東京工科大学大学からのお知らせ 入試対策情報
数学III・B
2024年度入試の問題分析
A日程の問題を分析する。数学Iから「データの分析(平均値、分散、中央値)」、数学Aから「確率(さいころ、カード、条件付き確率)」、数学IIから「三角関数(基本性質)」「図形と方程式(格子点の個数(数列との融合問題))」、数学Bから「ベクトル(内分点、内積、三角形の面積、四面体、垂直条件、軌跡)」「数列(漸化式、等比数列、和、和と一般項の関係)」、数学IIIから「平面上の曲線(楕円)」「複素数平面(円、最大・最小、絶対値)」「微分・積分(媒介変数表示された曲線、接線、法線、面積、回転体の体積、速さ、加速度)」などが出題された。いずれの日程も大問3題で、第1問が3問の小問集合であった。難易度は、入試問題としてはやや易~標準レベルの問題(特に、小問集合は基本問題)であり、解答形式は全問マークシート方式である。なお、試験時間は他教科と合わせて3教科で150分となっている。
2025年度入試対策・学習アドバイス
まず、基礎力をつけよう
A日程のすべての入試において、出題範囲の教科書をしっかり学習して、公式や基本事項を身につけておくことが大切である。練習問題や章末問題を一通り解いたうえで、基本事項で漏れているところはないか確認しよう。漏れているところについては繰り返し演習して必ず固めておこう。そのうえで、基礎力が固まったら標準レベルの問題集で演習し基本事項の理解の定着を図るとともに、分野間のつながりを考えることをしてほしい。
微分・積分は頻出
いわゆる難問と呼ぶべき問題は出題されず、基本~標準レベルの問題が出題の中心であり、頻出分野は確率、微分・積分、複素数平面である。これらの分野についてはしっかり演習して対応できるようにしておこう。ただし、確率ではやや難度の高い問題も出題されるので注意しよう。
融合問題が多い
複数分野の融合問題や場合分けが繁雑になる問題が多いのが特徴である。さらに、式の値を求めるのに整式の除法を利用して次数を下げてから計算しないと計算が煩雑になるというような問題も出題される。したがって、基本事項をしっかりとマスターしたうえで、総合的な問題集で分野間の相互関係を捉えておこう。また、問題量・計算量が試験時間に対して多いので、普段から工夫して計算する練習をすることも大切である。そのうえで、直前期には、過去問の演習を時間を計りながら行い本番でのペース配分をつかんでおくとよいだろう。
思考力も必要
融合問題は、思考力を必要とするが、それ以外にも思考力を必要とする問題が多いので、単純な解法の暗記に頼る勉強法では太刀打ちできない。柔軟な思考力と与えられた条件を処理する能力を大学側は求めていると思われる。日頃から“何が何によって決まるのか”ということを考えて論理的な思考力を鍛えておこう。また、誘導形式となっている問題も多い。誘導に乗るためには題意を正しく把握することが不可欠である。問題文をきちんと読み正しく理解する練習をしておきたい。また、全問マークシート方式の解答形式なので、計算ミスは致命的となる。たかが、計算ミスとは思わないで、日頃から最後まで正しく計算する癖をつけておこう。