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日本大学大学からのお知らせ 入試対策情報

現代文(N全学統一方式第1期)

2024年度入試の問題分析

N全学統一方式第1期について説明する。大問三題のうち、IとIIが現代文。Iは「真の芸術」を「それがひとびとの目の前に現れるまで、そのようなものがこの世に存在するとは想像すらされなかった」ものだとする文章。現在は芸術が商品となり、消費者は自らのニーズに基づいて求め、「既にそれが何であるか知られている」かのように作品に接するため、本当の意味で芸術に触れることが難しくなっていると言われる。IIは、自由に考えることが、論理的必然性に従って考えることだという、一見すると逆説的に思われる見解が展開される文章。通常、自由と必然性は対立すると考えられるため、論旨を正確に追わなければ、書かれていることを正しく理解することはできない。設問は傍線部の内容説明や空欄補充、漢字、語彙(ごい)など、オーソドックスな出題形式だった。文章は知的に興味深く、意地の悪い設問もない。読解力があれば得点できる良問。古文を含めて大問3題で60分と、制限時間はやや短いが、文章の長さに比して設問の数は少ないので、わからなければ本文を丁寧に読み直し、選択肢の内容を正確に捉え直すとよい。

2025年度入試対策・学習アドバイス

主題への意識

設問を正確に解くためには、論旨を正確に追い、内容を頭に残さなければならない。そのために不可欠なのが、主題に対する意識だ。主題とは、その文章における「説明の対象」である。言い方を変えると、読者が理解しなければならないことだ。通常はたったひとつしかない。その主題に対する説明が、文章の全体を構成する。だから、「この部分は何を説明するためのものか」という意識を持つと、各部分の関連が見えやすくなる。そうすれば、理解した内容が頭に残り、理解したことを実際に設問を解くときに生かせる。接続詞の穴埋めでも、このような力が問われている。

読解の基本を身につける

何かを言葉で説明する手段は、「対比」「具体例」「言い換え」など、限られたものしかない。しかし多くの受験生はそれらを、単にチェックしているだけで終わっていることが多い。内容を理解するための手段になるということを踏まえておくことが大切だ。これは受験に必須であるだけでなく、文章を理解するうえでの基本であり、大学で勉学するうえでの前提条件である。当たり前のことを当たり前にやれば解けるように設問は作られている。

漢字と語彙(ごい)

漢字の学習は必須。漢字・語彙(ごい)を直接的に問う設問も出題されている。日常ではあまり使用しないが、物事を説明したり理解したりするには必要不可欠な、多くの抽象的な言葉もその過程で覚えられる。難しそうに見える言葉に怯えて内容が理解できなくなるという事態だけは避けたい。余裕があれば現代文重要語を集めた参考書も利用して多くの言葉に触れてほしい。

様々な文章に触れる

入試問題で出題される多くの文章は、日常とはまったく別の視点から物事を分析したものが多い。とはいえ、書かれている内容は、受験生の日常にも関わるものであることも多い。自分が親しんでいるはずの事柄を分析的に理解するという経験を、様々な文章を読むことで積み重ねてほしい。その経験の積み重ねが、読解力向上の近道だ。設問に解答する力にも必ずつながる。

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