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同志社大学

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ゼミ研究室紹介

掲載している内容は、2022年1月時点のものです

文化情報学部 文化情報学科
日本文学研究室

日本文学研究室の1枚!

百人一首の札ですか?可愛いタッチで、イラストのようですね。

同志社大学文化情報学部文献室に所蔵されている『百人一首かるた』です。歌の意味をイラストにした「()()()」が描かれています。

描かれているのは紅葉と鹿。この組み合わせはよく見ます。

ゼミでは、「梅に鶯」「紅葉に鹿」などの“美の型”、古来、日本人が美しいと感じてきた風物や事象が、どのような言葉で表現されているかを文字列解析ツールで見つけ出して考察しています。

本編に続く

古典文学をプログラムで解析し、
作者も気づかなかった意図や傾向をあぶり出す

研究の内容

和歌を31文字の文字列の連鎖と捉え
解析するツールを開発


文字列解析ツールe-CSAは、テキストデータを単なる文字の
連鎖として扱い、その出現頻度を提示する汎用性の高い
ソフトウェア

“梅に鶯”、“紅葉に鹿”に限らず、三十(みそ)(ひと)()()で表現する和歌の世界は“美の型”に満ちている。「枕詞や縁語、本歌取りなど、日本人はその決まりごとに沿ってつくった“美の型”を真似し真似されながら伝統を受け継いできました」と福田智子先生は話す。そのため、和歌研究では同じ語句や用法を網羅的に集めて考察する手法が取られている。

かつて、語句や用法は手作業で収集し、研究が進められてきたが、データベース『新編国歌大観』に収められている約45万首のなかには、まだ意味がわからない歌もある。「歌や語句の意味がわからなければ、名詞や動詞などに品詞分解して研究することができません。だったらどうするかということで開き直りました」。歌の意味を捨て、ありとあらゆる文字列に分割し、その出現頻度を提示する文字列解析ツールe-CSA“efficient character string analyzer,イークサ”を、高校時代の同級生でもある竹田正幸先生(九州大学大学院システム情報科学研究院教授)と共同開発した。

研究のねらい

キーワードレスでも用例収集可能
単なる“文字列”が意味のある“ことば”に変わる瞬間とは

e-CSAは、電子化されたテキストを解析するツール。和歌を構成する31文字を単なる文字列と捉え、ありとあらゆる部分文字列に分解、同じ文字列がどこに何回出てくるかが出力される。例えば、Aグループには出てこない文字列が Bグループには出てくるといった偏りも見えてくる。

ポイントはキーワードがなくても用例が収集できること。例えば平安時代には見られないが鎌倉時代には使われている文字列が抽出できたりする。文字列から類似性を見つけてその意味を思いつけば、本歌取りだって発見できる。そこから先は文学部の研究手法と同じ。「単なる“文字列”が意味のある“ことば”に変わる瞬間を、ゼミ生には味わってほしいと思っています」

テキストデータさえあれば、和歌だけではなく、『源氏物語』のような散文、さらには、小説や漫画、J-POPの歌詞を研究対象にすることもできる。作者自身も気づかなかった法則性や裏キーワードを発見する事も可能だ。そのようなツールを開発した根底には、古典や文法に強い興味を持っているわけではない学生にも、今までとは異なるデータサイエンス的なアプローチがあることを知ってもらいたいとの思いがある。「意味を知る、辞書を引くといった作業を封印することで気を楽に。研究対象として見るうちに、古典文学作品を理解したいという心が養えれば良いですね」

身につく力

教養と論理的思考力
双方を身につけて社会に出る

大量のデータから法則性を見つけることはデータサイエンスの醍醐味。「曖昧模糊とした大量のデータから有用な知見を得るのには理解力や分析力が要求されます」

古典や近代文学、歌詞などを分析するなかで、理解できたことと理解できなかったことを区別し、理解できたことをわかりやすく他者に伝えるプレゼン能力も培える。データを論理的に並べ、整理して卒業論文にまとめるまでの指導も徹底的に行われる。

国際派をめざす上でも、古典文学の教養は必須。「伝統を重視するヨーロッパでは、『源氏物語』や『百人一首』、松尾芭蕉に関心を持っている人も少なくありません」。日本人としての教養とともに、古典の基本的な知識と論理的思考力、文・理双方の力が身につけられる。

学生の声


千年前の感性を学び、自分自身の感性も磨いていきたい

文化情報学部 文化情報学科
4年 S.Kさん

*学年・インタビューは取材時のもの

高校での得意科目は古文だったのですが、その遠因になったのは、百人一首を暗記しようという小学校6年の夏休みに出された宿題です。頭のなかに5-7-5-7-7のリズムが残っていたこと。裏と表の意味がある和歌の魅力や表現方法、作者自身の情報などに触れるうち、どんどん興味が湧き、テストの点数も上がるという好循環が発生。その得意分野とデータサイエンスがどのように絡められるかを知りたくて、大学では福田先生のゼミに入りました。

卒業研究は、隠遁の歌人とも呼ばれる、謎の多い西行を主題にしました。『新古今和歌集』に収録されている歌をe-CSAで解析。西行に憧れつつ、後に高僧となる慈円の歌と比較することで、語句の使い方の違いなど、興味深いポイントを見つけることができました。

古典の魅力は、千年前の感性や考え方が学べる点だと思います。悲しみを覚える瞬間、季節を感じる瞬間といった感性にも触れられますし、自分の感性を磨くことにもつながります。また、古典文学への興味を深める学びのなかで、先生や同級生に積極的に話しかけることの大切さも学ぶことができたと思います。

研究室のプロジェクト

ゼミで用いられるのは、古典和歌の集大成であるデータベース『新編国歌大観』。のべ45万首の電子テキストがweb上で検索できる和歌研究の基本ツール。この検索結果を、さらに計算機プログラムで分析していく。

指導教員 福田 智子 教授

福岡女子大学文学部国文学科卒、九州大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。国文学研究の楽しさが忘れられず、OLを辞めて研究の道へ。博士(文学)。2017年より現職。専門は平安文学・和歌文学。趣味はアニメ鑑賞、ゆるキャラを愛でること。70~80年代のブリティッシュハードロックは心の支え。

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このページに関するお問い合わせ

大学・部署名 同志社大学 入学センター入学課
Tel 075-251-3210
E-mail ji-nyugk@mail.doshisha.ac.jp

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