日本大学大学からのお知らせ ゼミ研究室紹介
掲載している内容は、2023年8月時点のものです
日本大学 法学部 新聞学科
米倉ゼミ
米倉ゼミの1枚!
映像ジャーナリズムをテーマに報道番組を研究するゼミですか?
ニュースやドキュメンタリーに限らず、テレビを中心として広く映像を通じたジャーナリズムを研究しています。
ニュース以外では、どのような映像媒体・作品が研究対象になりますか?
ドラマはドラマなりに社会の一面を捉え、メッセージを発しており、ゼミではテレビドラマ、ドキュメンタリー、映画、アニメ、広告などを批判的に検証しています。
映像媒体を素材に社会の問題を発見・分析し、発信する力を養う
研究テーマ
ドラマやニュースを批判的に検証し、映像ジャーナリズムの意義を考える
ジャーナリズムとは、平たくいえば、日々の出来事を伝え、批評・論評する活動のこと。そのなかで米倉律先生のゼミが焦点をあてるのはテレビを中心とした映像ジャーナリズムで、対象は、いわゆる報道番組や情報番組だけではない。
例えば、2022年10月期に放送された『エルピス―希望、あるいは災い―』は、テレビ局の内側を極めてリアルかつ批判的に描いたドラマだ。今、テレビの置かれている状況やテレビの現場で働く人たちが抱えている問題が見えてくることから、3年生全員で約4か月かけて様々な角度から分析した。
現在は3つのテーマを設定し、班単位で研究を進めている。テーマのひとつ、2023年6月に国会で可決された入管法改正案は、代表的な報道番組に絞っても局によって報じ方が大きく異なっていた。そこで、内容や構成、放送時間などを比較分析し、何が伝えられ、何が伝えられていないのかを含め、批判的に検証し、読み解いていく。そうすることで、テーマそのものはもちろん、映像ジャーナリズムが世の中に対してどのような役割を果たしているかが理解できるようになる。
「昨今、本当のことを知るならマスコミよりネットの方が良いという見方があります。また受動的なテレビに対して、ネットは能動的に情報を得る手段だと考えられていますが、逆にいえば、自分が関心を持った情報しか入ってきません。その意味では、ゼミは社会に関心を持ち、問題を深く考え、理解する機会にもなります」
ゼミで身につく力
課題発見、分析・検証、発表を通してメディアリテラシーを高める
研究は番組やドラマを分析して終わりではない。「結果をプレゼンテーションし、それに対するフィードバックを得て、足りなかったところや良かったところを総括するまでが研究です」このように話す米倉先生は、研究結果を発表する機会を数多く用意し、メディアリテラシー(読み書き能力)を身につけることにも力を入れている。例えば、4年生は卒業論文と、ドキュメンタリー番組を制作する卒業制作のいずれかを選択できる。番組制作はまさに発信者になることだ。実際に作る側に立つと、取材対象に本音を語ってもらえない現実にぶつかったり、取材過程でテーマの前提が変化したりする。そこで情報をどのように捉え、何をどう発信できるか、情報を読み、書く能力が高められる。
「学生には情報に対する目を養うと同時に、その情報の向こう側にある現実や社会そのものに対する関心や理解、問題意識を養ってもらいたい。そうして身につけた問題を発見し、情報を整理する力に加え、みんなで議論してひとつの形にまとめ上げる表現者、発信者としてのメディアリテラシーは、ジャーナリストの道に限らず、社会で必ず役立つはずです」
学生の声
考えを正しく伝えることや協力してひとつの結果を出す難しさも学べます
法学部 新聞学科
3年 R.H.さん
*学年・インタビュー内容は取材時のもの
テレビが好きで、テレビの現状や問題点を論理的に解説する米倉先生の「映像ジャーナリズム論」の授業がとても興味深かったので、迷わず米倉ゼミナールを選びました。
最初のパイロット研究では、ドラマを素材にテレビは何が課題で、どう乗り越え、どこに希望があるかなどを分析しました。放送関係者を招いて研究結果をプレゼンするのは初めての経験で、どう説明すれば自分たちの考えが一番良く伝わるのか、関心を持ってもらえるのか、動作や言葉選びひとつからとても考えさせられました。
また、グループで協働する難しさも経験しました。いろいろな考えに触れられ、物事を多角的に見られることがグループ活動の利点だと感じました。次に行う共同研究では、自分が提案した障がい者を扱うドラマの分析に取り組む予定です。グループ活動の利点を最大限に生かし、より良い研究にしていきたいです。
ゼミ活動の様子
ニュースの現場に足を運び、自分の目と耳で現場を体感するフィールドワークを行う夏合宿。地元テレビ局等で報道に携わる方からも直に話を伺う。
12月にはテレビやメディア研究を行う他大学のゼミとの合同ゼミを開催。それぞれのゼミが取り組んでいる共同研究の成果を報告し、議論を行う。異なるものの見方に触れることができ、ゼミ生にとっては知的刺激を得られる場となっている。
1994年早稲田大学大学院政治学研究科修了(政治思想史専攻)。20年間NHKに在籍し、ディレクターとしてニュース、情報番組、ドキュメンタリーなどの企画制作を担当。2014年日本大学法学部新聞学科准教授に。2019年から現職。
その他のゼミ研究室紹介
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大学・部署名 | 日本大学 入学課 |
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