
掲載している内容は、2023年5月時点のものです
政策学部
大島ゼミ(分野:日本国憲法)
大島ゼミの1枚!

ある社会問題について憲法や法律の面から見て議論しています。大学院生とも一緒に議論するんですよ。

法学を知識として一から学ぶのではなく、社会で現実に起こっている問題を、法律の視点から考え、議論するのが私のゼミです。
本編に続く
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感情論ではなく論理的に相手を説得できる話の組み立て方や議論の仕方を身につける
学部の特徴
社会で起こっている問題を、多様な視点から考える
法律を暗記するのではなく、目の前の問題に法律をどう適用
できるかを考えるのが、政策学部のアプローチ法
同志社大学 政策学部は、法学部や経済学部など学問の体系に沿って学ぶ学部とは違い、社会で実際に起こっている問題を、政治・行政、法律、経済学、組織論など多様な視点から見て、考えることを学ぶ学部だ。象徴的なのが様々な社会問題を取り扱う「政策トピックス」という科目。そのなかには、例えば「働き方改革」について、法学、ジェンダー学、経済学などそれぞれの専門領域を持つ教員がリレー形式で講義を行うものもある。
こうして1、2年次で幅広い分野を学び、2年次の秋学期から自分の関心や問題意識に合ったゼミに所属する。大島佳代子先生は話す。「既存の学問領域に当てはまらない専門分野を持つ先生もいます。今、何に興味があるかわからない人も、幅広く学ぶうちにやりたいことが見つかる学部だと思います」
ゼミのPOINT
めざすのは「正解」ではなく、相手を説得すること
大島先生の専門分野は日本国憲法。「学校における子どもの人権」をテーマに研究している。ゼミでは、学生自身が決めたひとつの社会問題について、約半年をかけて法律の視点から考え、議論する。校則について考える年もあれば、国葬の是非といった時事的なトピックを取り上げることもある。
議論にあたって大切なのは「どんな問題でも『正解』はないということです」と大島先生は話す。「この件は憲法違反と考えるのが正解ですよね?と聞かれても、私は答えられません。どちらでもいいんです。ただし違憲だと思う人も合憲だと思う人も、その理由をきちんと述べて相手を説得する必要があります」。そのためには、問題への深い理解(知識の習得)や判例を読み解くことなど、論理的な説明のための準備が必要なのは言うまでもない。
高校までの「正解」に早くたどり着くための学びとは異なる大島ゼミでの学び。それは将来が見通せない今の時代に有効だと大島先生は言う。「わからないこと、答えがでないことを楽しんでほしいですね」
身につく力
社会に出て人と関わる時に誰もが必要な「リーガルマインド」
ゼミを通して、学生は、主観や感情を排した法的な考え方や議論の仕方、いわゆる「リーガルマインド」を身につけていく。これは社会に出て人と関わる時にも大切な力だと大島先生。「論理的に相手を説得しようとすること、その時に、自分の意見だけを一方的に話すのではなく、相手の話も聞き、違いをきちんと理解したうえで、それに対応した議論ができることは、どんな組織でも必要な力ではないでしょうか」
気の合う友人同士なら「そうだよね」で済むことも、広い世の中には違う考え方の人がいて当然。集団のなかでは、自分の考えを言語化して論理的に説明し、人の説明も聞いて「今回は誰の考えに納得できたか?」で物事を決めることが必要だ。「それが合意形成です。誰が正しいのかを決めるものではありません」
3年次では、経済学部との合同ゼミを通して、同じテーマを経済学の視点から見るとどう捉えられるかについても学ぶ。大島先生は言う。「ものの見方や意見の違う人の話を最後までしっかり聞くのは、相手を大切にすることにつながります。ゼミでの学びを通して、それができる人になってほしいと思います」
学生の声

大学院生との議論は頭を使うので疲れますが、達成感もあります
政策学部 政策学科
3年 I.H.さん
*学年・インタビュー内容は取材時のもの
1年次に受けた大島先生の授業で憲法に興味を持ったのと、少人数で濃い議論ができると思ったことからこのゼミを選びました。
条文や判例など、法律の文章は非常に論理的に書かれています。それを読み解き、自分の解釈に落とし込んでいくのは、パズルを解くようなおもしろさがあります。今は政教分離原則について考えているところ。今まで「お寺は宗教施設だから税金から支出するのはダメ」と、当たり前のように思っていたものを「そもそもお寺は宗教施設なのか?」「支出とは何か?」「こんな解釈もできるのでは?」など、一つひとつの言葉の定義を細かく検討し、自分なりの考え方の理屈を立てていくことがとても楽しいです。ニュースの見方も変わりました。
ゼミでは大学院生と一緒に議論をしています。知識量も経験値もまったく違う先輩との議論はすごく頭を使うので、とても疲れますが、毎回達成感もあります。
ゼミが始まって、大学での楽しみが一つ増えたと感じています。今後さらに自分の意見を論理的に伝えられるようにしたいと考えています。
ゼミの様子
憲法の政教分離原則について考えるため、身近な宗教都市、天理市を訪問。
人数が少なく、希望に応じてやりたいことができるゼミだ。
指導教員
大島 佳代子 教授
新潟県出身。新潟大学教育学部卒業、新潟大学大学院法学研究科(修士課程)、北海道大学大学院法学研究科(博士課程)修了。北海道大学法学部助手、北海道情報大学経営情報学部専任講師、帝塚山大学法政策学部助教授を経て現職。趣味はテニスと遺跡・神社仏閣めぐり。
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