成城大学大学からのお知らせ 入試対策情報
地理
2024年度入試の問題分析
2024年度A方式の分量は、大問4題・小問56問で、例年どおりであった。内容は〔I〕日本の国土と地体構造・観光、〔II〕民族問題、〔III〕住と自然環境、〔IV〕工業化と経済成長・先進国の人口問題であった。例年、地誌が1題出題されるが、2024年度は網羅的な地誌ではなく〔II〕で西・中央アジアを取り上げ、民族問題を中心にした問いであった。また例年1題みられた地図や地形図が2024年度はなく、〔II〕で解答用紙の地図中に図示する小問が出題された。出題形式はリード文中の空欄や下線部に関連する語句の記述・記号選択が主であり、2問程度、短文で説明する論述問題がある。難易度は標準レベルであり、記述する語句は教科書の基本用語が中心である。
2025年度入試対策・学習アドバイス
基本用語を覚えよう
2024年度の系統地理の大問は〔I〕「沖縄県に関する…」、〔IV〕「労働環境と女性の社会進出に関する…」という書き出しで、一見すると教科書のどの分野なのか戸惑うかもしれないが、小問の内容は教科書で学ぶ知識が中心である。用語の定義を文で説明することを求める論述問題は少ないので、基本用語はまずはリード文や小問の内容から連想できる程度の理解力があればよい。また2024年度は1題のなかで複数の系統地理分野を扱う大問がみられたので、「今、解いている小問はどの分野に関連するのか」を素早く判断できる力も必要である。このため基本用語は「どの単元の、どの項目で出てくるものなのか」「その語句に関連するほかの語句は何か」といった、教科書の構成が把握できるように、流れで身につけたい。従来の過去問の系統地理分野のリード文は教科書的な流れで書かれており、リード文を読むこともよい学習になる。さらに2024年度〔I〕で持続可能な観光形態(グリーンツーリズム)、〔IV〕で仕事と生活の調和(ワークライフバランス)、2023年度〔II〕で防災の用語などが出題されている。グローバル化(交通・観光)や防災など、教科書で近年の話題として取り上げている事項にも注目しよう。
統計・地名
統計の出題は選択肢があることが多い。2024年度〔IV〕では1人あたりGNI・週平均労働時間が問われたが、リード文中に解答の着眼点が示され、選択肢も本来6択になるところが4択など、出題が工夫されている。これは統計の暗記よりも、国や地域の経済格差など基本的な特徴を元にした思考力を問うている。また国名や地形は〔III〕でリード文中の空欄にあてはまる選択肢で問われているが、各空欄は実質3択であり、地域の代表的な国や地形の位置が地図上で把握できていれば解答できた。統計は上位国の特徴(人口・自然、上位国の地域的偏りやシェアの大きさなど)を捉える学習が大切である。地名は地図帳の一般図のみならず、何に関する地名なのか、主題図と合わせて学習しよう。
論述問題
例年、2・3問の論述問題が出題される。内容は事象の背景・理由を問うものが多い。このため普段から教科書などを読む際に、理由に該当する部分に注意することが大切であるが、成城大学では短文や語句で簡潔に書くことが求められるので、教科書などの内容を丸暗記するのではなく、結論や要点を簡潔に押さえるようにしたい。