<入試科目の掲載について>
入試科目情報は、全学部・方式の入試科目が公表された大学より順次掲載しています。

私立

どうししゃ

同志社大学

同志社大学大学からのお知らせ ゼミ研究室紹介

掲載している内容は、2023年7月時点のものです

文化情報学部
身体メディア研究室

身体メディア研究室の1枚!

ブロックでなにかをつくっているのでしょうか。

3人1組で、30分かけてお城をつくる作業を行っているところです。

あれ、手首や肘になにかがついていますね。

一人ひとりの動きをデータとして収集するためにモーションキャプチャという装置で関節の動きを計測しています。身体の動きだけでなく、作業中の会話も収録して、すべて時系列に沿ってデータとして収集しているのです。

そのデータはどうするのですか?

作業のなかで言葉と身体によるコミュニケーションがどのように行われたかをグループごとに解析、比較し、共同作業をうまく進めるために必要な要素を抽出します。おもしろい結果も出たんですよ。

人の身体がコミュニケーションのなかで果たす役割を
データサイエンスで解明

研究の内容

雑談の多いチームで創造性の高い作品がつくられた

私たちは、どのような方法で人とコミュニケーションをとっているだろう。まず思い浮かぶのは言葉だが、表情、視線、身ぶり手ぶりなど、身体を使ったコミュニケーションも大事な要素だ。

阪田真己子先生は、人の身体がコミュニケーションのなかで果たす役割を、データサイエンスの手法を用いて科学的に解明する研究を行っている。例として挙げられたのはブロックでお城を作る共同作業。「メンバーそれぞれが異なる『お城』のイメージを頭のなかで持っている状態から、それをどのように人に伝達し、人の考えを知り、グループ全体で調整してひとつの作品として完成させていくのか。言葉と身体の両面からデータ収集・解析を行いました」

この研究から得られた興味深い結果のひとつが、「雑談」の多いグループほど創造性の高いお城ができたということだ。「創造性の高い共同作業にはコミュニケーションの量が必要だという結果は予想の範囲内でしたが、『今日、ここまで何で来ました?』など、作業の目的には一見関係なさそうに思える雑談の多さが作品の創造性に影響するというのは、とても興味深い結果でした」

学部とゼミの内容

データサイエンスの手法で学際的に文化を研究

同志社大学 文化情報学部は『文化をデータサイエンスの手法で探究する』学部。これまでの文化研究では発見し得なかった現象や知見を、データサイエンスの技術を用いて発見しようとするものだ。この学部は、データサイエンスのスキルの修得に特化することなく「人間が本当に何を求め、何を幸せと感じるか」を考察してデータを解釈することで、人間の幸福に資する「文化情報」の提供をその先に見据えている。「本学部は文学、芸能、建築などに限らず、表情やしぐさなどの身体文化、行動様式、習慣、動機、価値観など…人間が後天的に獲得するあらゆるものを文化と捉えています。そして人類の叡智(生きる知恵)としての文化を、言語学、社会学、心理学など、様々な分野の知見を持ち寄り、分野を横断した研究を行うことによって、よりよい社会の形成をめざしています」

阪田先生のゼミにも、文系出身、理系出身、興味の対象も様々な学生が集い、互いの知識や経験を共有しながら研究活動を行っている。先生が行っている大手下着メーカーやデジタルクリエイター教育機関との共同研究に参加したり、自分のテーマを追究したり。失伝の危機にある伝統芸能・芸道をデジタル技術でデータ化し、後世に伝えるのも、阪田先生の研究テーマのひとつであることから、日本舞踊の「間」に関する研究を行った学生や、茶道のお点前動作に着目した学生もいたそうだ。テーマを限定せず、様々なことに取り組めるのも阪田ゼミの特徴だ。

学生の様子

自分の殻を打ち破り、友達にも助けられて成長

舞踊やお笑いといった芸能研究も阪田先生の研究テーマのひとつ。長年習い続けてきた日本舞踊の「間」を客観的な数値で再定義した学生もいた

学生にとって、企業との共同研究は緊張感のある場面。事前準備も入念に行うなど責任感が自然と育まれる。「自分の研究がどう社会貢献につながるかを考えるよい機会にもなっています」

また、阪田ゼミでの研究はテーマが大きく、事前に結果が予想できないものも多い。「自分で考えた方法で実験を行い、分析の結果が出たところからがスタートです。その結果にどんな意味があるのかを考えるのはとても苦しいのですが、実はそれが楽しいんです」と先生。「苦しみぬいた末に『もしかしたらこういうことかもしれない』と気づいたときの学生のキラキラした目。研究を通してぐっと視野が広がる瞬間があるんですね。学生同士で激しく議論している声が聞こえるときもあります。自分の殻を打ち破り、友達にも助けられながら成長してくれているのがうれしいですし、学生同士が刺激し合う経験は必ず社会でも生きると思います」

学生の声


ソーシャルロボティクス研究室との共同研究で学会発表も経験

文化情報学部
4年 F.Y.さん

*学年・インタビュー内容は取材時のもの

データを扱うことに興味があったので、文系出身でもデータサイエンスを学べる唯一の学部である同志社大学 文化情報学部に進学しました。

ゼミでは3年次に、ソーシャルロボティクス研究室と共同研究を行いました。個性のあるロボットが人にどのような影響を与えるかについての研究です。ロボットは未知の分野でしたが、互いの強みを融合させた新しい研究に挑戦しようとこのテーマに決めました。

2体のロボットのうち1体だけに、語尾にかわいらしいクセをつけて個性を与え、それぞれが話す様子を実験参加者に見てもらいました。その後、その参加者にそれぞれのロボットと一緒に自撮りをしてもらうと、個性のあるロボットとはより近い距離で自撮りする、つまり心理的な距離も近くなるという結果となりました。アンケート調査ではなく、自撮りの際の物理的距離によって心理的な影響を検証したところがポイントです。

物理的距離をどう設定するか、結果をどう解釈するか、非常に苦労しましたが、学部3年生ながら学会でポスター発表する機会も得られ、専門家の方にも高くご評価いただきました。文系出身の私がロボットの分野に関わり、異なる背景の学生と議論をすることによって、視野が広がり、様々な視点からものごとを捉えられるようになったと感じています。

指導教員 阪田 真己子 教授

兵庫県姫路市生まれ。2002年神戸大学大学院総合人間科学研究科博士課程修了。博士(学術)。ATR知能映像通信研究所研究員、福島学院大学講師を経て、2005年、同志社大学文化情報学部専任講師に着任、2018年より現職。学生時代からコミュニケーションについて興味を持っていたことから、身体の情報伝達機能に注目。グループワーク観察や機器を用いた身体動作の計測などを通して、人間の身体から伝わる様々な情報について実践的にアプローチしている。

このページに関するお問い合わせ

大学・部署名 同志社大学 入学センター入学課
Tel 075-251-3210
E-mail ji-nyugk@mail.doshisha.ac.jp

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