<入試科目の掲載について>
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同志社大学

同志社大学大学からのお知らせ ゼミ研究室紹介

掲載している内容は、2024年4月時点のものです

神学部
三宅ゼミ(近現代思想家の宗教観演習)

三宅ゼミの1枚!

ゼミの様子ですね。みんなで何を読んでいるのですか?

精神科医・心理学者であるフロイトの『精神分析学入門』です。現代的な立場から宗教を研究するのに、フロイトの思想を知ることはとても大切なんですよ。

神学部といえば、宗教の教えを学ぶ学部だと思っていました。

学べるのはそれだけではありません。私にとって最大のテーマは「人間とは何か」。フロイトの著書は、人間の心の動きを知る手がかりを与えてくれるものです。

思想家本人の著作をていねいに読み
自分自身や他者について理解を深める

学部の特徴

3つの一神教をメインに
多様な学問を自由に学べる学部

キリスト教、ユダヤ教、イスラーム教を信仰する人は世界の人口の55%に上る。これらの宗教に関する知識は、国際社会を理解するために欠かせない要素のひとつだと言えるだろう。同志社大学神学部は、これら3つの一神教をメインに、それぞれの宗教に関わる文化、社会、歴史、言語、芸術、さらには哲学、心理学、社会学などもあわせて学べる学部。3つの一神教をすべて学ぶことも、どれかひとつを深く学ぶこともでき、必修科目2単位(1科目)以外は自由に選択した科目で学びを組み立てられるのも特徴だ。

ゼミの特徴

フロイトの思想を理解することで
宗教的象徴の解釈がより豊かになる

大阪府出身の三宅先生。ゆったりした関西弁が教室の雰囲気を和らげる

三宅威仁先生のゼミは、デカルト、パスカル、トルストイ、ユングなどの思想家が宗教についてどのように考えていたかを、その著作を通して学ぶもの。解説書ではなく、必ず思想家本人の著作を全員で読み進める。「解説書には解説者の思想が入っているので、難しくても必ず本人の著書を読みます。名著を熟読すると、著者が自分に語りかけているような気持になることがあります。そんな体験も味わってもらいたいのです」

今、読んでいるのはフロイトによる『精神分析学入門』。フロイトは、それ以前の常識に反して、人間の心の大半は無意識で占められ、無意識的な欲動によってつき動かされているとの革新的な考えを広めた人物だ。ユングなどの心理学者はもちろん、現代に生きる私たちも、知らず知らずのうちにフロイトの枠組でものを見ていると三宅先生は言う。

ゼミは、学生が一段落ずつ読んで自分の解釈を述べ、先生が図示なども用いて詳細な解説を加える形で進められる。「リビドー」「エディプス期」などフロイトの提唱した概念も交えながら「無意識」の世界が語られていく。

フロイトの思想を学ぶのは、宗教の中で語られる物語や象徴の読み解きが豊かになるからだと三宅先生。「ヤマタノオロチなどの日本神話もふくめ、宗教の物語や象徴には様々な解釈が可能です。フロイトを理解すると、フロイト以前には不可能だった、深層心理学的見地からの解釈もできるようになり、それは人間への深い理解にもつながります。『人間とは何か』は、神学に限らず、人文科学系のすべての学問における究極のテーマだと私は考えています」

学びのPOINT

物質的な豊かさではなく
内面の成長につながる学び

神学館の礼拝堂前。壁に刻まれているのはヘブライ語の「創世記」冒頭の「天地創造」

神学部の学生のうち、牧師をめざすのは1学年で2、3人。卒業後は多くの学生が一般企業に就職する。「お金をもうけたい、権力を握りたいなどの欲望に動かされている現代社会。私のゼミはそんな欲望を満たすためには役立たないでしょう。しかし社会にもまれたとき、欲望を満たすだけではない人生もあり得るということを思い出してもらえるのではないでしょうか。神学部の学びは、物質的な豊かさではなく、内面の成長につながる学びです。ヨーロッパや北南米などのキリスト教文化圏の思想や芸術を理解するにはキリスト教の知識が必要でしょう。イスラームやユダヤ教に関しても同じです。それらに関心のある人なら、他では学べないことが学べる学部だと思います」

学生の声


興味や関心に合うゼミに好きなだけ参加できます

神学部 神学科
4年 Y.O.さん

*学年・インタビュー内容は取材時のもの

フランスやロシアの文学が好きで、キリスト教を学べば理解が深まると考えて神学部を選びました。

神学部は自分でフレキシブルに学びを組み立てられる自由度の高い学部です。私は興味のあるテーマを探求するため、ゼミを4つとっています。三宅先生のゼミも、新しい知識やものの見方が身につけられることから参加しました。

卒業論文のテーマは北米先住民居住地での核廃棄処理場建設問題です。先住民のスピリチュアリティが反対運動にどう影響しているかを考察しています。

卒業後は、社会科学系の大学院へ進学します。卒論のテーマを別の角度から眺めながら、宗教という枠組が今後の世界でどのような意味を持つのかについても考え続けたいと思います。

指導教員 三宅 威仁 教授

大阪府出身。同志社大学神学部卒業。同志社大学大学院神学研究科博士前期課程修了。シカゴ大学大学院社会学部修士課程修了。1994年に同志社大学に入社。2008年より現職。宗教社会学、宗教哲学を担当。小説も執筆しており、2023年に『八色ヨハネ先生』を文芸社より出版した。

このページに関するお問い合わせ

大学・部署名 同志社大学 入学センター入学課
Tel 075-251-3210
E-mail ji-nyugk@mail.doshisha.ac.jp

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