<入試科目の掲載について>
入試科目情報は、全学部・方式の入試科目が公表された大学より順次掲載しています。

私立

とうきょうこうか

東京工科大学

東京工科大学大学からのお知らせ ゼミ研究室紹介

掲載している内容は、2022年1月時点のものです

応用生物学部
バイオプロセス工学研究室(応用微生物学、生物化学工学)

バイオプロセス工学研究室の1枚!

たくさんの試験官が並んでいますね。

試験官の中に入っているのは、研究室で所蔵している微生物の一部です。

先生はどのような研究をされているのでしょうか?

例えば、ある微生物の力を利用して、環境に負荷を与えるある成分を、分解除去する研究などを行っています。その成分とは……

微生物が持つ機能を引き出して活用し
環境浄化や有用物質の生成を行い社会に役立てる

研究テーマ

微生物が持つ“壊す”と“つくる”力を生かす

微生物が持つ機能や力を利用して、社会の役に立つ利用法を研究テーマにしているのが、バイオプロセス工学研究室だ。研究室を率いる松井徹先生は、「微生物は“壊す”と“つくる”の両方の力を持っています。発酵に代表されるように微生物の力を使ってモノをつくり出すこともできれば、微生物が分解することで環境のなかの汚染物質を除去することもできます。微生物の“壊す”力を活用して環境を浄化し、微生物の“つくる”力を活用して環境に優しいものをつくっていく。そういった微生物を活用するバイオプロセス全般を対象にして、将来の産業化を見据えて研究を進めています」と研究の趣旨を説明する。

研究室の強みは、松井先生が長年の研究活動で収集してきた微生物コレクションだ。なかにはオリジナルの貴重なサンプルもあり、新たな微生物の活用法を確立する研究に役立てている。「微生物の能力を生かすことが、自分の役割だと考えています」。一方で、フィールドから有効活用できそうな新たな微生物を探す「スクリーニング」も行う。近年は東京・八王子市近郊のフィールドで微生物ハントをする一方で、北アフリカ・チュニジアの砂漠やソルトレイクなどの土壌サンプルから、微生物を探し出す研究も手がけてきた。

研究の応用

微生物の力を活用して原油から硫黄を除去する

様々な微生物を活用する研究を進めているが、なかでも長年手がけてきたのが、硫黄成分を分解する(だつ)(りゅう)を使った研究だ。原油には硫黄成分が含まれ、ガソリンなどを精製する際には硫黄を取り除く脱硫が必須だが、松井先生はかつて微生物の力を用いたバイオ的手法で脱硫する研究を行ってきた。現在はそのノウハウを生かして、工業廃棄物や医薬品・日用品廃棄物に含まれる硫黄成分を、バイオ的手法で除去し環境負荷を低減する研究を進めている。

また、大学の地元・八王子市では、早くからバイオディーゼル燃料の採用に力を入れてきた。「バイオディーゼルは製造段階でグリセロールという廃棄物が出るのですが、これをなんとかできないかと研究を始めました。うちが持っている微生物コレクションをいろいろ試したところ、バイオ農薬として使える抗菌物質や、植物の生長促進に役立つ物質をグリセロールから造り出すことができました」。まさに廃棄物をバイオの力で再利用する取り組みだ。「特に近年は、生分解性プラスチックなどサステイナブルな取り組みに注目しています」と松井先生は未来を見据えて語ってくれた。

学びの特徴

失敗をそのまま終わらせない

研究は、微生物を培養しその機能を調べる実験が主体となる。研究室には、最大の財産ともいえる微生物コレクションを冷凍保存する専用の冷凍庫を始め、微生物の培養装置や様々な分析装置が設置され、学生は実験主体の研究活動を行う。「生物を対象とする実験では、うまく行かなくて失敗に終わることも多いです。しかし失敗をそのまま終わらせるのではなく、どこが悪くてなぜ失敗したのかを考えて検証し、次につなげることを大切にしています」と松井先生は言う。

また松井先生は地域社会との連携に関心が強く、前記した八王子市が手がけるバイオディーゼル燃料の取り組みに関与するほか、地元にいる微生物のスクリーニングも行っている。「八王子の近郊には様々な環境があります。ゆくゆくは八王子の微生物ライブラリーをつくりたいと考えています」と展望してくれた。

学生の声


健康につながる糖吸収阻害物質の発酵生産に取り組む

応用生物学部
応用生物学科
4年 S.I.さん

*学年・インタビューは取材時のもの

高校生のときに興味を持った生物学を詳しく学びたいと考え、研究設備などの環境が整っている東京工科大学に進学しました。入学して特に、機能性食品学、食品微生物学、食品製造学などといった食に対して生物学的側面から学ぶ講義は、より食に対して興味を深めることができました。現在は、“バイオマス原料からの有用物質の発酵生産”というテーマで、研究に取り組んでいます。近年、糖の過剰摂取による肥満や生活習慣病が問題となっており、その解決策として炭水化物からの糖吸収阻害物質が開発されています。そこでバイオマス原料からの微生物を利用した発酵による糖吸収阻害物質の生産をめざしており、機能性食品や医薬品などへの利用が想定されます。ここで食品に関する学問を多く学んだ経緯から、将来食を通じて多くの人々に喜びを届けられる仕事がしたいと考えました。そして、その夢が叶えられる企業から内定をいただくことができました。

微生物を扱う実験が中心の研究活動

冷凍庫に冷凍保存される微生物コレクションは、この研究室が持つ貴重な財産そのもの。

微生物を高密度培養するための専用の装置も設置されている。

指導教員 松井 徹 教授

筑波大学大学院博士課程生物工学学際カリキュラム修了、ジャパンエナジー(現ENEOS)医薬・バイオ研究所主任研究員、経産省バイオ脱硫プロジェクトなどを経て琉球大学准教授。2013年より、東京工科大学応用生物学部教授。

このページに関するお問い合わせ

大学・部署名 東京工科大学 広報課
Tel 0120-444-903
E-mail pr@stf.teu.ac.jp

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