日本大学大学からのお知らせ ゼミ研究室紹介
掲載している内容は、2026年9月時点のものです
法学部 公共政策学科
林ゼミ(地方自治)
林ゼミの1枚!

学生のみなさんは何を話しあっているのでしょうか。

小規模な自治体が抱える課題と、その対応策についてグループで話し合っているところです。

自治体の課題というと、具体的にはどのようなテーマを扱っているのでしょうか?

例えば、住民の健康づくりやごみ問題、さらには地域におけるSDGsの推進など様々な課題がテーマとなっています。
日本の将来を映し出す小規模自治体に焦点を当て、課題解決に取り組む
ゼミのテーマ
人口10万人未満の地方自治体が抱える問題を分析し、政策提言する
日本には、東京都のように人口約1,400万人、予算規模はスイスやスウェーデンに匹敵する大型自治体もあれば、人口1,000人以下で存続が危ぶまれる町村もある。いろいろな規模の自治体があるなかで、林紀行先生のゼミナールが対象とするのは人口10万人未満の小規模自治体だ。
「学生からは、これだと対象の自治体が限られるのではないかと思われがちですが、日本の自治体はほとんどが人口10万人未満で、その数は1,400を超えます。しかも、市町村合併で自治体の面積は大きくなっているのに人口は減っています」このように話す林先生が小規模自治体に関心を持ったのは、岡山市に住んでいたときだ。少子高齢化が進む地方の市町村を目の当たりにし、人の多い東京都とは違う景色を見たことがきっかけだった。「日本は世界でも有数の少子高齢化社会です。東京もまもなく人口が減り始めると見込まれているので、小規模自治体で起きていることは、日本の20年先を考えるヒントにもなります」
例えば稲城市は都心から程よい距離にあるベッドタウンであり、自然豊かな里山が残り、住みやすい環境を町づくりに生かしている。また埼玉県の横瀬町は積極的に官民連携を進めている。奥多摩町では観光客に地域全体を知ってもらう「沿線まるごとホテル」という観光施策を行っている。こうした小規模自治体の地方自治を研究することでいろいろな課題が浮き彫りになる。同時に自治体が地域を存続・発展させるヒントも得られることから、ゼミでは自治体が直面する課題や可能性を探究し、政策の提言を行っている。
ゼミで身につく力
自主性を重んじるゼミで自ら考える力が身につき、めざす公務員像も醸成される
ゼミでは一人ひとりが対象とする小規模自治体を選び、どの課題に焦点を当てるかを決めて政策提言を行うことを最終目標としている。そこに向けて各自が資料の収集・分析やヒアリングを行って自治体について調べるのと並行して、テキストの輪読やグループワークを行う。
「このゼミは学生の自主性を重視したスタイルで進めています。卒業論文もグループワークも学生自らが調べてまとめるようにしており、発表時には学生が司会をして、議論を進めていきます」
秋に行われるさいたま市の学生政策提案フォーラムに向けたグループワークでは、仮説を立て、実際にヒアリングを行うなどして調査を行い、提言をまとめる。その政策提言ではデータや根拠が重視される。例えば観光客を増やしたいと考えたら、曜日や時間帯による観光客の数や男女比、どこから来ているのかをきちんと調べる必要がある。それによって初めて有効な政策をうつことができる。
「このゼミの学生は大半が地方公務員をめざしていて、実際、その道に進んでいます。最近は各自治体とも新人職員を教育する余力がなく、即戦力を求めています。その点、現状を分析し政策を提言する一連の過程を経験することで、人を助けるにはどうしたらいいかをきちんと自分で考えられる力が身につきます。これは民間企業に就職した場合でも生きてくる力です。さらに公務員といっても、その仕事はいろいろあります。ゼミでの具体的な学びのなかで、自分の問題意識が明らかになってくることで、それぞれの公務員観が醸成されます」と林先生。「公務員になりたい人には、ぜひこのゼミで学んでほしいと思います」
学生の声

自治体のデータや施策を詳細に調べ、施策を提言する力が鍛えられる
法学部 公共政策学科
3年 R.S.さん
*学年・インタビュー内容は取材時のもの
地域との関わりが強い自治体で生まれ育ち、子どもから高齢者までのつながりの大切さを感じたことで、将来は地方公務員として地域に貢献したいと思い、公共政策学科を志望。公共政策のなかでも、住民の顔がわかり、一人ひとりを大事にした政策に興味があるので、小規模自治体をテーマとする林ゼミを選びました。
現在は卒業論文で取り組む自治体の選定を始めたところです。私は、交流人口を増やし地域経済を活性化する観光政策と同時に、住民の満足度も高める政策とは何かを研究していきたいと思っています。実際に施策を調べてみると、知らなかったことや新たな魅力の発見がたくさんあります。また、なんとなく感じていたことや印象がデータで裏付けられることもあれば、そうでない場合もあり、根拠のある施策を考える大切さを感じます。
先生はそれぞれの発表に対して的確にアドバイスをしてくださいます。それがすごくいい勉強になり、地方公務員をめざすうえで将来に役立つ学びの多いゼミだと思います。
学生政策提案フォーラム
「大学コンソーシアム埼玉」加盟大学の学生が、さいたま市の政策を企画検討し、政策を提案するフォーラムが毎年、11月に開催されている。2025年の第14回大会は「誰もが自分らしく暮らせる地域共生社会の実現」がテーマで、10のグループが参加。林ゼミはさいたま市が開催しているスマホ相談会に運動や交流の要素をプラスした提案を行い、最優秀賞を受賞した。
夏合宿
ゼミでは3年次の最初に、長野県小諸市の小泉俊博市長の著書『小さくても、キラリと光るまち・小諸「おしゃれ田舎」のつくりかた』を用いてテキスト輪読を行う。ここで具体例に沿って地方自治に必要な要素の基本を学び、夏合宿では実際に小諸市を訪問。市長や職員の方の話を伺ったり、実際に街を歩くフィールドワークを行ったりし、小諸市の魅力を生かす提言を職員の前で発表する。
早稲田大学大学院政治学研究科博士後期課程退学(単位取得)。IPU・環太平洋大学講師、准教授、教授を経て、2021年4月、日本大学法学部准教授に就任。2022年から同大教授。地方自治論の専門家として地方議会、地方自治、代表制、地方議会改革についてのサポートも行っている。
その他のゼミ研究室紹介
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