱・波動・電磁気から1問ずつ出題されている。2023年度の試験では2月10日の試験だけが小問3問で、力学・波動・電磁気からの出題だった。原子の出題は少なく、2019年度2月1日の試験と2020年度の2月10日の試験でのみ出題された。どちらも〔I〕の小問集合の問4で原子が出題され、2019年度の2月1日の試験では光電効果が出題され、2020年度の2月10日の試験ではボーアの原子模型が出題された。
力学・電磁気は大問でも小問集合でも出題されるが、熱・波動・原子は小問集合でしか出題されないので、力学・電磁気と比べると出題の分量は少ない。
力学・電磁気の分量が多く、熱・波動・原子の分量が少ないが、各分野の出題には偏りがなく、原子を除いてほぼ全分野から出題されている。
問題の難易度は基礎~標準の問題が多いが、やや複雑な設定の問題もたまに出題されている。
2024年度の入試では、2月10日実施の試験の大問3の、コンデンサーの問題で、電気容量の単位がマイクロ・ファラドではなく、ピコ・ファラドだった。ピコが10のマイナス12乗を表すことは多くの受験生が知らないであろうから、驚きのある問題だったと言える。しかし、解答群から数値を選択する問題だったので、桁はあまり問題にならなかった。
また、2月11日実施の試験の大問1の問4では平行板コンデンサーと電解コンデンサーの問題が出ていた。電解コンデンサーの図を見ると難問に見えるかも知れないが、内容は基本的なものだった。
基礎~標準的な問題が多いが、難度の高い問題も出題されると思っておいた方がよいだろう。小問の数は毎年20~26問で、解答形式はすべてマークシート方式である。数式を選択する問題が多いが、数値を選択する問題やグラフを選択する問題も出題される。2024年度の2月10日実施の試験では数値計算が多く、2月11日実施の試験と2月27日実施の試験では数値計算が少なかった。
2025年度入試対策・学習アドバイス
力学は〔II〕で出題され、電磁気は〔III〕で出題されるが、どちらも〔I〕の小問集合でも出題されるので、頻出分野といえる。力学と電磁気は特に重点的に学習しておく必要がある。熱・波動・原子は〔I〕の小問集合でしか出題されないが、幅広く出題されるので、苦手分野を残さず、どの分野もしっかりと学習しておく必要がある。2019年度の2月1日実施の試験と2020年度の2月10日実施の試験では、小問集合で久しぶりに原子の問題が出題されたが、それ以降原子の出題はない。今後、再び出題される可能性もあるので、光電効果(2019年度出題)やコンプトン効果、水素原子模型(2020年度出題)、原子核の崩壊など、原子としては出題頻度の高い問題は解けるようにしておきたい。年度によっては計算に時間のかかる問題もあるので、日頃から制限時間を気にして素早く解く練習をしておきたい。直前期には過去問を使って十分に時間配分の練習もしておこう。学校で配られる傍用問題集などで基礎~標準まで学習して標準的な問題は自力で解けるようにし、後は過去問を丁寧に解いていくとよいだろう。原子については過去問が2題しか存在しないが、光電効果やコンプトン効果、ボーアの原子模型、原子核の崩壊などの定番のテーマを学校で配られる傍用問題集で勉強しておけばよいだろう。