<入試科目の掲載について>
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公立

とうきょうとりつ

東京都立大学

東京都立大学大学からのお知らせ ゼミ研究室紹介

掲載している内容は、2020年6月時点のものです

人文社会学部 人文学科 英語圏文化論教室
吉田研究室(英文学)

なぜシェイクスピアは文豪になったのか
作品以上に重要なものとは何だろうか?

研究のテーマ

作家や作品を成立させる批評やメディアについて研究

コロナ禍でオンライン講義を試行錯誤中です

「英語圏文化論という名前になっていますが、もともとはいわゆる英文科。英語圏の文化や文学、その周辺のいろいろな文化的事象を学んでいこうというところです」と話す吉田朋正先生の専門は、英語圏の批評史。なぜ批評かというと、「批評があって初めて作家や作品が存在する、とも言える」ため。例えば、シェイクスピアは生前は劇場つきの作家にすぎなかったが、死後200年ぐらい経って評価が高まり、文豪と評されるようになる。「それが“批評によって作家や作品がつくられる”ということ。僕は作品の研究もしますが、批評によって作家や作品が成立していく過程の研究もしています」。

それと、もうひとつは「文学を成立させているハードウェアにあたる、メディア論の研究」だ。「文学を表わすliterature はもともと〈文字で書かれたもの〉という意味。最初は口承で伝えられていたものが、一種の録音装置である文字で書かれ、印刷されるようになり……と、メディア革命ですよね。それが文学にどのような影響を与えてきたのかに関心があり、そういったメディア研究の第一人者、カナダの英文学者で文明批評家のマーシャル・マクルーハンの研究もしています」。

研究室の学び

英語で文献を読み、考える
東京都立大学ならではの少人数授業

研究室は2年次から参加できるが、3・4年生が中心。先生の研究室ではゼミという形はとっておらず、「特講」という小さなクラスでの授業スタイル。様々な文献を英語で読み、自分の頭で理解し、レポートにする、という活動が中心だ。「最近ではマクルーハンの“The Gutenberg Galaxy”とか、小説ならアメリカの文豪フォークナーの“The Sound and the Fury”や“Absalom,Absalom!”、T.S. エリオットの詩や批評などを読んでいます。学生の興味が広がるように、さわりだけですが、いろいろなものを読むようにしています」と先生。

4年生には卒論指導も行うが、同大学はとにかく小規模。英語圏文化論教室は1学年の学生が10数人なのに対して専任の教員が6人、つまり教員1人あたりの学生数が約2人となっており、卒論でもその他の勉強でも、親密で丁寧な指導が受けられるのは大きな魅力だろう。

そして吉田研究室の卒業生は銀行や出版社、旅行代理店など毎年、幅広い業界に就職し都庁や区役所などの公務員も多いという。吉田先生が学生に伝えたいのは「受験を終えた後も、常に外国語を学ぶ姿勢を持ってほしい」ということ。「もちろん英語でなくてもいいのですが、外国語を学ぶのは母語と違った枠組みでものを見ることでもあり、自分を客観視することにもつながりますから」

PickUp 留学制度

経済的な支援もあり、留学のチャンスは多い

東京都立大学は世界25ヵ国に60大学以上の協定校を持ち、語学力の強化などを目的とした3~4週間の海外短期研修(夏期・春期)、半年から1 年間の交換留学(留学先の授業料免除)や海外派遣プログラムといった留学制度を備えている。これらの制度を利用すれば、大学の経済支援が受けられることもあり、また中長期の留学をする場合でも、留学先の単位認定などにより4年間で卒業することができる。「協定校は英語圏だけでも、イギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリアがあり、留学のチャンスも少なくありません。英語圏文化論教室からも毎年、学年10数人中2人ぐらいは留学していますね」と吉田先生は話している。

研究室の環境

人文棟にある英語圏文化論教室の書庫。さまざまな原書が格納されています。

事務室には最新の英字紙や雑誌が。もちろん過去号も書庫で閲覧できます。

最近出版された吉田先生の自著と、現在マクルーハン論を分載中の雑誌『思想』。

指導教員 吉田 朋正 教授

慶應義塾大学文学部フランス文学専攻卒、早稲田大学大学院修士課程修了、東京都立大学大学院後期博士課程単位取得満期退学。東京医科歯科大学助教授・准教授などを経て、2011年4月より現職。雑誌へも多く寄稿している。

このページに関するお問い合わせ

大学・部署名 東京都立大学 アドミッション・センター(入試課)
Tel 042-677-1111
E-mail admission-tmu@jmj.tmu.ac.jp

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