<入試科目の掲載について>
入試科目情報は、全学部・方式の入試科目が公表された大学より順次掲載しています。

私立

どうししゃ

同志社大学

同志社大学大学からのお知らせ ゼミ研究室紹介

掲載している内容は、2024年7月時点のものです

文学部
越前ゼミ(20世紀美術史)

越前ゼミの1枚!

何をしているところですか?

ゼミ生が自分の研究の成果を発表しているところです。

具体的にはどんなことをするのですか?

自分が興味を持った作品について説明し、解釈を試みます。20世紀以降の美術を主な対象としていますが、なかには18世紀や17世紀の作品を対象にする学生もいます。

幅広い芸術分野についての知見を得て、自分の言葉で表現する

先生の専門

美術品の良し悪しは
どうやって決まるのか

ゼミの授業は、国の重要文化財に指定されている重厚なレンガ造の建物内にある教室で行われる

美学芸術学科の学びの目標は、幅広い芸術ジャンルにおける先人の知恵を探究し、論理的に考える力と豊かで繊細な感性を伸ばしつつ、他者を納得させる表現力を身につけること。日本各地の美術館で学芸員として20年近くを過ごした経験を持つ越前俊也先生は「美術と公共性」を研究テーマに掲げている。

「なぜAの絵画が良くてBの絵画が悪いのか。またはなぜ作品の評価は地域や時代によって変わるのか、という素朴な疑問を多くの人が持たれていると思います。そのような良し悪しや評価の変化を判断するうえで、美術館や展覧会が果たす役割、つまり共通理解や評価がどのように形成されていくのか、という研究を続けています」と先生は話す。

ゼミでの学び

興味の対象は十人十色
サブカルチャーを探究する学生も

3年次から始まるゼミで学生が選ぶ研究対象の多くは、20世紀以降の美術だ。アメリカの現代彫刻家ドナルド・ジャッド、抽象表現主義を代表するジャクソン・ポロック、前衛芸術家・作家として知られる赤瀬川原平、抽象画の創始者といわれるピート・モンドリアンといった具合に幅広い。近年はアニメやゲームなどのサブカルチャーを対象にする学生も少なくない。一方で、20世紀より前の美術を研究テーマにする学生もいる。「それがこの学科の特徴のひとつです」。学生の取り組みたいテーマに教員が寄り添い、研究をサポートしていく。

現代の作品は、自由に解釈できるおもしろさがある一方、研究の積み重ねが少なく、解釈や批評が固まっていないことも多い。書籍や資料を読み込むのはもちろん、関連する展覧会や美術館などに足を運ぶことも重要だ。

4年次のゼミでは調べた内容を発表。先生とゼミ生からの質問に答えるなかで研究の精度を上げ、卒業論文としてまとめていく。

身につく力

既存の価値観や評価に再検討を加える力
問いを見つける力

越前先生は、卒業論文のテーマについてまずやりたいことを「5W1H」に沿って考えるよう、学生に指導している。

「一つずつ掘り下げて考えると、わかっていない部分が明らかになってくるもの。たとえばお父さんについて語ってくださいと言われても、意外に知らないことが多くて語れないようなものです。よく知っているつもりでも知らないことは多いのです」

必要なのは、研究対象をしっかり把握すること。どういう背景を持つ人が、どんな思いで、誰に向けて、何を作ったのかをしっかり調べることで、論じるべき課題や問題点が見つかる。

「特に、20世紀以降の美術は先行研究が少ない。だからこそ興味がある対象を語る上で、常識とされていることや定説といわれていることに対して疑問を持ち続けてほしい。自ら問いを立てることができる力を身につけてほしいと思っています」

学生の声


語学力と美術を愛する気持ちを生かし、アートで町おこしをしたい

文学部 美学芸術学科
4年 T.R.さん

*学年・インタビュー内容は取材時のもの

私は中国の四川省出身。幼少期から興味があった文学と美術の勉強をするために留学を決めました。同志社大学を選んだのは、幅広い勉強ができる美学芸術学科の存在をオープンキャンパスで知ったから。伝統と現代アートが融合している京都の街にも惹かれました。

海外からの留学生が多いのもこの大学の特徴。留学プログラムも多彩です。私は交換留学制度を利用して、イギリス北部にあるリーズ大学で約1年間、西洋の視点から見たアジアについて学びました。

卒業論文の対象は、シンガポール生まれでベルリン在住のアーティスト、ミン・ウォンです。留学先のイギリスで作品を見て忘れられなくなりました。また、私は中国語と日本語、英語を話すので、シンガポール式の英語やマレー語などの多言語を映像作品のなかで使い分ける彼の手法にも興味を持ちました。私が卒業論文で取り上げるミン・ウォンの作品においては、言語面からの詳細な分析があまり行われていないので、それもテーマにする予定です。

卒業後は、人口減などに悩む地域を芸術祭などで復興させる取り組みをしているアートギャラリーに就職します。学科の科目やゼミを通して能動的に学んだ経験、幅広いアートに触れた経験を生かしたいと考えています。いつか中国の芸術を紹介するなど、日本と中国の橋渡し役もできるように頑張りたいと思っています。

ゼミの風景

発表を聞いた後、疑問点や感想をゼミ生が順に述べる。質疑応答の合間に、先生がアドバイスや問題点の指摘などを適宜行う。

指導教員 越前 俊也 教授

長野県出身。同志社大学大学院文学研究科博士課程前期修了。長崎オランダ村博物館、北海道立近代美術館、北海道立旭川美術館、広島市現代美術館、金沢21世紀美術館建設事務局で学芸員として勤務。2004年から現職。建築物、庭園などにも興味があり、近年は、モダニズム建築に足を運ぶ機会が増えている。

このページに関するお問い合わせ

大学・部署名 同志社大学 入学センター入学課
Tel 075-251-3210
E-mail ji-nyugk@mail.doshisha.ac.jp

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