日本大学大学からのお知らせ ゼミ研究室紹介
掲載している内容は、2024年9月時点のものです
法学部 法律学科
藤井ゼミ(労働法)
藤井ゼミの1枚!
ゼミでは、どんなテーマでディスカッションしているのでしょう?
自分の経験や家族の話を具体例に挙げながら、労働法の在り方や課題について意見を出し合っています。
皆さん積極的に発言をされていますね。
ほかの人の意見に触れるなかで学べることも多いので、みんな積極的に議論に参加しているんですよ。
働き方が多様化するなかで、より良い労働者保護の在り方を考える
ゼミのテーマ
様々な課題が絡み合う労働問題の現状と法政策の在り方を探究する
藤井直子先生は大学を卒業後、公務員の道を選び、検察事務官をされていた。しかし、当時は今より男女での扱いの違いが大きく、また、出産・子育て後も働き続ける女性はまだ少なく、あらためて働き方について考えてみたいと大学院に戻って労働法を勉強されたという。
「多様性の時代と言われますが、労働問題も外国人労働者や障がい者の問題、労働者のプライバシーの問題など、いろいろな方向に目が向けられるようになってきました。AIの登場で労働力をどうするかという問題も出てきています」と藤井先生。ゼミでは、そうした労働者と働く環境、働き方についての多様な課題を取り上げ、労働者がどう保護され、法律はどうあるべきかを議論していく。
労働問題には様々な側面がある。例えば高年齢者の雇用問題では、家族の介護と仕事をどう両立するかという問題が関わってくる。介護と仕事を両立したい人もいれば、いったん休業して、その後、会社に戻ってスキルを積み重ねていきたい人もいる。
「業務担当の変更や人事異動など、会社側の事情や判断によるものも多く、法律上の解釈の難しさもあるのが労働問題です。人と人の問題、人の心やキャリアについての考え方が関わってくるため、どう課題を解決し、どんな法政策が望ましいかを考えるのはとても難しいといえます。だから簡単に答えが出る問題ではないし、まずは難しさを理解し、法はいろいろな人の利益を調整しながら作られていることを学んでほしいです」と藤井先生は話す。
ゼミで身につく力
労働法を題材に、考える力、発信する力、共感する力を養う
前期は労働問題の多様性や幅の広さを知るため、3人一組でグループ発表を行う。そこで使用するテキストは2017年発行のものであるため、発表にあたっては最新の法改正や統計データを調べる必要があり、それが法制度変遷の背景を考えることにもなる。また、グループ発表の前には毎週、先生が提示した新聞記事をもとにした議論も行う。
発表や進行はすべて学生が担当し、後期に取り上げる内容も学生が選ぶなど、ゼミは学生主体で進められる。実際、ゼミ生からはアルバイト経験や家族の話などを交え、それぞれの視点から自由に意見が出され、活発な議論が展開されている。
ゼミでの議論は何かひとつの答えを出すのが目的ではない。「社会に出ると、きちんと自分の言葉で自分の思いや考えを伝えなければいけなくなります。ゼミはそのための練習の場です。議論に正解はないし、失敗もありません。少人数だからこそ発表する機会が多いのがゼミです。主体的にものを考えられる力と、それを発信できる力、さらに周りの人たちの意見をきちんと聞ける力や共感力を身につけてほしいと思います」
そのため、藤井先生が発言されるのは基本的に学生から出なかった視点を提供することが主で、学生たちが臆せず意見が言える場をつくることに注力されている。
学生の声
グループワークや議論を通して自分になかった多くの気づきが得られます
法学部 法律学科
4年 S.K.さん
*学年・インタビュー内容は取材時のもの
2年次に藤井先生の授業を受けて、労働法が意外に身近な法律であることがわかり、興味を持ちました。3年次はみんなでテキストを輪読するなど、雇用社会や労働に関する問題を幅広く勉強。グループワークやディスカッションのなかで、ゼミの仲間の多様な視点や意見に触れると、気づかされることがたくさんあり、考えも深まります。また、調べたことをグラフ化するなど、いかにわかりやすくレジュメや資料としてまとめるかを考えることは、とても良い勉強になりました。
現在は「最低賃金」をテーマにゼミ論に取り組んでいます。東京と私の出身地の山形では時給の最低賃金に200円以上の差があります。確かに家賃や土地代は全然違うけれど、日常品や食料品などの価格はそれほど大きな差を感じないので、これだけの差が必要なのかと疑問に思い、ゼミ論ではその点を中心に論じていきたいと考えています。
大学は高校と違って決まったクラスがありません。それだけに週1回、同じ仲間と一緒に深く学べるゼミは互いを励まし支え合う人間関係をつくる大切な場にもなっています。
ゼミ活動の様子
3年次前期は全員で裁判傍聴を、後期は希望制で検察庁訪問を実施。検察庁訪問では検察官や事務官から直接話を聞くことができ、キャリアを考える機会にもなっている。
夏休みにはゼミ合宿を実施。昨年は軽井沢の日本大学の施設で2泊3日の日程で行われた。合宿では集中的に勉強するだけでなく、テニスなどスポーツを楽しむレクリエーションを通してゼミ生同士の親睦を深める。
東京都立大学法学部卒業。法務省職員として検察庁に勤務の後、早稲田大学大学院法学研究科博士課程入学。長崎大学ダイバーシティ推進センター、大妻女子大学の教員などを経て、2022年、日本大学専任講師に就任。2024年から現職。
その他のゼミ研究室紹介
このページに関するお問い合わせ
大学・部署名 | 日本大学 入学課 |
---|---|
Tel | 03-5275-8001 |