私立

東京工科大学

ゼミ研究室紹介

掲載している内容は、2022年8月時点のものです

コンピュータサイエンス学部
情報セキュリティ研究室

情報セキュリティ研究室の1枚!

これは何をしているところでしょうか?

タイのプーケットで開催された国際会議に参加したときの、ポスターセッションでの一コマです。

おお。国際会議の参加は、どのようなメリットがありますか?

この時、話をしていたのはマレーシアの研究者ですが、日本にいるだけではわからない、その国ならではの情報に接することができるのが、国際会議のいいところですね。

本編に続く

人工知能を道具として活用し
サイバーセキュリティの可能性を追究する

研究テーマ

コンテンツのデジタル化が進み重要度が増したサイバーセキュリティ研究

コンピュータが進化しデジタル技術が発達した現在、ネットワークやデジタルコンテンツ、システムなど、様々なサイバー領域に関わる分野で、高度なセキュリティの必要性が高まっている。コンピュータやサイバー技術の応用分野からの視点で、サイバーセキュリティについての研究を行っているのが、宇田隆哉先生が率いる情報セキュリティ研究室だ。

サイバーセキュリティは比較的新しい分野で、これを専門にする日本の研究者は、需要の高さに比べまだまだ少ない。例えばネットワーク分野では、これまではネットワークの専門家が必要に応じてセキュリティ対策を行ってきた。情報セキュリティ研究室では、人工知能などの技術を使って情報セキュリティに関する様々な取り組みを行っている。

そのひとつにマルウェア(ユーザーに不利益をもたらす悪意あるプログラムやソフトウェア)への対策の研究がある。「人工知能を使って、変異によりパターンの比較を逃れる亜種マルウェアの検出を行うことに取り組んでいます。多くのマルウェアはサイズが大きく、人工知能で直接読み込ませると処理に時間がかかります。そこでマルウェアから特徴的なプログラムの部分を抽出し、サイズを圧縮する前処理を行うことで、人工知能を使ってマルウェアの検出を高い精度で行う技術を開発しています」と、宇田先生は研究内容を説明する。

研究の応用

人工知能を使った不鮮明なナンバープレート判別技術

人工知能が不鮮明なナンバープレートを判別する確率
図6.2 36 x 58 '6', 99.995863%
図6.3 18 x 29 '6', 99.996996%
図6.4 9 x 14 '6', 99.99702%
図6.5 4 x 7 '6', 99.98155%
図6.6 2 x 4 '6', 99.88733%
図6.7 1 x 2 '1', 34.142175%

情報セキュリティ研究室の取り組みは幅広い。例えば近年増えてきたのが、犯罪捜査などでのデジタル技術の活用だ。「監視カメラの画像から自動車のナンバープレートを読み取ることがありますが、画像が不鮮明で判別が難しい場合もあります。そこで人工知能を使って判別を行う技術の開発に取り組んでいます」

この研究のポイントは、人工知能に深層学習を行う前処理段階にあると宇田先生は言う。不鮮明なナンバープレートを読み取って判別できる、精度の高い人工知能をつくるには、様々な種類の不鮮明なナンバープレートの画像を大量に読み込んで深層学習させる必要がある。しかしその膨大なサンプル写真を実際に用意するのは大変な作業だ。そこで導入したのが、CGによるサンプル画像の大量作成だ。日本のナンバープレートには決められたフォントの文字が使われており、数字の一部を隠したり、斜めから見たり、解像度を落として不鮮明にしたりした画像を大量につくることは、現在のCG技術を使えば簡単にできる。

このサンプル画像を使い人工知能に深層学習を行った結果、人間の目では判読が難しい不鮮明なナンバープレートでも、人工知能が高い確度で読み取ることが可能になった。この技術で読み取ったナンバープレートの情報は、デジタルフォレンジック(犯罪捜査や裁判で、デジタルデータを解析した情報を使うこと)として活用でき、社会貢献につながる研究だ。

画像はすべてナンバープレートに使われる「6」の数字。図6.2から図6.5までは、人間も判別でき、人工知能も99%の確率で判別。図6.6になると、人間では判別が難しいが、人工知能は99%の確率で正解。しかし図6.7になると、人工知能でも34%の確率でしか判別できない。

学びの特徴

ニーズの高いサイバーセキュリティを強みとするIT人材を育成

研究室では国内外の学会が主催する会議やシンポジウムへの
参加を積極的に推進。
コロナ禍の現在はオンライン環境での学会発表を行っている

一方で、人間には普通に判別できるのに人工知能は騙されてしまう模様や図柄があり、その模様や図柄を使い人工知能を騙す手法を活用して「人工知能からは見えない服」をつくるような最先端の研究まで、研究室の取り組みは多岐にわたる。また情報セキュリティ研究室では、国内外の学会が主催する会議やシンポジウムへの参加を積極的に行ってきたという。コロナ禍がまだ癒えていない現在も、オンラインでの参加で発表を行い、学生の知見を広める学びにつなげている。

IoT機器が普及し、身近な家電製品にも導入されるようになった現在では、あらゆる分野でサイバーセキュリティのニーズが生じている。例えば仮想通貨などでセキュリティに使われるブロックチェーン技術は、暗号理論を専門とする学者に言わせれば必ずしも万全ではないと言われている。しかし実際に広く活用されており、その安全性を保つ高いニーズがあり、人材が求められている。「コンピュータサイエンス学部の学生は、卒業後にシステムエンジニアとして活躍する人が多いのですが、サイバーセキュリティのニーズに応えて活躍できる専門性の高いIT人材の育成を念頭に指導しています」と宇田先生は、学生への期待と指導方針の理由を明かしてくれた。

学生の声


従来は不可能だった技術の研究におもしろさを感じています

大学院 バイオ・情報メディア研究科
コンピュータサイエンス専攻
修士2年 M.M.さん

*学年・インタビュー内容は取材時のもの

コンピュータサイエンス学部に入学してから、興味を持てる分野に出合うことができました。大学が掲げる「実学主義」の通り、1年次からプログラミングなどの実技が多く組まれており、自分で組んだプログラムが動くことに喜びを覚えました。学年が上がるにつれ、より高度な内容を学ぶことができ、社会で役立つレベルまで身につけることができます。その過程でセキュリティと機械学習に興味がわき、その双方を研究できる情報セキュリティ研究室に進みました。現在は、人工知能でナンバープレートを判別する研究を行っています。従来の研究事例では、判別できない劣化画像は研究の対象外として省かれることが多かったのですが、私は劣化画像も含めた判別に取り組んでおり、これまでできなかったことを可能にする研究に、おもしろさを感じています。また、研究室では海外も含めた学会での発表や論文発表にも力を入れていて、そこも大きな魅力です。ちょうど今、研究成果を論文にまとめ夏に学会発表する準備をしています。

指導教員 宇田 隆哉 准教授

2002年東京工科大学片柳研究所助手、2002年慶應義塾大学理工学研究科後期博士課程修了。博士(工学)。ネットワークセキュリティを専門とし、2003年東京工科大学コンピュータサイエンス学部専任講師に就任。2022年より現職。

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大学・部署名 東京工科大学 広報課
Tel 0120-444-903
E-mail pr@stf.teu.ac.jp