<入試科目の掲載について>
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きょうとさんぎょう

京都産業大学

京都産業大学大学からのお知らせ ゼミ研究室紹介

掲載している内容は、2022年6月時点のものです(取材は2021年6月)

生命科学部 産業生命科学科
前田秋彦研究室(ウイルスの生物学)

前田秋彦研究室の1枚!

草の上に何かを広げていますね。

山や原っぱで、布をすべらせて研究対象となるダニを確保しています。

確保したダニはどうするのですか?

顕微鏡で鑑別した後、チューブのなかでつぶし、ウイルスを持っているかを調べます。

感染症の恐ろしさを世界が実感している今、様々なウイルスの性質解明に挑む

研究テーマ

ウイルスとは何か
基礎から応用までを探究する

地道な実験を繰り返すことが新しい発見につながる

前田秋彦先生は獣医でもある。その立場から人獣共通感染症(ズーノーシス)と呼ばれる、ヒトにも動物にも感染するウイルスについて主に研究している。

メインのテーマは、「ウイルスの生物学」。ウイルスの進化や増殖の仕方、自然界での存在様式といった基礎的な研究から、病原体としてのウイルスがどのようにヒトや動物に病気を引き起こすのか?ウイルス感染症を予防・治療する方法が開発できるか?といった応用研究までを行っている。また、感染症の世界的な分布とその原因病原体を持つ動物との関連も生態学的に調べている。

研究の展望

世界には様々なウイルスが
予防には先手が必要

ウイルスや感染という言葉を聞かない日はない昨今。新型コロナウイルス以外にも人類に脅威を与える病原体は少なくない。例えば、蚊を介して発症する日本脳炎やデング熱。ダニが媒介する日本紅斑熱や重症熱性血小板減少症候群(SFTS)などがある。

ヒトで発症する感染症については、医療機関等での治療法や対処法が確立されているため、虫除け剤や服装で予防することができる。感染の疑いがあっても医療機関で適切な治療を受ければそれほど恐れる必要はないが、薬剤耐性ウイルスという厄介な存在も目立つようになってきた。

人の動きがワールドワイドになるにつれ、日本にはいなかったウイルスが持ち込まれ、あっという間に世界中に広がることは新型コロナウイルスが実証している。パンデミックを未然に防ぐためには「先手を打つ以外の方法はありません」と前田先生は話す。

前田研究室では、2013年にマダニを宿主とした「トゴトウイルス」を日本で初めて発見。そのウイルスが動物やヒトで病気を引き起こすのかどうかについて、今、学生と一緒に研究している。

研究室の学び

実験室から野外まで
ミクロの解明がマクロを救う

ダニは草の上に卵を産み付け、動物やヒトが来るのを待ち受ける。そのため、週に1回、研究対象となるダニを野外で確保。実験室に持ち帰った後、チューブのなかでつぶして細胞に播き、病原体となるウイルスの遺伝子を調べていく。その後、様々な条件で増殖の実態を観察し、マウス等の動物が病気を発症するかを調査している。

実験室の外でも活動。関西空港検疫所や神戸港にある神戸検疫所で、検疫業務の幅広さを学ぶこともあれば、畜産試験場で牛の乳搾りを行うことも。果樹園に出かけて受粉や病害虫について教えてもらうこともある。ほかにも、製薬会社で、薬の製造過程や実際の仕事内容についてのレクチャーを受けて、経験を積んでいく。

「ウイルスというミクロの世界を知ることによって社会や人類に貢献し、生態系というマクロな世界を救うという意気込みで貪欲に学んでほしい」と願っている。

研究室紹介

総研究室数 10

木村成介研究室
生物が周囲の環境に応じてその表現型を変化させることを表現型可塑性といい、生物の環境への適応に重要な役割を果たしています。しかし環境に応じて葉の形を変化させる水生植物ニューベキアは、どのような仕組みで葉の形を変化させているのかがほぼ分かっていません。研究室では次世代シークエンスという新技術を使って、この不明な点を明らかにすることをめざして研究しています。
三瓶由紀研究室
地域資源の循環や地域生産物の価値の創出などのテーマについて、社会統計情報の分析やGIS解析により、地域特性をふまえた食・農の実態把握を行います。また、アンケートやインタビューなどの社会調査を通じて人々のつながりについても明らかにし、その結果を踏まえ、持続可能な社会構築をめざすための制度やシステムを検討しています。
西田貴明研究室
生態系や生物多様性の維持機構の解明から、森林や湿地などの生態系の持つ機能の評価、さらには、自然環境を生かす法制度や経済の仕組みの研究に取り組んでいます。生態学を中心とした生物学から、環境経済学、環境政策学など様々な学問を扱いながら、生態系を生かすことで環境問題、社会課題の解決する方法について、様々な研究や社会発信を行っています。
指導教員 前田 秋彦 教授

兵庫県出身。博士(獣医学)。専門はウイルス学、環境衛生学。北海道大学で実験動物に関わるうち、感染症や生理機能発などに興味を持ち、ウイルス研究の道へ。2010年京都産業大学総合生命科学部・教授就任。テキサス、東京、帯広、札幌と転々とした後、京都に在住。「人生いろんなことがあるけど、何とかなる」がモットー。

このページに関するお問い合わせ

大学・部署名 京都産業大学 入学センター
Tel 075-705-1437

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