東洋大学大学からのお知らせ 入試対策情報
※昨年度(2025年4月入学)情報を掲載中
現代文
2024年度入試の問題分析
複数の日程があり、いずれも大問3題という構成。問題一が漢字の書き取り、問題二が現代文の長文読解、問題三が古文という出題形式も各日程で共通している。問題一は傍線部と同じ漢字を用いた熟語を選ぶもので、例年同じ形で出題されている。問題二の長文読解は、比較的高度な文章を読ませるものが多い。2024年度は、5つの日程のうち4つで哲学研究者による著作から出題された。テーマは「食(味わい)の評価」「不調和の美学」「人間の世界認識に言語が果たす役割」「他者と出会うための『私』のありかた」「情念からの離脱と哲学的思考」と多岐にわたっている。過度に専門的な文章ではないものの、なじみのない受験生は読みこなすのに苦労したと思われる。字数は日程によって異なり、約4,900~約6,000字だった。ただし、過去には7,000字を超える長文が出たこともあるので注意が必要である。解答はすべてマークシート方式。設問は語句の意味を問う知識問題のほか、空欄補充、脱文挿入、傍線部の内容説明、本文全体の内容一致など、オーソドックスな構成である。難易度は標準程度。
2025年度入試対策・学習アドバイス
漢字と語彙の学習
漢字や語句の意味などの知識を問う問題が比較的大きな割合を占めるので、確実に得点できるように準備しておこう。漢字については大学入試向けの漢字問題集を1冊選び、何度も繰り返すとよい。語句の意味についての問題や空欄補充問題では語彙力が問われる。日頃から国語辞典を活用し、知らない語や意味を正確に理解していない表現については必ず調べるようにしよう。また、現代文の用語集なども活用して言葉に関する知識を定着させよう。
背景知識の習得
問題文で論じられるテーマについて、受験生に専門的な知識が求められるわけではない。とはいえ、初歩的なことでも構わないので背景を知っておくと、だいぶ理解しやすくなる。可能であれば、過去に出題された文章の原典を読んでみよう(余裕がなければ1冊全部ではなく、問題文に使用された箇所とその前後だけでも構わない)。難解で理解できない場合は、同じ分野の入門書を先に読むとよい。また、現代文の用語集には学術用語に関する解説が含まれているものが多いので、自分が苦手意識を持つ分野やテーマについては集中的に読み、理解しておこう。
読解力を磨く
まずは文章を最後まで読み通し、理解する力を養いたい。そのためには、ただ文字を目で追っていくのではなく、筆者の問題意識と議論の展開を絶えず意識しながら読み進めることが必要になる。こうした読み方に慣れないうちは、一段落ごとに内容をまとめ、前後の文脈がどうつながっているか確認する練習をしてみよう。問題演習には、選択肢問題中心で標準レベルの問題集を用いる(ただし、記述問題も内容を整理する練習になるのでやってみる価値はある)。また、センター試験や共通テストの過去問も利用できる。選択肢問題で解答をひとつに絞るのが難しい場合でも、何となく選ぶことはせず、必ず根拠を見つけてから答えるようにしよう。答え合わせをする際に、正解を確認するだけでなく、不正解の選択肢に関しても根拠を確かめる。こうした作業を繰り返すことで確実に読解力が向上する。
