<入試科目の掲載について>
入試科目情報は、全学部・方式の入試科目が公表された大学より順次掲載しています。

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日本大学大学からのお知らせ 入試対策情報

※昨年度(2024年4月入学)情報を掲載中

現代文(N全学統一方式第1期)

2023年度入試の問題分析

N全学統一方式第1期について説明する。大問3題のうち、IとIIが現代文。Iは夏目漱石の文学論を、本居宣長をはじめとした国学の言語論との関連で説明した文章。特に前半部分は具体例なしに抽象的な内容を理解しなければならず、苦労した受験生は多かっただろう。漱石独特の記号や、漢文と読み下し文の引用があるが、それに対する筆者の説明は明快。IIは、この世界に存在する不合理の奥底に合理性を見出す、人間の知性の役割について論じた文章。「ある事柄がこの世に起る理由を知ろうとするのが知性の働きである」という一節に気づけば、全体を理解することが容易になる。

設問は傍線部の内容説明や空欄補充、漢字、語彙(ごい)など、オーソドックスな出題形式だった。選択肢の正誤の判別には手間取るかもしれない。古文を含めて大問3題で60分と、制限時間はやや短いが、文章の長さに比して設問の数は少ないので、わからなければ本文を丁寧に読み直し、選択肢の内容をきちんと捉え直すとよい。

2024年度入試対策・学習アドバイス

主題への意識

設問を正確に解くためには、論旨を正確に追い、内容を頭に残さなければならない。そのために不可欠なのが、主題に対する意識だ。主題とは、その文章における「説明の対象」である。言い方を変えると、読者が理解しなければならないことだ。通常はたったひとつしかない。その主題に対する説明が、残りの文章全体を占める。だから、「この部分は何を説明するためのものか」という意識を持つと、各部分の関連が見えやすくなる。そうすれば、理解した内容が頭に残り、理解したことを、実際に設問を解くときに生かせる。接続詞の穴埋めでも、このような力が問われている。

読解の基本を身につける

何かを言葉で説明する手段は、「対比」「具体例」「言い換え」など、限られたものしかない。しかし多くの受験生はそれらを、単にチェックしているだけで終わっていることが多い。内容を理解するための手段になるのだということを踏まえておくことが大切だ。これは受験に必須であるだけでなく、文章を理解するうえでの基本であり、大学で勉学するうえでの前提条件である。当たり前のことを当たり前にやれば解けるように設問はつくられている。

漢字と語彙(ごい)

漢字の学習は必須。漢字・語彙(ごい)を直接的に問う設問も出題されている。日常ではあまり使用しないが、物事を説明したり理解したりするには必要不可欠な、多くの抽象的な言葉もその過程で覚えられる。難しそうに見える言葉に脅えて内容が理解できなくなるという事態だけは避けたい。余裕があれば現代文重要語を集めた参考書も利用して多くの言葉に触れてほしい。

様々な文章に触れる

入試問題で出題される多くの文章は、日常とはまったく別の視点から物事を分析したものが多い。とはいえ、書かれている内容は、受験生の日常にも関わるものであることも多い。自分が親しんでいるはずの事柄を分析的に理解するという経験を、様々な文章を読むことで積み重ねてほしい。その経験の積み重ねが、読解力向上の近道だ。設問に解答する力にも必ずつながる。

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