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日本大学大学からのお知らせ ゼミ研究室紹介

掲載している内容は、2023年12月時点のものです

生産工学部 環境安全工学科
永村研究室(地域デザイン)

永村研究室の1枚!

あれ、ここが研究室ですか? 木のぬくもりを感じる場所ですね。

この研究室は、学生が千葉県産の杉材を使って空間をデザインしているんですよ。

いいなぁ。落ち着くし、なごみますね。リラックスできそうです。

この居心地の良さは空間の木質化によってもたらされています。研究室のデザインを研究の第一歩として、学生に過ごしやすい環境とはなにかを考えてもらいます。

楽しく、暮らしやすい、持続的な生活環境をつくる

研究のテーマ

公共空間をどのように利活用してもらえるかを研究

「歩きたくなるみちづくり」プロジェクトの現地調査の様子。
360度カメラを用いて、現況環境を記録している

「公共空間の整備やまちづくりをするときに、つくった空間を市民の皆さんにどう利活用してもらえるか。すなわち、どうすれば景観的にも環境的にも、美しく、楽しく、暮らしやすいまちづくりができるか、ということを専門にしています」と景観まちづくりを研究テーマとしている永村景子先生は話す。地球環境と市民生活のどちらにも配慮した空間づくりに必要なことを、その地域に住む人とコミュニケーションを取るなかで模索しているという。

研究室は地域デザインのプロジェクトにも関わっている。例えば群馬県では幹線道路を拡幅して整備する事業を進めており、それに伴う「歩きたくなるみちづくり」プロジェクトをコーディネート。「車移動の多い地域で、歩く文化、歩く習慣づくりから始めようと思っています」と先生。市民へのヒヤリングやアンケート調査など通して「どういう場所になったら歩くか」を利用者と一緒に考え、そのアイデアを空間デザイナーに引き渡す。「市民の皆さんと施行者との仲立ちをしながら利用者の皆で考え、できたものに対しても、皆で愛着をもって大事に使い続けていくことにつなげていく。それが私たちの役割です」

研究室の特徴

予算が限られた公共事業なので地域課題の見極めが決め手

また大分県のあるまちでは、かつてのにぎわいを取り戻そうと、寂れた駅周辺を整備。駅と駅前広場にまちの人たちをどう呼び込んで、どう利活用してもらうかなどのコーディネートを担当。公共空間を地域の人たちにも参画してつくってもらおうと、地元の杉材を使ってベンチとイスを制作。まちの人が誰でも気軽にお店として使える屋台なども考えている。

公共空間整備は基本的に自治体によるもの。民間の事業とは違って予算も限られているため、先生の関わるプロジェクトではその地域の課題を見極めて、解決するための知恵(アイデア)が求められる。それだけにやりがいもあり、また活動の対象も幅広く多様なので、学生それぞれの得意や興味に応じて、適したプロジェクトへの参加を促している。

先生がこの分野に進んだのは「ものづくりが好きだったが、0からつくるのはあまり得意ではなかった」ことがきっかけ。「例えば古くてもいいものを末永く残していければ、それは自分が新たに生み出すよりも、いいものづくりなのではないか、と考えたところからスタートしています。そのいいものが、今は地元の人たちが大事にしている風景や環境であり、それを次代につないでいくことで、住みやすいまちづくりなると思うのです」

研究室の学び

環境の変化を見定められるようになってほしい

3年後期に研究室に配属されると、まず3DのCADやまちづくりの事例などを勉強する。そして4年からは卒業研究に取り組む。地域プロジェクトに関わっている学生はそれを卒業研究とし、プロジェクト未参加の学生は、千葉県内や学生の出身地の都市計画や地域計画に関わる研究を行うことが多い。例えば千葉県いすみ市沖に巨大な洋上風力発電をつくる計画があり、完成後、景観的にどのような影響があるのかなどを、「BIM/CIM」という3次元の空間モデルをつくるツールを使って検証している。

卒業生は建設コンサルタントやゼネコン、地方公務員などへの就職が多いという。「ゼミの学生には『いい環境』とはどんな環境なのか、常に考えながら過ごしてほしい。何気なく歩いているとわからないが、注意していると『いい環境』も『悪い環境』も見えるようになるので、まずはそういう目を養ってほしい。それに気づかないと、『環境をよくしよう』という話も始まらないので、自分で環境の変化や課題を捉えられるようになってほしいと思いますね」とのことだ。

「身近な環境の変化に何か違和感があれば、ぜひこの研究室の扉を叩いてほしい」というのが永村先生からのメッセージだ。

学生の声


和気あいあいとした研究室で、
心地よい公共空間の研究をしています

大学院 生産工学研究科
土木工学専攻
博士前期課程1年 K.K.さん

*学年・インタビュー内容は取材時のもの

機械系から土木系、環境系まで幅広い分野が学べる環境安全工学科に入学。様々なことを学ぶうち、まちづくりに興味を感じて永村先生の研究室に入りました。現在は、芝生の管理状態を調べる研究をしています。公共空間に植えられている芝生は、市民には好評ですが、管理が難しいため自治体の負担になります。そこで、どの程度まで管理すれば皆が満足するかについて調査しています。研究に取り組むにあたり、心地よい公共空間づくりを目標にしています。将来は、ここで学んだことを活かし、公務員や公共空間整備に携われる仕事に就きたいと考えています。

指導教員 永村 景子 准教授

熊本大学工学部卒業後、同大学院修了。博士(工学)。(株)文化財保存計画協会。九州大学大学院特任助教、2016年より日本大学生産工学部助教、専任講師を経て現職。

このページに関するお問い合わせ

大学・部署名 日本大学 入学課
Tel 03-5275-8001

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